第6話 執着
「……お母さまは事故死だったの?」
「最初は、そう思われたわ。階段の拭き掃除をしている時に、寝不足も相まってうっかり足を滑らせてしまって、階段から転げ落ちてしまった。その時に打ちどころが悪くて……でもね、後でこっそり使用人たちが話しているのを聞いたの。母の背中には、まるで大きな鎌を振るわれたかのような傷痕があったと……そう、母の死に方は、父とそっくりだった。犯行は同一人物によるものかもしれない。……でも、その時のわたしは深く考えようとしなかった。母を……たった一人の家族を失って、何も考えられないまま、呆然としていたの」
エリスはぎゅっと目を瞑り、浅くなっていた呼吸を整えた。
「エリス」
「大丈夫……オルテンシア様も、今のあなたのように気にかけてくれたわ」
泣くこともできなかったエリスを抱きしめたのが、オルテンシアだった。
彼女はエリスを抱きしめ、「可哀想な子」と耳元で囁いた。小さな温もりが母の愛を思い起こさせ、エリスの目から涙を流させた。
エリスは堰を切ったように声を上げて泣き始めた。もしオルテンシアが泣かせてくれなければ、エリスの立ち直りはもっとずっと遅く、あるいはもう生きることをやめていたかもしれない。
「その日から、わたしはオルテンシア様専属のメイドになった。以前よりもずっと彼女のおそばに仕え、心を通わせた。互いに欠けているものを埋めるように……共依存に近かったかもしれない」
それでも、当時のエリスはそれでいいと思っていた。もう自分に頼る人間はおらず、行く宛てもなかったから。
それに亡くなった母をオルテンシアの頼みで近くの墓地に丁重に埋葬してもらった。母のそばを離れたくはなかった。
「荒波のような日々が静まると、また平穏な日常が戻ってきた。わたしも歳を重ね、もう十八歳になろうとしていた。母が亡くなって八年の歳月は、オルテンシア様だけでなく、彼女のお兄さま方のことも深く知ることになった。ヴァンサン様とシリル様は、オルテンシア様といるわたしのことをよく揶揄って、オルテンシア様を怒らせた」
幸せといえば、幸せだった気がする。穏やかな日々だった。この日常がずっと続いていく。そう思っていたが、終わりはまたやってきた。
「オルテンシア様はずっと子どものままだった。彼女だけでなく、三人のお兄さま方や旦那様もみな……ちっとも外見に変化がなかった。そのことを強く意識したのは、オルテンシア様と並んで鏡に並んだ時。彼女は幼女のまま、わたしも子どもと言えたけれど、彼女に比べれば、ずっと大人の姿をしていた。同じ人に囲まれて、ほとんど城の外へ出ることがなかったから今まで気づかなかったの……」
一度気づいてしまった違和感が、エリスの心を揺さぶり、外の世界へ興味を抱かせた。
「食事はすべて、外から運ばれてきた。他にも必要なものはすべて誰かが用意したから出かける必要はなかった。でも、必要がなくても、出かけてもいい。その楽しみをわたしは小さい頃に両親に教えてもらった」
ただ大切な人と街を歩くだけで、後から思い出した時、かけがえのない思い出になることを知っている。
「外へ行きたい。わたしの心の中でその欲望はどんどん大きくなっていった。でも、オルテンシア様には打ち明けられなかった。森の中で花を摘もうとしたことさえ、以前彼女は許さないと泣いて詰ったから。彼女を悲しませたくなかったから。……でも、願いを口にしてはいけない、望んではいけないと自身に強く言い聞かせる度、わたしは外の世界へ、日の当たる世界へ行きたくなった。――そんな時だった。オルテンシア様に、ご自分の……彼女たち家族の正体を告白されたのは」
真上にあった月は、もうずいぶんと傾いてしまった。
あの日も、月が出ていた気がする。
「ここまで聞けば、もうだいたい想像はつくでしょう。オルテンシア様の正体……彼女たちは、光を恐れ、血を啜る。吸血鬼という生き物だったの」
エリスはそこで、ルネの方を見た。彼は固唾を飲んだ表情でエリスの話に聞き入っていた。ただ一つ気になることがあると、躊躇いがちに口にする。
「きみはどうやって、オルテンシアが吸血鬼であることを知ったんだい。オルテンシアは、言葉だけで、自分が吸血鬼であることをきみに信じさせたの?」
「実際に人間の血を吸うところを、わたしに見せたの」
ルネが息を呑む。
エリスは困ったような、苦々しい笑みを浮かべ、足先に視線をやった。
「その日はね、珍しく、お客様が招待されていた。以前もたまにあったけれど、そういう日は決して表に出るなと命じられていたから、何が行われているかは知らなかった。単に客のお目汚しになるから控えているよう命じられたと思っていたけれど……」
違った。
「オルテンシア様に手を引かれて、大広間に繋がるいくつかある通路口の一つを通って、扉の隙間からこっそり覗くよう言われた。わたしは恐ろしさと好奇心から見てしまった。旦那様や奥様、そして彼らの親族が、客人のうなじや手首に噛みつき、情交しているような光景を繰り広げながら、血を啜っている姿を……」
肌を伝う鮮血が、今も瞼の裏に鮮やかに蘇る。
「見た時は、一体何が行われているか、わからなかった。理解することを拒んでいたの。悍ましい光景にとにかく胸がむかついて、吐き気が込み上げてきた。わたしはオルテンシア様の手を払いのけて、使用人部屋へ逃げ帰った。追いかけてきた彼女の姿を見た時、今までと別人に見えた。……幼くて愛らしい容姿をした、悪魔に見えてしまった」
『お嬢様。どうか違うとおっしゃってください。あなたはあの人たちと違うと。あなたはただの人間だと!』
暗がりの部屋にエリスは座り込んだまま、廊下に立っていたオルテンシアに叫んだ。
『いいえ。エリス。わたくしもあの人たちと一緒よ。あなたが恐ろしいと思っている化け物が、わたくしの正体なの』
「うそ! とわたしの心は絶叫した。ショックで何も言えないわたしに、お嬢様はさらに残酷なことをお願いした。いいえ、命令だったかもしれない。わたしにも吸血鬼の仲間入りをするようにとおっしゃったの」
人間が吸血鬼になるには、吸血鬼に血を吸われ、吸血鬼の血を飲むことが必要だと教えられた。そうしてできた関係は、動物の番のように互いの関係を強く結びつけるとも。
「お嬢様は、もうずっと前からこのことを実行しようと決めていたみたい。わたしはどうしてと震える声で訊いた。彼女はわたしが憎いから、わたしを化け物に変えてしまうのではないかと……でも、お嬢様は違うと暗い目をして、いえ、燃えるような赤い目をして答えた」
『あなたはわたくしを置き去りにして一人大人になる。そしていつか命を落としてしまうでしょう。そんなのわたくしは嫌。あなたとこの先もずっと一緒にいたい。あなたがいれば、きっとこの孤独も耐えられる。だから、エリス。わたくしと同じ世界を生きて』
小さな少女の外見をしたオルテンシアの心には、自分への激しい思いが宿っていた。いつからだろう。それは子が親を求めるような感情だろうか。それとももっと別のものなのか。
エリスは今でも正確な答えがわからない。その時もただオルテンシアの激情に圧倒された。
「何も言えないわたしに、お嬢様は少し冷静さを取り戻した様子で、一週間後に返事がほしいと告げて、出て行かれた」
一人になったあとも、エリスはしばらく放心した状態で、床に座り込んでいた。
「ぼうっとした頭で、これまでの生活を振り返った。わたしはずっと……吸血鬼に囲まれて暮らしていた。実感が湧かなかった。でも……そう言われると、今までおかしいと思っていた数々の違和感にも説明がついた。昼間寝て、夜だけ生きること。曇りや雨の日が平気なのは、太陽の光が出ていないから。カーテンが隙間なく閉じられているのも、光を恐れているから。見た目が変わらないのは彼らが人間の寿命よりもずっと長く生きるから。わたしたち人間とは違うから……」
「血を吸う姿は、今まで見たことがなかったのかい」
ルネの質問にエリスは頷く。
「これはあとで知ったことなのだけれど、吸血鬼は何も毎日血を吸う必要はないそうなの。個体差にもよるけれど、数カ月か、最低半年に一度、吸えばいいそうよ。人間の血が一番彼らの欲を満たしてくれるけれど、動物の血でも代替できる。生肉を食べたりね……赤ワインやトマトジュースも飲んだ気分を味わえる」
最後の言葉はちょっと笑いを誘うように言えば、ルネもつられたように口角を上げた。
「血を吸うのは、晩餐会の時。旦那様たちの知り合いをお呼びして、彼らを餌食にした。……母は恐らくその時に知ったのでしょう。この城が吸血鬼の根城であることを」
ルネがはっとした様子でエリスの顔を凝視する。彼女はそうだと視線を合わせずに小さく頷いた。
「わたしは、母の死も、ひょっとすると旦那様たちの……オルテンシア様のせいではないかと疑った。母が出て行くことは、わたしも一緒に城を去ることを意味していたから。実際わたしはオルテンシア様を切り捨てる道を選ぼうとしていた。そのことに気づいたお嬢様が、母を死へ導いたのではないかと」
その時のエリスはそれしかないと思った。オルテンシアが、自分の母を殺したのだと……。
「母の死因が彼女にある以上、彼女の要求を受け入れることはできなかった。でも断っても、彼女はわたしを無理矢理吸血鬼にしようとするのはわかった。だから……」
「城から逃げようとしたのか」
エリスは首を横に振った。
「いいえ。逃げても、逃げる場所はない。だから、オルテンシア様の前で死のうと思ったの」
ルネが驚いたように目を見開く。
「それがわたしの彼女への復讐でもあったの。彼女から大切な人を――わたしを奪うことが、彼女の心を殺すことになる」
しかし、エリスの復讐は叶わなかった。
「返事をする日。夜になったら、すぐにオルテンシア様のもとへ向かうつもりだった。その前に、少しだけ眠ったわ。……目が覚めて部屋を出ようとしたら、部屋に鍵がかかっていた。どんなに強く叩いても、叫んでも誰も来てくれず、扉は開かなかった。わたしは閉じ込められたことを悟って、お嬢様が端からわたしに答えを聞くつもりはなかったのだと思って、裏切られた気持ちになって、辛くて、悲しくて、感情がぐちゃぐちゃになって、涙が溢れてきた」
エリスは泣いているうちに疲れてしまって、いつの間にか眠っていた。オルテンシアのことを考えていたからか、夢の中にも彼女が出てきた。
出会ったばかりの頃のオルテンシア。悪魔のように我儘で、天使のように微笑む彼女と過ごした日々を。
「彼女の名前を呟いた時、わたしの耳に悲鳴が聞こえた気がした。はっと飛び起きると、妙に胸騒ぎがして部屋を――いつの間にか開いていた扉を勢いよく押して、階段を駆け下りていった。そう。それまでわたしがいた部屋は一階にあって、わたしが寝ていた場所は、わたしの部屋ではなかった。返事をする前の日、ほんの少し寝ている間に誰かが中へ入り、わたしの身体を抱えて、わたしの部屋とそっくりの部屋へ移していた。それでわたしは、オルテンシア様に閉じ込められたとばかり思い込んだ。きっと彼女も、同じだったはず」
自分を捨てて、どこかへ逃げ出したのだと。
「わたしは起きていた旦那様や奥様たちのことも気にせず、城を飛び出し、森の中に入っていった。夜があと少しで開ける。太陽が昇りそうだった。いいえ、もう――」
森の茂みを裸足で走り、悲鳴の上がる方へ向かった。
オルテンシアの姿を見つけた時、よかった! と心の底から安堵した。でも、次の瞬間、彼女の姿が鼠色に――石像のように変わっていき、エリスが腕の中に抱きとめた時は顔の半分が変わりかけて、絶望で染まっていた瞳が自分を映し、安心して目が潤んだかと思うと、気づいた時には灰になって、腕の中には何も残っていなかった。
「オルテンシア様は、夜通し、森の中を探し回っていた。城の中も探したでしょうね。でもわたしのいる部屋を見つけることはできず、誰かに唆されて、あんなに嫌悪していた外の世界へ飛び出した。わたしを、探すために。わたしに、戻ってきてもらうために。置き去りにしないでと、独りにしないでと、子どもが母親を求めるように……」
エリスの頬に熱い涙が伝う。
「彼女の死を、きみは悲しんだ」
「憎いと、思う時もあった。でも……彼女は本当に子どもなのだと思った。何も知らない、無邪気に残酷なことができる。残酷だとも思わない。真っすぐにわたしを思った。自分の身を太陽の光で焼かれても……消える直前に見せた、わたしが戻ってきたと思って安堵した表情が……それまでわたしの心にあった憎しみをすべて、溶かしていくように思えた。彼女を、死なせたくなかった。あんな恐ろしい思いで命を絶たせたくなかった!」
感情が昂り、上手く言葉が紡げない。
ルネが気遣うように、少し休憩しようかと訊いたが、エリスは首を振って、最後の結末を語ろうとする。
「わたしは心が追いつかぬまま城へ戻り、旦那様と奥様にオルテンシア様の最期を伝えた。頬を激しくぶたれ、地下牢へ閉じ込められた。お前をもっとも残虐な方法で殺すと言われても、わたしは受け入れようと思った。もともとオルテンシア様の命令に背いて死ぬつもりだった。その彼女も亡くなり、わたしをこの世に引き留める者は誰もいなかったから……」
エリスは自分が殺される日をただ待ち続けた。すぐにでも殺されると思ったが、一番苦痛を与える殺し方を考えていたのか、何日か日を要した。そのうち空腹と疲労で意識が朦朧とし、気を失うように眠っていた。
それでもう、永遠に目覚めなければよかったのに。
「明け方近く、オルテンシア様や母が亡くなった時と同じように、また悲鳴が聞こえた気がして、わたしは目を覚ました。わたしを見張っていた監視がいなくなっていて、牢屋の鍵も外されていた。オルテンシア様の時とまるで同じ。わたしはその既視感に、もしかしてと恐ろしい気持ちになった。両親を殺したのも、オルテンシア様を罠に嵌めたのも、同じ人物。そいつはまだ生きていて、もっと恐ろしいことをしようとしている」
エリスは逃げた。決して生きるために逃げようと思ったわけではない。ただ、外へ出るまでに誰の者ともわからない血で床が濡れ、使用人たちや旦那様たちが倒れているのを見て、この異様な雰囲気から逃げなくてはと本能が叫んでいた。
「森の中をひたすら走ったわ。もう少しで夜明けだった。日が昇れば、この絶望も終わる。そうあと少しで――その時、男がわたしを捕まえた」
『エリス。どこへ行く』
「わたしは相手の顔を見て、意外な気持ちがした。彼は、旦那様たちのご長男の、マクシム様だったから。わたしはオルテンシア様のお兄さま方とも話すようになったけれど、マクシム様だけは、いつもどう接していいかわからなかった。彼は見えない壁を常に築いていて、相手が心に踏み込もうとすることを拒んでいるように見えたから」
エリスはマクシムに連れ戻されると思った。いや、その場で殺されると思った。
貴族として、吸血鬼として誇り高い彼は、オルテンシアの命を失わせたエリスを軽蔑し、憎んでいるはずだから。
「わたしはマクシム様に謝った。謝ったところでオルテンシア様の命は戻らない。わかっていても彼の大切な妹、家族を失わせてしまったのだから。地面に膝をつき、許しを乞うわたしをマクシム様は黙って見下ろしていた。きっとその目には軽蔑と憎しみが宿っていると思い、わたしは顔を上げることもできず、ぶるぶると震えていた。いつ、殺されるかと待っていたけれど、マクシム様はなぜか腰を落とし、わたしを抱き寄せた。城で嗅いだのと同じ、血の臭いがした。そして――オルテンシア様がつけていらした香水の香りも微かに。わたしは顔を上げた。彼は、わたしを見ていた。わたしを……」
まるで熱に浮かされたような、激しい感情を秘めた目で見ていた。
どうして、とエリスは掠れた声で呟いた。
なぜ彼がそんな目で自分を見るのか。なぜ彼からオルテンシアの香りがするのか。なぜ血の臭いが……。
『エリス。ようやくお前を私だけのものにできる』
「男の手がわたしの頬に添えられた。その手の冷たさ。わたしはこの手の冷たさに覚えがあった。まだ母が生きていた頃、城に来てしばらく経った頃、寝台で寝ているわたしに触れたあの手と同じ冷たさだった。その後オルテンシア様とお会いしたから、てっきり彼女だと思ったけれど、違った!」
エリスはマクシムを突き飛ばそうとした。しかし彼の力は強く、地面へ押し倒された。まるで今から自分を食べるように目の色が赤く変わる。
『あなたが、オルテンシア様を罠に嵌めたの?』
「彼はふっと笑って、そうだと答えた。絶句するわたしに、男はさらに残酷なことを告げた。わたしの父と母を殺したのも、自分だと。わたしは『なぜ!』と叫んだ。だってそうでしょう? わたしの両親が一体何をしたというの。二人はどうして殺されなくてはいけなかったの」
涙を浮かべて答えを求めるエリスに、マクシムはお前を手に入れるためだと答えた。
「わたしには、全く覚えがなかったけれど、わたしは彼に会ったことがあると言うの。雨の日に、道端ですれ違った際、彼が落とした帽子をわたしが拾って渡したそうなの。たったそれだけでのことで……男はわたしを欲しいと思い、わたしの父を殺し、母と共に城へ来るよう仕向けた。そして吸血鬼であることを知って城を出ようとした母を殺し、自分の妹すら灰に変えた」
男への恐怖と嫌悪感でエリスは吐き気がした。
『あなたは悪魔よ! 人殺し! お父様とお母様を返して! オルテンシア様を返して!』
「男は顔色一つ変えず、『お前が私をそうしたのだ』と告げ、顔を寄せた。身を捩ろうとしても、男の力は強かった」
『罪を償え、エリス。私と――俺と同じ存在になるんだ』
「そう言って彼はわたしの首筋に顔を埋め、歯を立てた。鋭い犬歯で皮膚を切り裂き、血を啜った。男は全身の血を吸い取るのではないかと思うほどわたしの血を吸い続け、わたしはもう意識を失いかけていた。自分の命が尽きていくのを悟った」
それで終わっていたら、どんなによかっただろう。
「男は、今度は自分の血をわたしに飲ませた。死にかけていたわたしは何も考えることなく、どろりとした不快な液体を飲んでしまった。熱い血が喉を滑り、胃に落ちた時、止まりかけていた心臓が激しく動き出した。目がカッと開いて、瞳孔が開いて、目に見える全ての光景が違って見えた」
夜が明ける。マクシムはまだ動けないエリスを抱き抱え、城へ戻り始めた。
太陽の光が地面を照らしていく。
「光が闇に変わった。闇が光となって、わたしの生きる世界になった」
希望を感じていた光が絶望を意味する。世界がひっくり返り、堕ちていく。光の世界にはもう二度と戻れないことを刻みつけられた。
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