第29話 中華そばとオレンジ牛乳
車は帰路についるけど、行と少し違う経路を走っている。
帰るにはまだ時間が早いので、もう1か所寄っていく事にして
車を走らせるけど、目的のインターを降りて一般道少し走ると鉄道の駅に着くと
駅前にある大きな駐車場に車を停めた。
「目的地からちょっと遠いけど、市街地は狭いからここが何かと便利なんだよね~」
空さんはそう言うけど、スマホで調べたらこれから行く所は歩いて15分ぐらいの場所。
もう少し言うと、1日目に行った古い町並みよりさらに大きい古い町並みがあるそうだけど
古い町並みの他に江戸時代の陣屋があるそうなので、そこを目指すそうだ。
「江戸時代の建物そのままなんですね」
「そうだよ。江戸時代から昭和40年代まで255年間役所として使われたそうだよ~」
「255年間ってすごいですね」
「しかも、江戸時代の建物そのままだから見にいこうかなって」
「それは見たいですね。最初に見た廻船問屋の建物の良かったですが、それより古い建物なら見たいです」
「文乃、本当に興味あるの?」
「あるって、多分」
「多分って……」
「まぁま~いつもの文乃ちゃんだから~気にしなくていいよ~」
「確かに、夕の言うとおりね」
温海は悠に割れて全てを納得したけど、それはそれでと思いつつ
半分気になるけど、半分はよくわからない感じではある。
「あと、丁度お昼の時間だから~名物の中華そばを食べていこうね~」
「中華そばって、ラーメンですよね?」
「そうだけど、ここのラーメンは中華そばって感じだし、メニューもそう書いてあるよ~」
「そうですか」
「ここは何度か来た事あるけど、毎回行くお店があるからそこへ行くけど
12時前から混むから近くちょと急ぐよ~」
「わかりました」
空さんに案内されて、5分程歩いた先にあるお店に到着。
時間は11時45分だけど、店の中は既にいっぱい。
でも、まだ空きがあるのですぐにテーブルに座れた。
「メニューは確かに、中華そばですね」
「でしょ。味はちょっと濃いけど、かえしをスープに入れて鍋で煮込んでるだよね・
そして、鶏ガラや野菜ベースだから濃いけどさっぱりしてるって感じだよ~」
「そうなんですね」
「それじゃ、何を頼むか決めてね。わたしはチャーシューめんの大盛って決まってるけどね~」
空さんは既に決まっている見たいけど、メニューは中華そばの普通と大盛に
チャーシュー面の普通と大盛だけではあるけどね。
なので、わたしも空さんと同じチャーシュー面の大盛にする。
「わたしも空さんと同じでいいかな」
「それじゃ~わたしは~チャーシューめんの普通かな~」
「わ、わたしも、夕と一緒でいいわよ」
「わかったきりね。あと、お昼はごはんとお漬物が無料でつくんだよ~」
「そうなんですね。もちろん、一緒に頼みます」
「それじゃ~わたしも~」
「わ、わたしも、頼むわ」
「わかった、それじゃ、注文するよ~」
空さんは店員さんを呼んで注文をした。
「しかし、お昼前なのいっぱいですね」
「ここは地元の人と観光客の人が来るから、混むんだよね~」
「なるほど」
「でも、それだけ美味しいし、お持ち帰りもあるし、スーパーでも売ってるからね~」
「そうなんですね」
スーパーでも売ってるとは有名な所らしいので、スマホで店名を調べたらすぐに出て来て
人気のお店でもあった。
「確かに、有名なお店ですね」
「でしょ~。そうそう、食べたらさっき言ってた陣屋へと行くけど、
古い町並みの方にも行こうね~」
「調べたら有名なんですね」
「そうだよ。元々人は多いけど、ここ最近はさらに混んでるけどね。
あと、酒蔵があるからもちろん行くよ。ただ、試飲できないのが残念だけどね……」
車の運転があるのでお酒を飲む訳に行かないので、仕方がないかな。
でも、空さんは夏限定のお酒もあるし、やっぱり現地へ行って買うのが一番と言っている。
今はネットで取り寄せるけど、あえて現地へ行くのは贅沢かもね。
「お待たせしました」
ラーメンというか中華そばが来たので、テーブルに並べてる。
いただきますと言って食べるけど、スープの色は濃い目で麺は細めでちょっと縮れてる。
そこにチャーシューが5枚にメンマとネギといたってシンプル。
そして、サービスの小鉢のご飯とお漬物がついている。
「ちょっと濃いめですが、それでもあっさりして食べやすいですね」
「でしょ~。これににんにくを入れたらもっと美味しいけど、どうする?」
空さんが言うとおり、おろし金とにんにくがテーブルに置いてあり
自分でおろすようになっている。
確かに入れたら美味しそうだけど、臭いが気になる。
これから人の多い所へ行くし、自分でおろすと手に臭いが付くから悩む。
でも、空さんは躊躇なくにんいくを1かけらをおろしてラーメンに入れてる。
「う~ん、やっぱりにんにくを入れるとももっと美味しいね~」
「臭いが気になりません?」
「気にしてたら最初からしてないよ~」
「た、たしかに。それじゃ……わたしも入れるかな」
わたしも空さんを見習って、ひと1かけらをおろして入れたけど……確かにこれはおいしい。
にんにくを入れると味が締まるというか、味の濃さが気にならなくなる感じかな。
さらにスープというかおつゆの濃さが、ごはんにまた会う。
考えてみたら、炭水化物に炭水化物だけど、上手さの方が圧倒的に上。
そして、一緒についてきた大根のおつけものが、いい口なおしになる。
う~ん、これはわたしでも癖になる美味しさかも。
わたしは箸が進むけど、夕と温海はにんにくは入れないけど美味しいと言って橋が進んでいる。
温海は最初はごはんは多いかもって言ってたけど、温海もごはんとラーメン、さらにおつゆも飲み干したのでそれだけ美味しかったって事。
わたしは大盛を頼んだけど、すぐに食べ終わりスープを飲むと
少し残したごはんと1枚残した大根のお漬物を食べ終えたのだった。
「ごちそうさまでした。ふう、美味しかった」
「そうね、ごはんもあって丁度良かったわ」
「そうだね~おつゆがごはんにあって~これじゃ~物足りないぐらいだよ~」
「それはわかるけど、食べ過ぎになるからね。お会計だけど、ここも皆も分を出すわよ~」
空さんはそう言うけど、素直に「ありがとうございます」と言って出してもらった。
「ごちそうさまでした~」
「ありがとうございます」
お店を出るとこのまま目的の場所へ行くと思ったら、空さんは道路を渡って
店の向かいにあるコンビニへと行くというので、わたしたちも飲み物が欲しいので
構わないと言ってコンビニへと向かう。
コンビニでは暑い中を歩くので飲み物を買うけど、空さんはローカルメーカーの
オレンジ牛乳を買ってたけど「中華そばの後はこれで口直しだよ~」っと言うので
わたしも買ってみて外で飲んだけど、確かに濃いめの味の後はさっぱりしていいかも。
それに、牛乳自体も美味しくてオレンジ果汁がはいってるのいい。
次にいつ来るかはわからないけど、また来る事が合ったら中華そばの後はオレンジ牛乳と決めたのだった。
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