第7話 温海、湯あたりをする
皆で大浴場で温泉に浸かるが、温海は恥ずかしがってわたしたちより
先に温泉に浸かているが、長く入ってるのに温泉から出る気配がない。
「温海~ずっと温泉に浸かってるよのぼせるよ」
「わ、わかってるけど......裸を見られるのは恥ずかしいのよ。
というか、何で文乃は堂々としてるのよ!」
「温泉で裸は普通だし、気にする方が変だよ。一応、下は隠してるし」
「そ、そうなの?」
「夕も空さんも堂々としてるし、恥ずかしがる方が変だって。それに、今はわたしたちしかいないから」
「......そうなのかな」
わたしだけでなく、夕も空さん堂々としてるけど、さらに他のお客さんが
いないからさらに堂々としている。
「でも……あれを見ると、色々と自信がなくなるわ……」
温海は夕と空さんの方を見るが......まぁ、わからなくもない。
夕も空さんは胸が大きいけど、空さんは夕よりも大きい。
空さんは夕の母方の親戚だけど、夕のお母さんも胸が大きいから胸が大きい家系なんだ。
わたしは胸の大きさはいわば平均ぐらい。
お母さんも同じぐらいだし、親戚も似たような感じ。
大きい親戚もいるけど、小さい親戚はいない。
「夕の家系は胸が大きいみたいだね」
「うちもお母さんもお姉ちゃんも大きいのに......」
温海は自分の胸を見てため息をつくが、わたしは何も言えない。
「ま、胸の大きさが女の子の戦力を決める訳じゃないから」
「女の子の戦力って何よ」
「ごめん、自分で言っててわからない」
「まったく、文乃は時々よくわからない事を言うわね」
温海はそうは言うけど、ちょっと嬉しそう。
そして、夕と空さんが長い髪を洗い終わり、温泉に浸かる。
「んー温泉はいいよねー仕事は座る事が多いから、体中がカチカチだからね~」
「今日は長い距離と時間を運転しましたし、お疲れ様です」
「ドライブも好きだし、普段なかなか来られない所にも来たから楽しいよ~」
「そうなんですね。ありがとうございます」
「お礼なんて別にいいよ、文乃ちゃんと温海ちゃんとも会えたしね~」
空さんはそう言って、わたしに抱きついて来たけど裸だから胸がダイレクト当たる。
「流石にダイレクトだと、感触がはっきりわりますね」
「何の感触かは聞かないけど、わたしのカップはGカップだよ~」
空さんはわたしの戦闘力は53万ですみたく言うけど、Gカップとは流石です。
そして、Gカップをリアルで見たのは初めて。
「去年までFだったけど、運動しないせいか太ったみたくて胸以外も大きくなったみたいなんだよね~」
空さんはそう言うけど、いやいやスタイルがいいですよ。
「太っているとは思いませんよ。むしろ、セクシーダイナマイトですよ」
「JKがそんな事いうんだ、でもありがとね~」
空さんはさらにわたしにくっつくけど......これは女のわたしでもあかんやつ。
「そ、空さん、温泉の中でくっつくと暑いので......」
「あ、ごめんね、わたしは嬉しくなるとつい抱きつく癖があるからね~」
「夕と一緒ですね」
「そうだね、うちの一族は男女関係なく、誰にでも抱きつくからよく誤解されるからね~」
やはり、誰にでも抱きつくのは血筋なんだ。
あと、男女関係なく......ですか。
女のわたしでもやばいのに、男の人だったらさらに誤解しそう。
「誤解されてりしないのですか?」
「最初は驚かれるけど、慣れたら男の人も気にしなくなるよ」
「そんなものですか?」
「多分ね~」
多分なのか......きっと、誤解されてるか男の人側が理性で抑えてるじゃないかな。
「ところで、空さんは彼氏か彼女がいるのですか?」
「彼氏と彼女って文乃ちゃんらしいかもね。残念だけどフリーだよ~」
「そうなんですね」
「文乃ちゃんはどうなの?」
「わたしはイチャイチャしてるあの2人で今はお腹いっぱいです」
「確かにね~」
わたしと空さんは恥ずかしがっている温海と気にしなくてもいいよ~と言って
温海を抱っこしている夕を見る。
「ちょ、夕やめてよ、子供じゃないんだから!」
「だったら~恥ずかしがらないの~」
「こっちの方が、裸を見られるより数倍恥ずかしいわよ!」
「そうなんだ~それじゃやめるね~」
「べ、別にやめなくてもいいんからねっ!」
夕は相変わらず、テンプレのツンデレで恥ずかしがっている。
そして、空さんはそれを見てニヤニヤしてる。
「本当にテンプレで面白いね~」
「そうなんですよ、テンプレなのがいいんですよ、まさに王道!」
「文乃ちゃんもわかってるね~」
わたしと空さんは笑うけど、空さんとわたしは気が合うなぁ。
空さんは年上だけど、年の差百合もいいよね。
「年の差百合っていいですよね」
「文乃ちゃんは年上が好きなの?」
「どうでしょう。でも、年上のお姉さんに養ってしなってもらうのはいいですよね」
「それってただ単に駄目な子だよ~」
「そうですね」
「でも......わたしなら養えるよ?」
空さんがちょっと真剣な表情でこっちを見てドキッとする。
「え、あ、あの……もしかして……」
わたしが珍しく戸惑うと
「なんて、冗談だよ~。わたしはストレートだからね~」
と空さんは笑うけど、あの表情は冗談と思えなかったよ。
「そ、そうですよね」
「でも……女の子もいけない訳じゃないからね?」
そう言って、空さんはアゴクイをするけど、わたしは無言で顔が赤くなった。
そして、空さんの顔が近づいて
「なんてね~ちょっとからかったけだよ~」
と言って笑ったのだった。
「そ、空さん、からかわないでくださいよ~」
「ごめんね、文乃ちゃんが面白いからつい」
「わたしはこう言う事になれてないんですよ~」
「そうなんだ、文乃ちゃんは意外と純情だね~」
空さんはわたしを純情っていうけど、エッチな事は苦手ではないけど
実際にするとなると経験がないから、実は温海の事はいえなんだよね。
「経験がないです......」
「わたしも言う程経験はないけどね~」
「そうなんですか?」
「大人としての経験はしてるけどね。ただ、わたしも恋愛は得意じゃないんだよ~」
「そうなんですか」
「だから、夕ちゃんと温海ちゃんがちょっと羨ましいかも」
空さんは2人の方を見ると
「温海ちゃん、浸かりすぎたからのぼせたんだよ~早く出ないいと~」
と温泉にのぼせた温海を出そうとしてるけど、やっぱり温泉に浸かりすぎてのぼせた。
「は、裸をみられるぐらいなら......」
温海はこんな状況でも頑なに裸を見られることを恥ずかしがっているけど
顔も赤くなってるし、温海もぼうっとして来ている
「温海ちゃん、顔が真っ赤だよ。湯あたりしてるから、早く出ないと!
夕ちゃん、手伝って!」
「わかった~」
空さんと夕が湯あたりしている温海を2人で抱えて、温泉から出す。
そして、水を浴びせて身体を冷やす。
「うう......湯あたりしたみたい……」
「もう~温泉はだから裸を見られる事を~気にしないの~」
「だって、文乃や空さんもいるから......」
温海はそう言うけど、つまりわたしと空さんに見られたくなかっただけか。
「別に裸ぐらいなんてことないよ」
「そうだよ、温泉で裸ぐらい気にしないよ~」
わたしはタオルで一部を隠してるけど、空さんと夕は堂々としたもの。
逆に書くしてるこっちが恥ずかしく感じるぐらい。
「ひとまず出ようね。わたしも十分暖まったから~」
「わかりました......」
「温海ちゃん、立てる?」
「なんとか......」
「ちょっとふらついてるから、わたしと夕ちゃんで肩を貸すよ~」
温海は空さんと夕に両側を支えれて温泉を出て行ったから、わたしも温泉を出るのだった。
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