第23話 温海を起こす方法
寝室に入ると、スヤスヤと寝息をたて気持ちよく温海が寝ている。
なので、起こすのは悪いと思いつつ、わたしも夕もお腹が空いたから温海を起こすけど
寝起きドッキリだと、私物をあさったり脱いだものをチェックしたりするけど
あれって本当に使った物じゃないよね?多分。
それに、温海にそれをやったら絶対に激怒するからやらないけど。
「温海~ご飯食べに行こうよ~」
温海を揺らしてみるが、起きる気配がない。
温海は楽しそうに遊んでたし、空さんに泳ぎを教わったりして疲れたんだろうね。
でも、夕と2人だけで食べに行くのもなんか悪いけど、時間の関係もあるから何とかして起こさないと。
「うーん、起きないよね」
「だね~」
「そういえば、お泊りの時はキスで起きたよね」
「そうだけど~今日はやめておくかな~」
夕はこう言うけど、なんか意外。
いつもなら、わたしが言わなくても自分からしていくぐらいなのに。
「夕にしては珍しいね」
「だって~何度もやったら面白くないし~たまにするから~効果があるんだよ~」
夕の言っている事はわかるけど、いつもはわたしの前でも頬だけどキスをしてるじゃないですか。
「いつもは頬によくキスしてるよね」
「あれは~挨拶だよ~」
わたしはまた『欧米か!』って言いたくなったけど、通じない古いツッコミを
何度もするのはやめておこう。
「しかし、起きそうにないよ」
「温海ちゃんって~寝たら意外と起きないからね~」
「そうはいっても、もう19時になるし、あまり遅く行くと料理の追加も終わっちゃうよ」
「そうだけど~一応食べ放題意外でも~招待券で食べられるみたいだよ~」
「そうなんだ」
ホテルには宿泊客用以外にレストランがいくつかあって、そこも無料で食べられるらしい。
ただ、メニューを見たら、ちょっと高級かお酒を飲むためのメニューばかりで
どちらかというか空さん向けで、わたしたち向けではない感じ。
「メニューを見ると、空さん向けだね」
「そうだね~高校生の女の子3人で行く所じゃないよね~」
「そうなると、温海を起こさないと」
わたしは温海を何度も声をかけたり、身体を揺らすけど、温海はう~と唸るがまったく起きない。
「う~ん、やはりここは彼女の夕さんにお任せします」
「そう言われても困るけど~がんばるよ~」
夕と交代するけど、夕は温海の耳元で
「起きないと~文乃ちゃんの彼女になるよ~」
と囁くけど、漫画やラノベじゃないんだから、こんな事で起きる訳が……と思ったら
「夕、本当なの!?」
っと温海が起き上がったのだった。
「もう~冗談だよ~わたしは~温海ちゃん一筋だから~」
「もう、冗談でもそう言う事言わないで……夕に嫌われたと思ったじゃない……」
「ごめんね~ご飯の時間だけど~温海ちゃんが起きないから~」
「もうそんな時間なの?2時間以上寝てたわね……」
「そうだよ~」
「わかったわ……それじゃ食べに行きましょ」
「だね~」
「本当は……夕とお風呂に入りたかったけど、仕方がないわね」
「ごめんね~温海ちゃんが寝ている間に~文乃ちゃんと入ったよ~」
「別にいいわよ、文乃となら。それに、海に入ったから流した方がいいわ」
温海はこう言うけど、夕がわたしとお風呂に入った事を嫉妬したりはしないか。
「でも......後で……あたしともはいってよ……」
「もちろんはいるよ~」
「ありがと……」
温海は夕と一緒にお風呂に入る事を照れながら喜んでるけど
もうご飯の前にお腹いっぱにさせないでよ。
でも、いい物を見させていただきました、ありがとうございます。
「行く前に顔を洗って、髪を整え来るわ」
温海はそう言って、洗面所へ行き顔を洗い解いた髪を縛って何時ものツインテールにする。
「それじゃ、行くわよ」
「そういえば、招待券も持って行かないとダメだよね」
「持って来てないの?」
「確か、部屋に置いてきちゃったかも」
わたしはポシェットの中を見るけど、財布とスマホは入ってるけど招待券は見つからない。
そういえば、無くさないように空さんの招待券とひとまとめにしてあったことを思いだし。
「空さんのとひとまとめにしてたから、きっと部屋だ」
「でも、空さんは内わせ中でしょ?」
「そうだけど、仕方がないよ。部屋に戻ってみる」
「わかったわ」
わたしは部屋に戻ってドアをノックするけど、よく見たらインターフォンもあった。
なのでそれを押してみるけど、まだ打ち合わせ中かな……。
わたしは打ち合わせ中で出れなかったらどうしと思ったけど、ドアが開いた。
「誰かと思ったら、文乃ちゃんか~どうしたの?」
「え~と、ご飯を食べに行くのですが、招待券を空さんとひとまとめにしてたので取りに来ました」
「そうなんだ。丁度打ち合わせも終わったから、わたしも一緒行くよ~」
「そうなんでね」
「それじゃ、持ってくるから待っててね~」
「あ、カードキーを忘れないでくださいね」
「うんわかった~」
ドアが閉まってしばらく待つとと、空さんは招待券とカードキーを持って来てくれた。
「カードキーは文乃のちゃんが持っててね~」
「わかりました」
「あと、招待券」
「ありがとうございます」
わたしはカードキーと招待券を受け取ると、空さんと一緒に温海と夕の所に行き
4人でご飯を食べに行くのだった。
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