第33話 禁呪
「お前! どうしてここに」
「やあ、真実のみを話すわけないだろ。ここにいるのも目的の一つだ」
「私はダメだった後処理は頼む」
「分かった」
「うわあああああああああああ」
「何?」
キルレはフェリシリアを貫くと、体を変化させた。
ー
遂に魔法が解けたかフェリシリア、君にかけていた万能感は全て溶けてしまったよ。
ならば解けてしまったら終わりですね。
ええ、そこからどうするかっていったら考えることはできないのよね。
ここから先の世界ではどうすればいいのか、ずっと考えてたんだけどダメみたいだ。
うん、それが答えだよ。
君に残された選択肢は一つだ。全てを遮断して閉ざす。
もう一つは閉ざした世界で、自分の意思を保つだ。
キルレ、私はこの世界からドロップアウトした存在だ。
もうここから先の世界に私が生きる意味なんてないんだ。
だったら僕と来なよ。新世界を見せてあげる。
キルレ
何もかもが手遅れだったものの、ここから先の世界ではどうすることもできない。
トラウマを払しょくするにはどうすることもできない。
へえ、それからどうすればいいんだ?
更に進化して突き詰めていく感じがある。
このまま私は沈むのか。沈んでいく世界から、その先の世界を進めていく必要がある。
遂に魔法が解けたかフェリシリア、君にかけていた万能感は全て溶けてしまったよ。
ならば解けてしまったら終わりですね。
ええ、そこからどうするかっていったら考えることはできないのよね。
ここから先の世界ではどうすればいいのか、ずっと考えてたんだけどダメみたいだ。
うん、それが答えだよ。
全ては黒く淀んでいった。そこからがはじまりだよ。
虚無の世界の中から立ち直ったと思ったら、残虐にも次の壁には場まれる。だから諦めたんだよ。
もういいだろ?ここから先の世界に俺は必要なかったんだよ。じゃあそういうことでさよなら。
ー
「くらえ激流スキル」
「何?」
激流がキルレの片手によって跳ね返された。
「こたえろフェリシリア。ここから先の世界に何がある?」
炎が舞い上がった。
「これはフェニックス?」
「フェリシリア最終形態、それは、対象を纏って剣にするスキルだよ」
「まだ戦いは終わらないのか」
「これから始まる絶望を味わってもらうしかないね」
「それで何人の人を葬ってきたんだ?」
「数えきれないほどに」
「そうかよ、じゃあもう一度やらせろ!」
「きかないね」
「終わりだ」
キルレの動きはユズとミレイでは追いきれないほど、一瞬のものとなっていた。
「フェリシリア覚醒も目的の一つだからね」
でも不思議と負ける気はしなかった。
「そうか、じゃあ遠慮はなしだ」
先入観、先に行っていると思わせて実は違う。これが最強の一手。
「……」
「なんだ?フェリシリアの一撃を食らってびくともしない」
「完全にこの力の使い方を熟知したよ。レオ様」
「なんだと?」
力の増大が凄まじいものだ。
「そんな力いったいどこから」
「この力は絶対の力、何人たりとも近づくことは許されない」
「ふざ、ふざけるなよ!」
「ふざけてるのはそちらの方でしょ?」
「何を」
「フェリシリアさんを剣として付与した力、それは僕がレオ様から得た知識となんのかわりもありません。これで終わりにします」
「何をする気だ」
「あれは禁呪詠唱!」
「何いいい?」
「レオの禁呪スキル。マテリアコードの行き着く先は禁呪だったのね」
「馬鹿なそんなスキル聞いたことがない」
「おしまいだ! ジルスチュアスタリスク」
その瞬間破滅のエネルギーがキルレを襲った。
「ははははは、このエネルギーいいぞレオ、君はどこまで俺の期待に応えてくれるんだあ!君は俺と同じ存在だ!」
その瞬間キルレはフェリシリアを解除して人の姿に戻した。
「何?」
「嘘?」
「ははは、俺は次のステージに行く!」
「待て!」
「―」
「キルレめ、転移ポイントを張っていたようでこの階層から離脱して消えたのか」
「そ、そんな、何よこれ。私は超越者だと思ってたのに、あなたの方がよっぽど超越者、というか化け物じゃない」
「ごめん止まらない。でもフェリシリア、君も覚悟が決まったんでしょ」
「ちっ、こんな力を見せられたら、私は間違っていたとしか言いようがない。フーコ」
「何?」
「私はあなたに取りつかれていたようだ。ミレイやレオ、ユズなどいい仲間に恵まれたようね」
「そうね。できればあなたとも分かりあいたかった」
「それは無理な相談だね。さよなら」
「ドドドドドドド」
フェリシリアは消滅した。
「お、終わった」
「キルレはまだ逃げたようだけど」
「想像以上の強敵だったフェリシリア」
「それもそうよ、マテリアコードを所持するギルドオブヘルの中核を担う存在だから」
「あいつに勝つのは難しすぎるわ」
「ここから先の世界で何かをみつけよう」
「いきましょう。次が最後の決戦になる」
ダンジョン80階層の無限異空間を抜け出し、ダンジョン100層への進行が加速した。
もう一回あの日の体験をしたいと思ったんだ。
あの日の体験?
ああ、セカンドシナリオ、次の世界へ行くために、決めたことだ。
どうすれば次に行けるのか、考えてみたことはあるの?
ええ、ここから先の世界は私が知らない未知の世界。
一度は思ったことはないかな?
思っていることが違うということを。
何が?
つまり、新世界に行くってこと。
「メイル準備の方は」
「整いました」
「完璧だ」
S級装備一式に、スキルレベルマックス、この日のために集めた完璧な数々。
「フェリシリアの剣はどうしたんですか」
「ああ、やられてしまった」
「まさか、あのフェリシリアが」
「ああ、レオはとんでもない成長速度だ。はやく100層に行かなくてはならない」
「それでは行きましょう、90層への特殊ルートは確保済みです」
「ああ、行こう」
「……」
「ここが90層」
「行ってらっしゃいませ」
「うん。メイルはここで最後の門番の役割を頼む」
「分かりました」
「待ってたわ」
「アイシアか」
「ええ」
「裏切者が! なぜこのルートを」
「私が特別なことくらい、しってるでしょ」
「ここは通さんぞ」
「私の実力を見せてあげる」
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