第24話 レオの真の実力

そして隠密スキルと探知であっという間に電波塔にたどり着いた。


「そこまでだ」


「うわ」


「おい、貴様ら何をしている」


「お前は黒の騎士シュウ」


「アイシアじゃないか。確かお前は離反行為で殲滅許可が下りていたな。俺が手を下すか」


「させませんよ」


「お前は、アイシアの共犯者か。この俺に挑むとは愚かな、実力をアイシアから聞いていないのか?」


「知っていますよ。四天王の一人、黒の騎士シュウ、かなり強いはずです。でもだからって逃げるわけにもいかない」


「その気概だけは認めてやるよ」


「おいレオ、こいつは危険だ。何をする気だ」


「なんだか行ける気がしてるんです」


「馬鹿をいうな。あいつはイグニットのさらに格上の存在の黒の騎士シュウだ。レオでさえ厳しい戦いだったんだぞ」


「レオ様が戦ったあと、何かコツをつかんだようです。このマテリアコードをフルに使いこなすための。今の僕ならあの人に勝てます」


「分かった」


「話しあいは終わったか?」


「ええ、それでは始めましょうか」


「ここから先は今までにない世界の戦いとなりそうだ。お前から感じられる力のオーラは今まで見た中でトップクラスだ」


「僕の力をはかれているなら、なぜ戦えると思っているんですか?」


「馬鹿が、俺には及ばない程度だが褒めてやったんだ」


「そうですか、それでは始めましょうか」


「しねえええ!」


黒の騎士シュウが黒剣で切りかかってきた。


感知スキルによってステータスは全てお見通しである。


  攻撃力カンストの9999、しかも付属効果に漆黒のオーラでこちらの動きを極端に遅くする。


加えて、シュウの纏っている黒い防具はの防御力もカンスト9999、全ての状態事情を跳ね返すの能力をもっている。


おそらく、こいつの装備はこのダンジョン全てにおいてトップクラスのS級なのだろう。表のダンジョン攻略組の最高装備がBランクだからその性能は圧倒的、まさに四天王にふさわしい装備である。


しかもシュウはプレイヤースキルが高い。少しみただけでわかるスキのない動きと洗練された攻撃手順、イグニットの2倍は強い。


だが、不思議と負ける気がしなかった。


「馬鹿な!」


「ズドドドッ」


シュウの剣を全て回避した。回避と同時にクリティカルポイントのイメージが頭に浮かんだ。


「ここだ」


ひらめきと同時に1点集中に威力を高めた打撃を打った。最大の弱点に最高出力の攻撃を打ったのである。その威力はレオ様の能力と乗算されてかつてないほどの強化付与になっていた。


「がっはっ……バタっ」


一瞬でシュウは白目を向いて倒れた。


最強の剣と、防具を持つ難攻不落の相手を一瞬で消し去ったのである。


「こんなことが……」


「意味が分からないことが次々起きていた。こいつはレオ様の数倍強かったのか」


アイシアはただ、驚くしかなかった。


「やっぱり思った通りいけましたね」


「つ、強すぎる……」


「それじゃあ電波塔解除しますか」


「いったいどうしてそんなに力を上げた」


「僕にはレオ様の力も宿っています。光と闇の力、両方を受け入れました」


「じゃあ、私を助けたレオは闇の方だけで、半分の力だったのか」


「そういうわけでもありませんよ。力の制御はレオ様の方が優れています。単純な総量だと僕が上ですが、実力はそれほどかわらないはずです」


「でもあいつはイグニットに苦戦していたぞ」


「それはおそらく互角の戦いをするために意図的に実力をさげていたのかと」


「そんなことが、電波塔にいったら、どうするつもりだ」


「とりあえず配信をしますかね。実情を全て明かすつもりです」


「なるほど、ヘルの実情を公にすることになるのか、これは大騒ぎになりそうだな」


 電波塔解除のコードを入力しようとする。


 しかしロックがかかった。


「解除できない」


「なんだと! 解除コードはこれのはず」


「解除コードは僕が書き換えました」


「お前はイル」


「四天王参謀のイル、ここまで来るのはリーダーの想定のうちです」


「なんだと」


「シュウを倒したのも想定のうちといいたいのか」


「ええ、リーダーはあなた達がここに来るタイミングのために魔法陣の準備をしていました」


「魔法陣?」


「ええ、ボスの計画の始まり、それはこのタイミングではじまるのです」


「さっきからお前は何を言っているんだ」


「直接知ってもらう必要がありそうですね」


 イルはアイテムを取り出した。


「なんですかあれは」


「奴のスキルは両天秤、回答して、拒否権をあたえるものだ」


「よくご存じですね。私は今から貴方たちをリーダーの元へ送ります。そこで全ての話を聞くとよいでしょう」


「そんな時間与えない」


 高速でイルに打撃を加えようとした。


「もう遅いですよ両天秤発動。この場から拒否して指定位置に座標を飛ばす」


「うわあああああ」


 イルによって僕たちはどこかに飛ばされた。


「ここは?」


 真っ暗な空間が広がっていた。


「ここはダンジョン80層、全てが始まる場所だ」


「お前は?」


「俺はギルド・オブ・ヘルのリーダーキルレだ」

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