天龍村神
暗黒神ゼブラ
天龍村神
俺の村には変な信号機がある
それは……『赤の他人、青の知人、黄の家族』って書いてある信号機がある。
本当に意味がわからない
普通は赤が止まれで青が進めで黄色が注意だよな。
しかもこの信号機が出来た経緯は九十一年前の四千六百四十九年に地元の『天龍寺白夜高校(てんりゅうじびゃくやこうこう)』の三年生が最後文化祭だからって記念にって作ったもの……懐かしいな。
みんな歳で死んじゃったし……まっみんなの雲孫(うんそん)たちが可愛いし
あっ俺はこの天龍寺で祀られている神、名を天龍寺晴彦命(てんりゅうじはるひこのみこと)と言う。
まあもともとは人間だから神って実感は九千八百四十六年経った今でもあんまり湧かないんだけどな!!
本当人間の成長って早いよな……でもあっという間に死ぬから……寂しくはある。
今までの知り合いで有名になったやつもいるなぁ……それに比べて俺は無名の神、そしてまたの名を無神アルガレンドル!! ってのを昨日考えたんだ!!
どうだかっこいいだろ……なに? かっこ悪いって……そういうなよツクヨミぃ俺たちの仲だろ
「ああ、もううるさいなハル!! 姉さんハルの初恋の相手が姉さんだったって言うぞ!!」
「い〜や〜だ〜言うなよぉ……っていうか俺たち口から声出さなくても心の中で会話出来るだろ……でもそれもいいよな……なあツクヨミこれから村のアイス屋に食べに行こうぜ!!」
「はいはい分かったよ……どうせ理由はアイス屋のお婆さんが倒れる未来を見たからその未来を変えるために行くんだろ、ハルのことだから」
「ギクっ……なっなんで分かった!?」
「そもそもギクってなんだよ……というか分かるよお前のことぐらい……一体何千年の付き合いだと思ってんだよ。はあ……まあいいや、んじゃっ行くか」
「早く行くぞ……佐ゑ子さんが死んだらしたら孫のマトリョさんに顔向け出来ない……」
そして俺とツクヨミは佐ゑ子さんを助けた。
佐ゑ子さんの余命を二年ほど延ばした。
そうすれば……佐ゑ子さんが一番幸せを感じて死ねる。
今だった場合……せっかく佐ゑ子さんが楽しみで見たがっていた孫の一人ドゥクシの卒業式を見られずに死んでしまう。
それはダメだ……死ぬなら一番幸せな時がいいと俺は思う。
ちなみに佐ゑ子さんはいわゆるシワシワネームと呼ばれている名前らしい……かわいいと思うけどなぁ。
シワシワネームにしてもキラキラネームにしても……まあ困るときは名前をつけられた本人が困るし、今は名前を変えようと思えば変えられるから……そういえば佐ゑ子さん名前変えるって言ってたな……確か名前は『他知家恵(たちかみぐみ)』名前の理由は信号のことを忘れないためらしい
やっぱり人間っていいなよなぁって思っちまう
おしまい
天龍村神 暗黒神ゼブラ @ayumu20
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます