第5話 未知の企画
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おっ、来た来た!
今日はダンジョン攻略じゃなくて、プレイヤー狩り?
なんじゃ、そりゃ。
おいおいレオの奴またとんでもないことをやらかすんじゃないのか。
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「さあ、みなさん、今宵も珍しいショーを始めようと思います。画面をご覧ください」
ー
誰だ?
知らないな
俺知ってる、月上ミレイっていうダンジョン配信者だ。
チャンネル登録者5万人か、結構な登録者だけどレオ様に比べたら少ないな。
もしかしてこれってコラボ配信?
いやあ、レオ様がコラボなんて認められないわ。
おい、コラボじゃなくて、ダンジョン攻略配信みたいんだが。
ー
「なんのつもり? コメントは荒れているようだけど」
「再生数を取るのに重要なことはご存じですか? トレンド、ニーズ、希少性、未知です」
「だから?」
「最新ダンジョンを攻略するだけでは、いずれ飽きが来る、そこで僕は欲していたのです。未知の企画の開拓を」
「ふざけんな」
ミレイの強化スキルを纏った手刀がレオを捕らえる。
「いい速度です。だが届かない」
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おいおい、いきなりバトルが始まったぞ。
コラボじゃないのか?
題名がプレイヤーキルだし、もしかしてレオの奴月上ミレイを倒すつもりなのか。
なあ、月上ミレイってどんな配信者なんだよ。
ミレイさんは結構な実力者だぞ。最新ダンジョンもレオと同時期に攻略してその配信もしてた。
じゃあ、これってダンジョン攻略最先端勢同士の戦いなんじゃ。
近いうちに派手な動きを起こすって言ってたけどまさかこのことだったか。
なんだか、盛り上がってきたぞ!
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「なるほど、これがあなたの狙いだったのね」
「ええ、このステージはダンジョンを模した剣闘場です。魔物の侵入は防がれ、全て排除されます。加えてプレイヤーはここに入ることができない。そして負けたプレイヤーはダンジョンへ入る資格をはく奪され、勝者はそのもののアイテムを全て獲得できる。まさに僕たちの戦いに最適な環境が整ったというわけです」
「あきれた、見事にあなたの掌で踊らされていたってわけ?」
「初めてあなたを見た時からこの光景は頭の中でイメージされていました。きっとあなたは僕がトップへ上り詰めるための糧になるってことをね」
「レオ様、私はあなたに憧れを持っていたわ。だからこのくらいのことはしてくるとは思ってた。だけど一つ誤算があったようね」
「誤算?」
「憧れといっても、私の情熱はあなたを超えることの方向に向いてるのよ。私はあなたのファンであり最大の敵なの。そしてこの状況は私にとっても好都合だわ」
「ふふふ、そのいい方だと僕を倒せると言っているように聞こえるんだけど?」
「そのつもりでいったのよ。あなたをダンジョン攻略で超えようと思って宣戦布告をしたけど、まさか直接対決ができるだなんてついてるわ。私はずっとあなたの実力を超えていると画面越しで自負していたのよ」
「これは」
「マテリアルスキル発動」
ミレイの体に無数のスキルが付与されていく、何十ものスキルの重ね掛けは僕でもできない高等テクニックである。おそらく触れたら一瞬でHPが0になる。
「なるほど、まんざらハッタリというわけでもないということですね」
「さよならレオ様、これが私の本気」
「-」
凄まじい速度でミレイはレオに触れた。
ー
おい、これってひょっとしてレオが負けたんじゃないのか?
ミレイがレオを倒したってことか?
だってあのマテリアルスキルの能力値見ただろ?
あんなパラメーター見たことねえよ。間違いなく最前線、トップ攻略者だぜありゃあ。
嘘、レオ様が負けちゃったの。
まて、レオのHPの変動が止まった。あいつあの攻撃を食らってまだ無事なんじゃ。
嘘だろ?
ー
「ふふふ」
「なんで」
「マテリアルスキル、それがあなたの切り札、知ってましたよ」
「馬鹿な私は能力を開示してないはず」
「運命が教えてくれたんです。あなたのスキルについてをね」
「これがレオ様の特殊能力……いったいどうやって」
「簡単なことです。スキルのパラメーターが分かっていれば、それに対応する防御手段を用意できる。防御全てに特化するタイミングが分かれば、あなたの攻撃も防げるというわけです」
「ふん、よくいうわよ。あなたのHPもギリギリだったくせに」
「これも計算のうちですよ」
「まったく、私ったら何をやっているんだか……」
「あなたのおかげで僕は更にトップに近づくことができる。ありがとう、そしてさようなら」
「ー」
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