第34話 三角関係
「待たせてごめん」
「フーコさん、大丈夫なんですか」
「ええなんとかね」
「っていってるけど、重症、フーコはここまでみたいね」
「ちょっとミレイ」
「無理しないで、後は私たちがなんとかするから」
「ふう、わかったわ。後は頑張って」
フーコさんはダンジョンから離脱した。
圧倒的ダメージによる後遺症は避けられたようである。
スキルはまだ持続しているため他のプレイヤーも無事なのだろうか。
「ミレイも来てくれるの?」
「当たり前でしょ、まだ私はほとんど何もしてない」
「そんなことないよ、フェリシリア戦で戦ってくれたじゃないか」
「あれはみんなの貢献が大きい。私はボスを倒したいの」
「そんなに想いが強かったのか」
「レオ君を襲っておいてよく言うわよ」
「ちょっとユズ、それはもう済んだ話だろ」
「いいのよ。言われても文句がいえないことをしたから」
「ミレイ……」
「レオ君は私のものだよ」
「いいわそれで」
「そうなの?」
「でも訂正させて、私はあんなことをしたけどレオ様のファンである気持ちは強かった。レオ様としてのレオ君が好き」
「そういうことかあ」
「レオ様……ミレイはレオ様のファンだったもんな。アイシアにそっくりだ」
「なっ、姉さんとレオ様に何があったの?」
「アイシアもレオ様が好きだって。アイシアとはどんな仲なの?」
「私たちは姉妹だけで双子のようだった。好みも一緒で、でも所属した場所がたがえたけど、私は姉とは仲直りしたいと思ってる」
「どうしてアイシアがいた時は黙っていたんだよ」
「だって、あの場では、もっと重要な場面がたくさんあったから私情を挟めないから、踏み込んだことは言えなかったのよ」
「双子のようだというのも危険だよね、好みが同じでもいずれどちらかが損することになるから」
「だから姉はあえて私とは違う道を選んだのかもしれない……なんかごめん、もうダンジョンの張りつめた空気にするまいとは思ってた」
「じゃあ、これからはどうするつもり?」
「全てが終わったら考える、姉とはまた会いそうな気がする」
「うんそうだね」
「でもレオ様は一生でてこない。レオ君、は私の彼氏だから」
「……」
突然のユズの行動にあたりははいはい、という空気になった。ユズは再会で僕への依存度を高めていたと感じた。
「でもまあ、再会というのも気持ちが強まるのはわかるものよ。私も姉との再会の経験があるから」
「ミレイの再会の気持ちはどうだったの?」
「凄いよかった。レオ様にも同じ気持ちかも。昔からの思いが今実るのはよくあることだよわ。でも大事なのは今の気持ちだからってこれで終わりというわけにはいかないのよ」
「それってレオ君を狙ってるってこと」
「あなたに言う必要ある」
「もーうシリアスやめえ!」
ミレイとユズはことあるごとに衝突を起こしそうだが、大丈夫なのか。
「あははは、冗談よ」
「……」
ミレイの笑った表情はとても眩しかった。
「私はレオ君との関係を深いものにしたいと思っているわ。でもね同時にユズともいい関係でいたいとおもっているの」
「そんな都合のいい選択が通るわけないでしょ」
ユズの顔は赤くなった。
「グヲオオオ」
時は経過して、85層階層ボスが現れた。
オズワルドシュバルズ、チート並みの能力である。
「キルレの奴こいつを倒したの?」
「いや、おそらく、あいつはメイルの転移スキルを使って90層まで飛んだ。痕跡がそれを物語っている」
「じゃあ、私たちが最前線ってことじゃないの」
「ああ、ダンジョン80層の中層ボス、階層ボスとは格が違うから気を付けた方がいいぞ」
鋼鉄と特殊素材でかたどられたオズワルドシュヴァルズの外観は全ての攻撃をはじく不死身の要塞とかしていた。
「じゃ、あれやりますか」
「おう」
それぞれの層には階層ボスがいた。4回の階層ボスとの戦いでミレイとユズと僕の3人の中でトライフォーメーションが編み出されたいた。
ミレイが接近戦の前衛、ユズが後ろから援護する中衛、レオが指令をあたえる後衛である。
「レオ、相手のパラメータは?」
「解析できた。オズワルドシュヴァルズは神からの使途、全てのスキルは無効化される。接近戦攻撃は特殊装甲で全てはじかれる」
「それって私とユズの攻撃もはじかれるってこと」
「通常ならそう。でもマテリアスキルを纏った攻撃なら耐性外だから有効だ」
「そうこなきゃね」
「よかった私も役に立てる」
「ユズ、ミレイの援護を頼む」
「うん」
「ドドドドド」
攻防が続いた。これによりついに敵のHPを削りきる。
「……」
「ふう、大人しくなった」
「あなたもうちょっと適切な指示だしてくれない?」
「いや、ごめん」
「ミレイ口悪い」
「ユズだって、レオの指示のせいで敵の攻撃直撃しかけたじゃん」
「そうだっけ?」
「まだ、終わりじゃない」
「え?」
「二人とも気を付けて、第二形態があるみたい」
「嘘でしょ?」
オズワルドシュバルツは光を纏い人型へと変化をした。
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