二日目

 大きな進展があった。雪よりも白い焼けかけの羽を見つけた。


 現状フェニックスらしき影は見えないが、道中で焼けた羽の一部を発見したのだ。発見した場所は三合目あたりの河原の水際である。恐らく流されてきたものと考えられる。これにより、この山にフェニックスがいることはほぼ確実となった。


 二日目にこれを見つけられたのは信じられないほど運がいい。狙っていたとは言え、確信に近いものを得た状態で捜索を続けられるのは大き過ぎるメリットだ。居ないかもしれないと不安になりながら動くのは精神的な負担が大きい。それが無いと言うだけで全員の心持ちは180度変わる。


 そしてこの羽の大きさを見たところ、少なくとも鷲の数倍の大きさはある。そして、異常に白い。太陽でも直視しているかのような白さだ。これを考慮すると降雪があった場合、擬態されて捜索が困難になる。それはできる限り避けねばならない。こちらも雪崩や積雪等によって動きにくくなる可能性もある。快晴を祈る他無い。


 目的の白い羽を見つけたということで、今後の動きを考えた。ここまで早く見つかることは想定していなかったので、動きながら相談する予定が崩れてしまったのだ。現在は羽を発見した辺りから川を少し登った平坦な場所に滞在している。複数の案が出たが、ここから、全員が山の全体像を把握できるように動きながら捜索を継続することとなった。


 私を含め隊員には今の所何の問題もない。食料も十分にあり、魔力を回復するための回復薬も申し分ない。多少雪が降ったところで問題にはならない。記録用のペンが持つのかは気になるところだが、石炭の採掘が盛んな山であるため、見つけて拾って書けば良い。書きにくさと大きさを考慮しなければの話だが。一応進展が無ければ書かないように気を付けているので、そんなに気にする必要は無いかもしれない。



 余談ではあるが、先程イノシシと山菜のシチューを食べた。美味かったが肉の固さと獣臭さがあまりに気になった。要改善であるが、この状況で贅沢は言えないので多少は我慢するつもりだ。悪い意味で私の舌が肥えている自覚はある。それでも、継続的にあれを食べ続けるのは気が引ける。スピナに何気なく頼んでみるとしよう。



 勇者暦7■■年

 3代目 《極端な勇者》


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