第2話 レオ様の無双配信
力は崇高なものである。栄光は力があるものにのみもたらされる。今それを強く実感している。
僕の名前は盛岡レオ、高校2年の帰宅部である。
青春真っただ中のこの時期に帰宅部だなんて、いつも何をやっているのか? そんな疑問を持つ人も多いのではないか? どうせかえって一人でゲームをしているんだろうそう思う人が大概である。
そんな人に僕が何をしているのは知る由もないだろう、そう、学校から帰った僕はダンジョン配信をしているのだ!
同接20000
ー
きたあ!
待ってたよー!
5分遅刻
ー
「こんにちは、みなさん、レオです。これからダンジョン配信をしていこうと思います。今宵僕が挑むのは最新実装された高難度ダンジョンです」
ー
まじか、あの突破率1%の高難度ダンジョンにレオが挑むってよ。
流石レオ様!
きゃあ、私も一緒に連れてって!
ー
「ぎゅわああ」
「ふん、ガーゴイルですか。最新バージョン実装の強力な魔物ですね。ですが、今の僕の敵ではない」
「ドガああああああ」
「ぐあああああ」
HP15000→HP0
ー
すげえええ、新種のガーゴイルを一瞬で倒したぞ。
流石現ダンジョン攻略トップランカーレオさんだぜ。
やっぱりお前を応援するよ。
ー
「ついに最深部に到着です。ああ、結局今宵も僕は負けることはなかった。最前線攻略組の中で僕を超えるなんて夢の話でしたね」
「グヲオオオ」
ー
なんだ?
あんな魔物見たことないぞ。
岩の鎧を纏ったあの巨体、間違いないメテオドラゴンだ!
メテオドラゴン? それって、各ダンジョンのどの難易度にもごく稀に登場すると言われる激レアモンスターじゃねえか!
しかもその強さはチート級で、出現したら最後、そのダンジョンを即離脱しないと、即ゲームオーバーなダンジョンにおける詰み要素だぜ。
ふざけんなよ、そんな魔物が最深部に配置されてるなんて、このダンジョン無理ゲーじゃん。
でも、レオの奴、全然動揺してねえぞ。
ー
「フフフ、メテオドラゴンですか。これはまた面白いボスとなりました。他のみなさんでは攻略不可能の敵というわけですね。この僕は別ですが」
「ぐをおおおおおお」
ー
で、でたあ!メテオドラゴンのチートスキル、メテオバースト!
即死技だしレオもこれで詰んだだろ。
レオ様あああああ!
ー
「ドカアアアアアア」
ー
?
どうなった?
煙で何もみえねえ。
おい。配信中止か?
なんだよ、解散かよ。
まてまて、HPバーが緑のままだぞ。
え? っていうことは無傷ってこと?
ー
「フフフ、いったでしょ? 僕は別だって」
ー
ええええ?なんであの攻撃を受けて無傷なんだ?
どうなってやがるんだレオの奴?
ー
「これでチェックメイトです」
「ぐああああああああ」
HP30000→0
「今日も僕が勝ってしまいましたか、最前線報酬は僕がいただきますので、みなさんはあまりものでも取っていったらいいんじゃないですかね。これからも最前線報酬は僕がいただきますので、攻略勢のみなさんもせいぜい無駄な努力を頑張ってください。アハハハハハハハ!」
ー
きゃあああレオ様かっこいいい!
どこがかっこいいんだよ! ムカつくやつだぜ! だが実力は認めるしかねえ。
くそお、またレオの一人勝ちかよ。
これ本当にトップとりそうだよな
悔しいけど俺らも、なんとか追いつけるように頑張るぞ!
ー
「ふう、配信者活動は大変だな」
「君、ずいぶんとキャラが違うんじゃない?」
「え?」
配信を終えてダンジョンから抜け出した僕は、普段通り自宅へ戻ろうとすると、金髪長髪の女子に話しかけられた。
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