第18話 入賞
「レオ君は、レオ君はどこにいったの? フーコさん」
「やあ、ユズちゃん。帰りましょう。遠征合宿はひとまず終わりよ」
「どういうことですか?」
「ダンジョンが過渡期を脱したわ。ひとまず次の階で行き止まり」
「でもレオ君がいなくなっちゃって」
「レオ君のことは後で私が話をしてあげるから帰るわよ」
「え、うん分かりました」
「ダンジョンは現状最新層にて脱出ポイントがあるわ。そこにたどりついた冒険者をみんなの前で表彰するの。だから一緒に次の層に来てね」
「分かりました」
ー
おいおい、ダンジョン進行がもうすぐ終わるってよ。
誰が勝ったんだ?
もちろんヘヴン様しかいないでしょ。
そうだよね、レオ様もレオユズペアになっちゃたし。
まあ順当にヘヴン様って感じ。
っていうかヘヴン様の姿は見たことないわ。
本当にな、名前と活躍だけ出ていたから、凄い熱狂していたけどどんな見た目なんだろうな。
中継カメラにも全く映らなかったものな。
これがトップたる由縁てことでしょ。
そもそもレオユズペアはどういう扱いになるんだ。
多分レオ様でエントリーしていて、レオ様は脱落したから、ユズの参加券のみが適用されると思う。だからユズはレオと一緒に参加したということだな。
レオ君ってレオ様なみの力だからユズ優勝もあるんじゃね?
確かにそんな気がしてきた。
おい、そろそろ始まるぞ。
ー
「さあ、ついたわね。私が1位であなたが2位よユズ」
「はあ、フーコさんがヘヴンでしたもんね。それでレオ君はどこに行ったんですか?」
「外に出たら教えてあげる」
「それってどういう……」
「よっしゃー、俺様が一番乗り、あれ? すでに2人いやがったか」
「はいあなた3位ね。これでダンジョン遠征はおしまいライブ中継ON」
ー
お、つながったぞ。3人いるけど、1人はのりのりで手を振ってるけど、残り2人は状況が分からずに困惑しているようだな。
やっぱりユズがいたか
レオは?
本当だレオがいないぞ
てかもう一人のあいつ誰?
知らねえ、有力選手はほとんど脱落したから、無名の人が繰り上がったんじゃないか。
でもダンジョン深層まで来たのは凄いだろ!
まて話が始まるぞ。
ー
「はいはーい! みなさんこんにちは。そして初めまして。私の名前はみなさんご存じヘヴンといいます。最強ギルド、ギルド・オブ・ヘヴンのリーダ―にして今回の攻略遠征を取り仕切った張本人となります」
ー
あれがヘヴン! すげえ美人だった。
最強でビジュアルも最高とか完全無欠かよ。
私のイメージ通りだったわ! 流石ヘヴン様!
ー
「ははは、コメントも大盛り上がりだな」
ー
てめえ、誰だよ。
ー
「なんだとこら! 俺様は今回の遠征のダークホース、瞬足のハヤテ様だ、よーく覚えておけよ」
ー
瞬足、お前もしかして敵から逃げまくってたら、偶然最深部まできちゃったんじゃないのか?
瞬足スキルっていったら移動速度だもんな。いろんなプレイヤーが敵を倒してたからありえるかも。
ー
「ギクッ、黙りやがれ。図星を突かれたが勝ちは勝ちだ。3位入賞だぜ、がははははは」
ー
……
お疲れさまー
ー
「入賞したのに、酷い対応だな」
「あ、あはは」
ー
ユズ―、2位おめでとー。
ー
「ありがとー、私は2位みたいでした。これもレオ君のおかげだよー」
ー
レオ君はどこにいったの?
ー
「えっとー、分からない! だけどすぐ戻るからこれからも私たちのコンビ応援よろしくねー!」
ー
もちろんだよー!
がんばれー!
ー
「さあ、これにて今回のギルド遠征は終わりとなります! たくさんの視聴者の方々に感謝をそしてダンジョン攻略が更に進み、今後もどんどん盛り上がってくるため今後も期待してください!」
ー
お疲れ様―
乙
ばいばーい。
ー
こうしてダンジョン遠征は幕を閉じた。入賞者にはレアなアイテムが贈呈された。
「ふふふ、素晴らしい! 僕だけの理想世界だ!」
まだみぬダンジョン54階層、ギルド・オブ・ヘルの管轄、裏の世界へレオ様が突入する。
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