第4章 星の輝き

チャプター1

 ホテルの会議室で話をしていたビピルは、時計を見て正面に座る二人のルートに言った。


「そろそろ野球の試合が始まるから、会議を中断して、見よう」

「野球ですか?ビピル様は先日の試合で野球が気に入られましたか?」


 ビピルは両手を返すと、テレビの電源をつけた。画面にはスタジアムが映され、ブラックバーズを応援している観客たちが見えた。


「違うよ。ほら、例のデバイスを設置したからさ」

「ああ、ビピル様が提案したデバイスですね。随分、早かったですよね」

「ライブラリアンに優秀なやつがいるのよ。モノムっていう、私の同期なんだけど、ソフトウェアに詳しいみたい」


 二人のルートは首を傾げた。説明が足りなかったようだ。

 ビピルはエグゼクティブルート試験を通じて、非正規のルートでライブラリアンになったモノムの話をした。


「そんな強引な方法で……」

「ただものじゃなさそうですね」

「そう思う。残念ながらエグゼクティブルートの適性は無かったんだけど、最終面接に残る程度の実力はあるんだ」


 程なくして、選手たちがフィールドに集まってきた。

 実況の合図とともに、観客も選手も、大声をあげた。


「私達がスポーツを楽しめるのは、ポルタ様のおかげです!ポルタ様、ありがとうございます!」


 アラートは鳴らなかったようだ。

 ビピルも二人のルートも、笑顔でテレビを眺めていた。試合が始まったが、そこには興味がない。先程の余韻を楽しんでいる。


「いいですね、ビピル様。感動的ですよ」

「うん、凄くいい!早くデバイスを全部の施設に設置しよう」


 ビピルはそう言うと、アーティフィカルシグナを通じてモノムに連絡を取った。

 モノムはすぐに出た。


「ビピルだけど、お願いがあるんだ」

「うん。でも、難しいのはできないよ?私、システム管理の場所に移ったから」

「そうなんだ。お願いは簡単なことなんだけど、今始まったブラックバーズの試合、他のエリアのエグゼクティブルートに流して欲しいんだ」

「それぐらいならやれるけど、なにかあったの?トラブル?」

「試合自体はどうでもいいんだよ。ほら、モノムの作ってくれたデバイスあるじゃない?あれの効果が予想以上に良くて感動したから、パステたちにも見てほしくて。ニュースでは、やらないと思うし」

「うん。録画を抽出してすぐに送るよ。10分ぐらいでいけると思うけど、宛先はエグゼクティブルートでいいよね?」

「ありがとう」


 ビピルは満足しながら通信を切った。

 会議を再開すると、ビピルのアーティフィカルシグナが震えた。

 すこし待ってくれと言って応答すると、


「パステです!モノムさんから流れてきた動画、見ました!」


 と、ひどく興奮した口調のパステの声が聞こえてきた。


「良かったでしょ?」

「めちゃくちゃ良かったです!感動しました!」

「そう思ったから、他のエグゼクティブルートにも見せるように手配したんだよ。そっちのエリアもそろそろデバイスが届くでしょ?」

「はい!楽しみでしょうがないです!この動画、何度も見たくなっちゃいます!うちのルートにも、これから回そうと思います!」


 パステとの会話が終わると、ビピルは二人のルートに反応を説明した。

 当然、二人のルートは声をあげて喜んだ。


 -※-


 草原には、二人の若いカップルがいた。

 レジャーシートを広げ、弁当を並べて談笑している。

 ここはすこし高い丘の上で、視界には広い海が見えた。その先にはセントラルエレベーターがうっすらと見え、この大陸と繋がる太く長い道路があった。

 丘のしたには重厚な門があり、ガードマンが二人いた。小さくて表情までは見えないが、暇そうに腕を伸ばしたり、会話をしている。

 が、なにかあったのか、二人は直立不動の姿勢を取った。

 カップルが耳を澄ませると、遠くから車のエンジン音が聞こえてきた。複数だ。さり気ない会話をしているふりをしながら、すぐ横の道路に視線を向ける。

 程なくして、2台の黒いリムジンが走ってきた。向かう先はセントラルエレベーターに繋がるゲートなのは間違いがなかった。

 今日はリージョン7と8の新しいルートがやってくる日だった。リムジンが2台なのはそういうことなのだろう。

 ニュースでは詳しい時間帯まではわからなかったので、カップルは朝からここにいた。車に乗っている、ガードマンの数を確認したい。

 ピクニックを演出しながら車内を確認したカップルは動きが止まった。

 先頭のリムジンの後部座席に、白いワイシャツ姿の女性がいた。パステだ。

 車が通り過ぎると、男のほうが言った。


「いまの……パステ……だよな?俺の見間違いか?」

「いえ……私も確認しました。パステです」


 男は慌てて携帯電話を取り出すと、履歴から相手を選択した。


「ギッターさん、緊急事態です!」


 相手はギッターだった。


「車にパステが乗っています。襲撃は確実に失敗します!」

「ウソだろ?エグゼクティブルートがわざわざルートなんかを出迎えにいったっていうのか?グラディエーター・バトルの準備とか激務なのに、わざわざいくのかよ」

「みまちがいではありません」

「クソっ……。バリアとディザスターがある以上、どう考えても無理だな。作戦は失敗だ。戻ってこい」

「ギッターさん、パステのいないほうの車であれば……その……襲撃ができます」

「それはダメだ。お前たちの命がない。別のチャンスを伺おう」

「……わかりました」


 男は電話を切った。


「ギッターさんは、なんて?」

「中止しろってさ。そりゃ、当然だ」


 女は男の手を取った。


「あなたの意見はどうなんですか?確かに、片方のルートは襲撃できます」

「死ぬぞ?」

「構いません。そうでしょう?私達の人生は、パステに狂わされたんです」


 男は両手を握りしめた。


「……ああ、そうだ」


 男はリージョン8の中小企業の社長の息子だった。役職は専務で、女はその妻である。カップルというのは装っていたわけではなく、夫婦だった。

 決して大きいとは言えない会社だったが、役員である彼の暮らしは順風満帆だった。自身に能力がなくても、社員が働いてくれるためなにもしなくてもお金が入ってきたからだ。

 だが、その生活はパステによって壊された。

 パステがアルマ・モータースの役員を襲撃したあと、専務である息子をそのままにしていたため、父親が処分され、会社は潰れた。その結果、二人は路頭に迷った。

 そこへやってきたのがリージョン8をうろついていた萌黄だった。

 萌黄は復讐する相手はポルタであり、その代弁者であるパステも敵なのだと、熱心に語った。そして、2層から上の無くなった、エルフに支配されない理想のポルタランドについて語った。本当の自由とはなにか……と、熱く語った。

 二人はまだ子供である萌黄に感化され、復讐してやろうという気持ちになり、スターダスト・グロウに加入した。元の生活を取り返したかった。

 監視だけの役割としてここにいたが、実際のパステを見てしまうと、火がついてしまった。

 二人は車に乗せていた銃を手に取った。サブマシンガンである。車は防弾かもしれないが、簡単に貫けるだろう。

 二人はレジャーシートの上にサブマシンガンを置くと、どう襲撃するか、簡単に作戦を練った。


「いいか、道路に出て笑顔で手をふってパステの車をスルーしたあと、後ろの車を狙うんだ。サブマシンガンはもう片方の手で持って、後ろに隠す」

「ええ。この際、どっちのルートでもいいです」

「ひょっとすると前の車にパステだけが乗って、後ろに二人が乗っている可能性もある」

「あなたとの生活、楽しかったです」

「俺もだ」


 二人は抱き合うと、道路に向かった。

 しばらく待機をすると、重厚な門が開いた。2台の車の音が大きくなるにつれ、心臓の鼓動が高鳴っていく。人殺しは始めてだ。

 二人は笑顔で手を振りながらパステの乗った車をスルーした。幸運なことに、後部座席にはパステしか乗っていない。

 そして、サブマシンガンを構えると、後ろの車に向けて全弾打ち尽くした。トリガーの反応は一瞬で無くなり、車は大きな爆発を起こした。門のガードマンたちも、何事かと思い、キョロキョロと周囲を見回している。

 と同時に、車をおりたパステがディザスターで二人の足首を切った。

 ドスンと、地面に転がると、女は頭を打って絶命した。

 鋭い目つきのパステは、男の前に立った。


「なんですか!あなた達は!これは、ポルタランドへの反逆ですよ!許されませんよ!」

 男はショックを受けていたが、かろうじて言った。

「ああ、反逆だよ。ポルタランドなんて、クソだ。俺達スターダスト・グロウがぶっ壊してやる!」


 パステは無言でディザスターを男に向けた。


「ポルタのクソ野郎にも伝えておけよ!スターダスト・グロウがぶっ壊してやる!」


 男はそこで意識を失った。

 パステは念のため、二人の胴を切断すると、アーティフィカルシグナにそっと触れた。ポルタのクソ野郎という言葉に、怒りで震えていた。


「ネザリウスだ」

「パステです。緊急事態が発生しました。二人のルートが襲撃され、やられました」

「なんだと?」

「犯人は……いえ、犯人グループは『スターダスト・グロウ』というようです。ネザリウス様はご存知ですか?」

「いや……聞いたことがない……」

「せっかく手配をして頂いたのに、申し訳ありません。ルートの手配をお願いします」


 ネザリウスは深く息を吐いた。


「気にするな。お前のせいじゃない。それよりも、スターダスト・グロウとやらの目的はわかるのか?」

「はい……ですが……」


 パステには男の言葉をそのまま口に出すのは無理だった。


「ポルタランドを壊すと言い残しました」

「なんだって?ポルタランドを壊すだと?」

「ポルタ様に伝えておいたほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか?」

「いや、そこは問題がない。ニュースは見ているだろうし、必要があったらポルタ様から指示がくるはずだ。それよりも、パステ。この先の対応は、お前一人で大丈夫か?」

「はい、大丈夫です。相手がどの程度の規模なのかはわかりませんが、ポルタ様への反逆など、許されません!絶対に、スターダスト・グロウを壊滅させます。絶対に、です!」

「わかった。こちらも最優先で協力をする。なんでも言ってくれ」


 パステはありがとうございますと、通信を切断した。

 パステは車の後部座席に座ると、すぐに全ルートに状況の説明と指示を送った。ニュースの手配や、スターダスト・グロウの調査などだ。当然、全員が事件に驚く。

 そして、警察手配し、死体の回収と身元の特定を依頼した。門のガードマンにも到着まで見張るように命令する。

 パステは今日、エグゼクティブルートとして新しいルートを歓迎するために、セントラルエレベーターへと向かった。

 業務は非常に忙しい。それでも、先日、ネザリウスから自分への影響を受け、熱意があると聞かされていたことにより、自分が出ていくべきだと思っていたからだ。

 にも関わらず、顔合わせをして、すぐに二人の部下を失った。ショックも大きかったが、それよりも、ポルタへの暴言が許されなかった。


 ホテルに戻ると、すでにロニールが待っていた。会議室にはテレビ局が準備を終えている。

 パステはロニールに、詳しいことはあとで話すといい、会議室に向かった。

 いつもと様子が違うパステにスタッフは戸惑いながらも、緊急速報という形で番組を開始した。

 新しく就任されたルートが襲撃によって死亡したと伝えられると、スタッフたちは唖然とした。過去にそういった例は無い。就任後に気に入らないと襲撃されることはあっても、直後ということは無かった。


「犯人のグループの名前は、『スターダスト・グロウ』です。目的はポルタランドの破壊のようですが、絶対に許されません。犯人に繋がる情報があれば、なんでも政府に報告してください。有力な情報であれば、当然、満足のいく謝礼はしますし、グループ壊滅に繋がるものであれば、2層の居住権が与えられます。ポルタ様のためにも、よろしくお願いします」


 テレビを見ていた者たちは、大騒ぎだった。

 大金だけではなく、2層の居住権とまで言った。行ったことも見たこともないが、裕福で不自由のない暮らしが待っているとだけは知っている。

 これは相当の実績を残さないと得られない権利だ。年に1人、いるかいないかといったレベルのもので、大多数の人々には関係のない話である。

 それを与える権利がパステにあるかどうかはわからないが、スターダスト・グロウのターゲットはポルタだ。ネザリウスに頼めば可能だろう。

 ヒマでテレビを見ていたニートたちはざわついた。

 ニックルもその一人だった。


「パステたんのフロアにいけるのかよ。ヤバいじゃん」


 コンピューターに向かい、スターダスト・グロウと検索した。誰もがしたように。

 そして、誰もが見たように、なにもヒットしなかった。


 -※-


 ソファーに座り、テレビを見ているギッターは言った。


「あいつら……」


 横から萌黄の鋭い声が飛んでくる。


「どういうことだよ、ギッター。お前、とめたんだろ?」

「ああ、とめたよ。襲撃は無理だって。でも、あいつらの恨みはそこまでのものだったんだろ?それに、火をつけたのは萌黄だろ?」

「あたしのせいかよ!お前がスカウトしてこいって言ったんだろ!」


 ギッターは両手を返した。


「いや、責めてるわけじゃないんだ。すまん」


 隣に座るガイロンは言った。


「でも、結果だけを見ればシナリオ通りだよな。ルート二人を始末して、犯行声明を流す」

「いや、違う。俺達の目的はルートの拉致だ。殺すんじゃない。俺達が欲しいのは、情報なんだよ」


 萌黄は同意した。


「でも、70点はあげられる。それに、反乱に犠牲はつきものだぜ?リーダー」

「そういうことだよ、ギッター。だから、今後のことを考えよう。俺としては、正式にスターダスト・グロウから政府に通知を出すのがいいと思うが、どうだ?」


 ギッターは首を横にふった。


「まずは状況を説明して、メンバーを落ち着かせよう。特に萌黄がリージョン8でスカウトしてきたやつは動揺するだろう。状況を説明して、殺されたメンバーのためにも……という形で、意識を統一したい。犯行声明はそのあとだ」


 萌黄は言った。


「死体は政府に回収されたんだろ?身元は特定されるぜ」

「構わない。むしろ、そのほうがいい。そのうえで、政府に処分された親の恨みということを伝えてやる。ガイロン、政府に足がつかないようにホームページを作って貰えるか?内容は任せる」

「ああ、うちにコンピューターの専門家がいるし、大丈夫だ」

「萌黄はメンバーを集めてくれ。そのあいだに、俺は話す内容を考えたい」

「ああ、任せろ」


 -※-


 パステはスターダスト・グロウ対策チームを立ち上げ、指示を飛ばした。

 男女の身元はすぐにわかった。だが、パステが親を処分した恨みということは推測できたが、それだけだった。

 ただの復讐であれば、スターダスト・グロウという集団は関係がない。普通に考えれば、そうなった二人をスターダスト・グロウがスカウトしたと考えるのが当然だ。

 その推測をもとに、パステは処分した者の関係者を探った。残念ながらそこからスターダスト・グロウに繋がる情報はなにも得られず、関係者は全員、ポルタ様のために当然の処置だったと言うばかりだった。

 そうなると、この二人だけがスカウトされたのか、他にもスカウトされたものがいるが、隠しているということになる。

 尋問をおこなうことも出来るが、今は泳がせて尻尾を掴みたい。そこで、行動をマークしておけと指示を出すことにした。

 彼らは政府に監視されていることはすぐに気がついた。すきを見てギッターたちに伝え、しばらくは連絡をしないでくれと伝えておく。


 そこへ、スターダスト・グロウのホームページが出来上がった。それは、黒い背景に、白い文字があるだけのシンプルなものだった。

 すぐにライブラリアンに足跡を追ってくれと指示を出したが、無理だと返事がきた。追跡できないように作られていると。

 パステはモノムに直接連絡をした。


「無理って、どういうことなんですか?ポルタランドの情報は、政府への否定的な意見がすぐに消去されるように、すべて国家図書館で把握できるんではないでしょうか?」

「削除は簡単なんだけどさ、パステは『プロキシー』ってわかる?」

「わかりません」

「例えばパステがビピルに荷物を送るとするでしょ?普通に送れば宅配センターを通じて直接届けられるんだけど、私を経由して届けると、ビピルには私から届いたように見えるよね?で、ビピルは私に聞くことで、そこで始めてパステからの荷物だったってわかる」

「ええ、そうなりますね」

「コンピューターも同じような感じで、ホームページを更新するのに間に何台ものコンピューターを挟むと、誰のコンピューターから始まったのかわからないんだよ。順番に辿っていくとスタートラインにたどり着くんだけど、その台数が多すぎるんだ」

「なるほど、相手もコンピューターのプロってわけですか」

「うん。他にも色々と仕掛けをやってるし、時間をかければたどり着くと思うけど、その時スターダスト・グロウは別の拠点にいるかもしれないし、次の犯行をおこなっている可能性が高いってわけ。わかる?」

「わかります。それに、本来ならこの手のホームページは消すべきですが、残しているのは追跡をするためなんですよね?更新がかかる可能性があると」

「そういうこと。パステが消していいっていうなら、すぐに消すよ」


 パステは状況が理解できた。回線を切らずにしばらく無言でなにかを考えると、こう言った。


「これは、私がしたことが問題だったんでしょうか?」


 モノムはニヤリとした。


「なに言ってるの。パステがやっていることは正しいんだよ。2層のみんなは評価してるし、ポルタランドのためになってるんだから。悪いのは、ポルタ様への反逆を企てているスターダスト・グロウなんだよ」

「すいません、そのとおりでした。変なこといって申し訳ないです」

「いいよ。それに、犯行声明文に書いていることは、そもそも間違ってるんだし。わかるでしょ?」

「はい」


 犯行声明文はこのようなものだった。

 ポルタランドに神……つまり、ポルタは不要であると。

 エルフの支配も不要で、人間たちの手で本当の自由を手に入れるために行動を起こすべきだと。

 そのために人間は団結して立ち上がらないといけないと。

 今回のルート襲撃はパステが原因だと書いてあった。エルフが人間を処分するのは許されないことだと。

 裁かれるとしても、人間が判断し、人間の手で裁かれるべきだと。

 最後に、ポルタランドをエルフの手から解放せよと書かれていた。ここだけ文字が黄色くなっている。


「エルフのおかげでポルタランドはあるんです。阿伽羅流星群で世界が滅んだ時、生き残れたのはポルタ様がいたからなんです。そして、今まで反映してこれたのも、ポルタ様のおかげなんです」


 モノムはそうだねと同意し、通信を切った。

 モノムは考えた。

 スターダスト・グロウを上手く利用する手段は無いかと。

 腕を組んでしばらく考えたモノムは、まず2層からの通信手段が必要だと思った。居場所を見つけたとしても、電話やメールで連絡をすることはできなかった。

 電話はフロアをまたがって使うことはできない。メールはモノムから3層に送ることはできるが政府のメンバーに限ったものであるし、3層の一般人からモノムに送信することもできなかった。

 となると、通信手段は一つしか無い。

 アーティフィカルシグナだ。

 モノムは頭を抱えると、アーティフィカルシグナはいくらなんでもハードルが高すぎると唸った。

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