第9話 同業者潰し
同接30000
ー
きたああああああ
待ってた
なんか今日はレオ様から重大発表があるみたいだぞ。
重大発表?
ー
「絶対の力、今宵もダンジョンの新境地へ、皆さんお集りいただきありがとうございます。近々ダンジョン攻略のイベントが始まるようですね。この僕も参戦しますよ」
ー
きたああああ
やっぱりレオ参戦か
これで熱くなるな
俺はお前にかけるぜレオ
ー
「この大会ではブックメーカーもあるようですよ。まあオッズは見え透いていますから、特に面白みに欠けますね。ハハハハハ」
優勝予想
名 オッズ
ヘヴン 2
レオ 2.5
イル 15
ミオ 40
:
;
トップギルドである、「ギルド・オブ・ヘブン」主催の大規模ダンジョン攻略遠征、これは各地から有力配信者が集合するイベントである。
僕もレオ様として参加することになったのである。この大会中に僕は自分の力でダンジョン攻略する術を身に着ける。今度はレオ様にはのまれない。
ダンジョン攻略遠征が始まった。目的としては大規模なダンジョン追加と、高難度化に対応するために、徹底的な検証をもたらすことである。
各地の有力なダンジョン配信者が新たなダンジョンの各エリアに配置された。ダンジョン内の様子は中継カメラのドローンによって映し出されることになる。これにより個人チャンネルでの配信はされずに、各配信者のファンが、ダンジョン攻略遠征のライブ中継のコメント欄に集結することになる。
そして各有力配信者のコメントが飛び交い、混沌となっていた。
ー
レオ様あ
ミオ様あああああ
へヴン様ああああああああ
イル様あああああああ!
ー
「エクスト、エクスト、エクスト」
エクストと唱えて次々にダンジョンの魔物を消滅させるプレイヤーがいた。
所属 エクスキューション 登録者100万人 オッズ4位
ユーザー名 ミオ 固有スキル エクスト
「あなたわ?」
「チーム、エクスキューションのリーダー、ミオ。あなたレオ様ね、私の極限の固有スキルをうけてみる?」
「ほう、あなたがミオさんですか。確か登録者は100万人の古株でオッズは4位、それ以上はあまり存じ上げませんが、ここで潰しあいでもしますか?」
「私をあまり知らないだなんて世間知らずね。私の方が格上なのよ? ムカつく新人、レオ様、ここで私が潰してあげるわ」
「ふむ、同業者潰しですか。どうやらここの運営は、トップ配信者を集めて潰しあいをさせたいようです。僕たちダンジョン配信者は同業者、同じパイの視聴者の取り合いとなる、2人集まればこうなることは明らかでした」
「よくわかってるじゃない。あなたが目障りだわ。急激に伸びて私を抜かそうとしている。そんなことが許されると思っているのかしら?」
「ははは、目に見える数字にとらわれているとは愚かなことです。実力をみれば一目瞭然で、最後は実力どうりの数字になるだけです」
「あなたが私より上の実力のわけがないでしょ! エクスト」
これがミオさんの固有スキルですか。触れた敵を一瞬で消滅させるようですね。
「だけど僕にはとどかない」
「何? 消滅しない」
「同じ属性魔法で相殺しました」
「馬鹿な、私のスキルに属性はないはず」
「それはあなたの見えている景色が僕の見えてる光景に追い付いていないのですよ。これで終わりです」
「させない」
ミオにとどめを刺そうとしたら、突如現れた、別プレイヤーに攻撃をはじかれた。
この時激しい不快感を感じた。
「くだらない、僕との正面対決をやめたのか」
「ルア手をだすな」
「でももう見てられない。チームみんなで戦うよ」
「しょうがないな」
ルアが手で合図すると、チームエクスキューションのメンバー5人が集結した。
「悪いねレオ様、俺たちはチームで活動してるんだ。リーダーのミオがやられてるのを黙ってみてるだけなんてできないんだよ」
「油断するなよ」
どうやらメンバーが集結して余裕の表情のようだ。
「ハハハハハ、5人になれば僕を叩けると思っているんですか? 教えてあげますよ。なぜ僕がソロで活動をしているのか」
「ただ誘う相手がいないだけだろ?」
「いや、僕の力が強すぎて誰がパートナーになっても足で纏いになるんですよ」
「大した自信だな」
エクスキューションのメンバーが5人がかりで攻撃しようとしてきた。
「それともう一つ、ソロの方が楽なんですよ。このスキルのおかげでね」
発動、サモンズフィールド。
「う、動けない」
「これは僕の固有スキルの一つです。複数戦になった時に、自分以外の動きを封じるスキル、僕に複数戦が意味ないというのはこういうことなんですよ」
「馬鹿、お前らが来たせいで」
「だってミオをみんなで心配して」
「僕に対して複数で挑むというのは愚かな行為であり、更に卑劣でもあります。あなた達にはそれ相応の罰がくだされることになる」
「馬鹿な、私たちがまとめて動きを封じられるなんて」
「まだですよ。この固有スキル名はサモンズフィールドです。つまり召喚の魔法陣、動きを封じたプレイヤーへこれまで僕が倒した魔物を召喚します」
「貴様まさか」
「気づいたようですね。ちょうど中継カメラがこちらへ来るころです。基本的にプレイヤー間の潰しあいは禁止されてますが、それは見つからなければいいこと。運営がカメラシステムを導入したのはおそらくこのことを見据えてのことでしょうね。まあ潰しあいを仕掛けたのはそちらですから、このことも想定済みだと思いますが」
「こんなに鮮やかに潰しあいを実行するとは思わなかったよ」
「それはどうも。では僕はもういきますのでごきげんよう」
「ちくしょおおおおお」
「グヲオオオオ」
レオがさると、魔法陣からメテオドラゴンが出現した。
同時にライブ中継ドローンが現場に到着した。
ー
見て、あれミオ様たちだわ!
相対してるのはメテオドラゴンかああ。
最新ダンジョンのボスだよな。確かレオの奴がこの前倒していたけど果たしてエクスキューションはどうなるかな。
がんばってー!
あれ、でも様子がおかしくない。メテオドラゴンが接近しているのに全然動かないんだけど。
おそらくメテオドラゴンの拘束スキルか何かにかかったんだろうな。
メテオドラゴンにそんなスキルあったか?
気のせいだろ。
ミオ様逃げてええええ!
ー
「ここまでか」
「レオ様の一枚上手だったね」
「また次の機会があったらリベンジしよう」
「くそ、中継映像に映しやがって、最後まで私達に屈辱を味わせようってわけかよ」
「ぐをおおおおおお!」
「うわああああああ」
チームエクスキューション 全滅
オッズ4位 ミオ 脱落
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