2024/11/14
日本語というものは――別に日本語だけの特質ではないでしょうが――音の響きと密接な関わりのある言語なのです。所謂“やまとことば”に限定せずとも、例えば、
「厳格」 「柔和」
という二つの言葉について、双方の意味を取り換えてみるとよろしい。いかに音の響きとちぐはぐであるかがわかるでしょう。真っ当な書き手なら、意識せずとも直感的にこの特質を心得ているはずです。
ところがここで厄介なのが明治以降に出てきた「新漢語」という奴で、こちらは音ではなく意味を元に作られた言葉ですから、音の響きについては何ら考慮がされておりません。ですからこれらの語を用いる場合、よほど注意していないと、日本語の文章がもつ良さを台無しにしてしまいがちです。当然ですが、昨今の“カタカナことば”についても同様のことがいえます。
現代小説にとって非常に悩ましい点は、現代的要素を作品に取り入れすぎると、ほとんどの場合、芸術的鑑賞に堪えないものになってしまうところでありましょう。
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