呵下郎日記（参）

2024/11/12

　昨今のネット小説に於ける定番の筋書（プロット）から外れた作品を書いている人の多くに言えることなのですが、そうすると結局のところ、“大切な人を守りたい”という、あまりにも王道的な筋書を辿ることになりがちです。

　別にそのこと自体が悪いとは申しません。ですが問題なのは、大切な人を守るということに関して、どれほどの実感を持てているかということです――現代日本という、腑抜けて、そして不埒な国に住みながらでは、どうにもそれは困難なことであるように思われてならない。