第4話 エトス村の危機

【エトス村】

ギンガ

『うそだろ、、、どうなってんだよこれ。』


ギンガとエステルは驚愕きょうがくする。

2人の目の前には、村中が炎上している光景が広がっていた。

多数の魔物と警護団が戦っている。


ラステル

『ギンガ!!エステル!!』


高身長の体格のいい男が近づいてくる。

エステルの兄「ラステル」だ。


ギンガ

『ラステル兄さん!これは一体。。。』

ラステル

『急に魔物の大群が村を襲ってきやがったんだ!!』


ギンガとエステルは慌てふためく。


ギンガ

『俺の家族はどうなったかわかりますか!?』

ラステル

『今、警護団の何人かが村人たちを南の丘に避難させている。きっとお前の家族も大丈夫さ!』

エステル

『ラステル兄さん!パパとママは無事なの!?』

ラステル

『ああ!親父は今、魔物が一番密集している村の中心部で戦っている。

 やっぱり親父はすごいよ!どんどん魔物どもを倒していってる!

 おふくろは警護団の誘導ゆうどうで丘に避難しているはずさ!』

エステル

『よかった。。。』


ひとまず安堵あんどするギンガとエステル。


ラステル

『ギンガ、エステル。

 まだ村には逃げ遅れた人たちがたくさん残っている。

 みんなが逃げ切るまで俺たちと一緒に戦ってくれ!』

ギンガ・エステル

『もちろん!』


剣を構えるギンガ。

杖を構えるエステル。


ラステル

『俺は村の南に行って、みんなが丘に避難できるまでの時間を稼ぐ。

 お前たちは逃げ遅れた人たちを探し見つけ次第、丘に避難するように誘導ゆうどうしてくれ!』

 

ギンガ・エスエル

『了解!!』


【走るギンガとエステル】

ギンガ

『くそ!なんなんだこいつら!なんで俺たちの村を襲いやがる!』

エステル

『とりあえず魔物たちは無視だよ!今は人命救助が優先だからね!』

ギンガ

『そんなんわかってるよ!

 、、、止まれ!!エステル!』


2人の目の前に多数の人型の魔物が現れる。

そのうちの1体は大型の魔物であった。


ギンガ

『くそ!囲まれちまった!いけるかエステル!』

エステル

『いつでも!』

ギンガ

『くらえ!必殺 銀河剣ぎんがけん!』

エステル

『精霊よ。水の力を与えたまえ。ウォーターガン!』


次々と魔物を倒し、残るは大型の魔物のみとなった。


ギンガ

『このまま押し通してみせる!必殺 銀河剣!』


技が相手に当たった瞬間、剣が真っ二つに折れてしまう。


ギンガ

『嘘だろ、、、なんて固いんだこの魔物。』

エステル

『ギンガ!危ない!!』


間一髪かんいっぱつで大型魔物の攻撃を避けるギンガ。


エステル

『一旦、私たちも丘の方に避難しようよ!』

ギンガ

『ダメだ!今ここで引いたらこいつ丘まで追いかけてくるぞ!そしたら村人全員やられちまう。

 ここで食い止めるしかない!』

エステル

『でも剣が。。。』

ギンガ

『拳でも戦ってやるよ!』


大型魔物がギンガに攻撃しようとした瞬間、どこからか飛んできた斬撃ざんげきが大型魔物にあたり、消滅する。


アステル

『大丈夫かギンガ!?』

ギンガ

『先生!?』

アステル

『エステルもちゃんといるな。2人とも無事でよかった!こんなとこで何をしている?』

エステル

『ラステル兄さんに頼まれて逃げ遅れた人たちを探していたの!』

アステル

『そうだったのか。このあたりはたくさん人型の魔物どもがいる。まだ戦えそうか!?』

ギンガ

『それが剣が折れてしまって。。。』

アステル

『何だって!?』


何か考えこむアステル。


アステル

『ダメだ!迷っている暇などない!』


なにか開き直ったかのようにギンガに話しはじめる。


アステル

『いいか、よく聞けギンガ!例の洞窟どうくつはわかるな?』

ギンガ

『例の洞窟って、西の森にある火魔洞窟かまどうくつのこと?』

アステル

『そうだ!その洞窟の奥には1本の剣がある!

 その剣であれば、ここにいる魔物どもを全滅させることができるはずだ!』

ギンガ

『でもあの場所は先生が昔から出入り禁止に。』

アステル

『今は一刻いっこくを争う状況だ!

 きっと、お前なら。。。

 いや、もうお前にしか頼めないんだ!頼んだぞギンガ!

 エステル!ギンガにはいま武器がない。

 サポートしてやってくれ!』


そう言うとアステルは立ち去っていく。


ギンガ

『エステル!すぐに先生の言うとおりに!』

エステル

『わかった!!』


ギンガとエステルは西の森にある火魔洞窟かまどうくつへと向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る