第22話 夕は文乃を視線に気づいてる

「ん……あれ~なんで~ソファーに座ってるの~?」


夕は目を覚したけど、温泉で寝てたからわたしが連れて来たと教えた。


「そうなんだ~文乃ちゃんありがと~」

「別にいいよ。それより、早く服を着た方がいいよ」

「そうだね~」

「服はソファーの上に置いてあるから」

「ありがよとね~」

「抱きつく間前に着替えてよね」


夕がいつものように抱きつこうとしたから、わたしがこう言うと

夕は「うん」といって、服を着始める。

着替えは何時も見てるけど……Eカップとなるとブラのサイズもって感じ。


 わたしもCカップブラをしているけど、Eカップはけた違いな気がする。

そして、実際の胸のボリュームも正直敵わない。


「うーん、胸は大きい方がいいのかな」


わたしは自分の胸と夕の胸を見て言うけど夕は


「大きいと~大きいで~大変だよ~」

「肩が凝ると言うけど、実際にどうなの?」

「肩は多分こらないけど~走ったりするときとか~服選びは意外と大変かな~」

「そうなんだ」

「絵柄があると~胸の所で伸びるから~ダメだし~制服も~サイズが結構面倒だったよ~」

「夕の制服って身長もあるけど、それよりも大きめだよね」

「うん~だから~サイズ外になったから~お金と時間がちょっとかかったんだ~」

「それは大変だね」

「あと~やっぱり~みんなに見られる事かな~男の人だけでなく~女の人も見てくるからね~」


そうか、胸が大きいと男女関係なく見てくるのか。

わたしも夕と仲良くなる前からガン見までいかなくて、気になってたからね。

ただ、今じゃ夕から当てて来るぐらいになってるけど。

でも、他人に見られるのは確かに気持ちはよくないよね。

わたしだって、男の子に見られているのはわかるけど、中には明らかに

いやらしくみてて気持ちはよくないけど……これに関してはあまり人の事が言えない。


「そうなると大変だね」

「今はもう~慣れたけどね~」

「慣れるものなんだ」

「慣れるというか~堂々としてると~逆に見る方が悪いと思うからね~」

「なるほど」

「でも~温海ちゃんと一緒にいる方が~見られるけどね~」


胸よりも温海といる方が見られるのは、よくわかりますよ。

明らかに2人は百合です!って空気を出してますから。

それに夕と温海が腕を組んでたら、見るなと言う方が無理ですよ。


「2人で腕を組んでたら見ちゃうのはわかるな~」

「文乃ちゃんは~百合を見るのが~好きだからね~」

「ええ、大好きですってやっぱり気づいてるんだ」

「気づかない方が~無理だって~」

「それもそうか」


夕も温海も特に何も言わないけど、見ている事はやっぱり気づいてるか。

もっとも、夕もわたしに見せつける様も見えるけどね。

これはこれで、ご褒美なのでむしろもっとやれですよ。


「わたしは~どっちかというと~見せつけてるけどね~」

「あーそれは、わたしもわかるよ」

「ん~やっぱりわかるんだ~」

「でも、それはそれでご褒美ですから」

「はは~文乃ちゃんらしいね~」

「まぁ、お互い様ですよ」

「かもね~」


夕はわたしに温海とのイチャイチャを見せつけて、わたしはそれをみてニヤニヤする。

まさにWIN-WINな関係ですよ、多分。


「ところで、そろそろお腹が空かない?」

「そうだね~夕飯の時間だよね~」

「温海はまだ寝ているのかな?」

「多分、まだ寝てると思うよ~」

「といことは……ここは寝起きドッキリですな」

「寝起きドッキリ?」


しまった、また夕には通じなかったか。

わたしもネットの動画で昭和のテレビ番組として寝起きドッキリが紹介されていて

それで知ったんだけどね。


「昔のテレビの番組で、アイドルが寝ている所に行って驚かすって企画」

「ん~それだけ?」

「それだけどなんだけど、ホテルの部屋で寝て起きたら人が居たら怖くない?」

「確かに怖いけど~そんなことをテレビでやるんだ~」

「まぁ、昔の話なんだけどね」


わたしの説明が下手なのか、夕が興味がないかわからないがとにかく通じない。

昭和のテレビ番組はわたしたちが産まれ前だから仕方ないけど。


「とにかく、温海を起こそうよ」

「それもそうだね~」


わたしと夕は温海が寝ている寝室のそっと入ると……温海はスヤスヤと寝息を立てて

とても気持ちよくねていたのだった。

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