第18話 浜辺でバーベキュー
お昼ごはん浜辺でバーベキューとなったが、これは流石に別料金らしい。
でも、お金の事は気にしないでとにかく焼くよ。
「お肉もいいけど、海辺は海鮮でよね」
「イカが美味しよね~」
「……あたしはイカは食べれないわ」
「え、そうなの?」
「温海ちゃんは~タコもダメだよね~」
「へー、意外だなぁ」
「べ、別にいいでしょ。見た目が苦手なのよ……」
「美味しいけど、無理に食べさせるのも良くないから、好きな物を焼けばいいよ」
「そうするわ」
温海はお肉とホタテを焼きけど、焼いたホタテにしょうゆは美味しそうだなぁ。
「しょうゆの匂いは反則だよね」
「文乃、相変わらず何言ってるの?」
「わたしは文乃ちゃんのいってることはわかるよ。お酒をのめーって誘惑だよね~」
「流石にそれはわかりませんが、この香りを嗅いだら誘ってるとか思いませんよ」
「そうだよね、これ以上の誘惑はないよね~」
なんか空さんと話しがあまりかみ合ってない気がするけど
とにかくしょうゆの焼いた匂いは食欲がわくよね。
「うーん、外で焼きながら食べると無限に食べられそうだね」
「無限は無理だけど、普段よりもおいしいわね」
「そうだよね。あ、この肉いただき」
わたしが丁度いい焼き加減のお肉をとろうとすると、夕が今まで見た事ない速さでわたしの箸をガードした。
「これはね~わたしが育てたお肉だから~文乃ちゃんでも許さないからね~」
夕は何時もの様に顔は笑っているけど、目が笑ってない。
こんな夕ははじめてみたので、わたしは箸をそっと引っ込めた。
「夕の目が笑ってなかったよ……」
「あんな夕ははじめてみたわよ」
「あー文乃ちゃんと温海ちゃんは焼き肉モードの夕を知らないんだ~」
「はい、夕と焼き肉といいますが、焼きながら食べるのは初めてです」
「あたしも初めてです」
「あーそれじゃ知らないか~」
空さんは夕の焼肉モードについて話すけど、夕は空さんをはじめ
親戚が多いので、親戚が集まった時は食べ物の取り合いになるそうだ。
普段はおっとりしている夕だけど、自分が育てた肉は絶対に譲らず
顔は笑っているが、目が笑ってないというか、普段は見せない怖さを出すらしい。
「夕が怒った所って見たとないけど、怒ったら怖そうだね……」
「あたしも夕が怒った所は見た事ないけど、注意する時は目が怖い時があるわ……」
「あー、温海ちゃんそれだよ。夕ちゃんはめったに怒らないけど、怒ったら……」
空さんはそれ以上言わないけど、空さんが黙るととても怖いな。
でも、夕みたく普段は怒らず、常に笑顔でいるから怒ったら怖いのはわかるな。
夕を怒らせる事はしないとはいえ、夕を怒らせる事をしないようにしよう。
「とにかく、どんどん焼きましょう。ああ、お酒が欲しい……」
空さんはお酒が欲しいと何度も言いながらも、ノンアルコールビールを飲んで我慢している。
そして、わたしと温海は夕から離れた位置で自分達が食べる分を焼くのだった。
「ふう、お腹いっぱいいなったね」
「ちょっと食べ過ぎたわ……」
「でも、お肉も海の物も美味しかったよね~」
「これでお酒があればもっと最高だったけどね~」
空さんは余程お酒が飲みたいようだけど、我慢している。
お休みだから少しぐらいはって思いつつ、夕が空さんにお酒はダメだよ
って言ってたけど、きっとあの目で言ってるんだろうなぁ。
空さんが黙るほどだから、わたしと温海に見せてない分があるんだろうな。
「お腹いっぱいにになったから一休みかな」
「そうね、これじゃ動けないわ」
「そうだね。そういえば、ここって何時まで居られるの?」
「16時までよ」
「それじゃまだ時間は大丈夫か。でも、この展開だと置き去りにされるパターン?」
「それはないわよ」
「そう言って、置き去りにされるのがお約束だよね」
「船に乗る時に部屋のカードキーでチェックして、人数を確かめるから大丈夫よ。
それに残っている人がいないかちゃんとチェックだってちゃんとするわよ」
「それもそうか」
置き去りにされる事はそうないか、残っている人や船に乗る時にチェックするだろうしね。
それはともかく、わたしたちはお腹いっぱいになったからビーチパラソルの下で休む。
ただ、お腹いっぱいになったのと、早い時間に寝て早く起きたから横になるとそのまま眠ってしまったのだった。
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