プロローグ 第5話 「フォルテ」
「じゃあ、シャープ、呪いを解いてくれよ。」と俺は言った。
「今更、魔法防御が高すぎるんだよ。だって、もし前のレベルになったら、できる。」
「さあ、レベルアップしてみせろよ。」
「最高のレベルに達してんだ。マジで時間がかかったけどな。まあ、俺と一緒に付き合ったら、考えるよ。」
***
「シャープは呪いを元に治せなくて申し訳ありません。」
メーターは塔から出ながら謝っていた。仕方がない。
ライムは「メーターのせいですけど。また、本当に魔王を放っておいでも大丈夫ですの?」と言った。
「レベルアップしないって言ったんだから、今弱すぎるんだよ。で、メーター、お前なんで一緒に戻ってんだ?」
「シャープのデートのお誘いを断ったので、私にはチャンスがあります。」
「違うよ。」
「もう!私はヒーローを召喚したので、私こそがチャンスがありますわ!」
「違うってば!」
ライムとメーターは、どっちが俺の恋人になるかで口論を始めた。やがて拳で戦うようになった。
俺は二人の間に割り込んで止めようとしたが、思わずにでかい胸を押した。
「やめろ!」俺と叫んだ。「どっちともデートなんかしないぞ!」
「あくまーーー!!!」
突然、道の前から大声が聞こえた。
皆は驚いて振り向いた。
「止まれ!我が姫様に触れたら許さん!スーパーハンサムだろうと!」
紫髪の騎士が立っていた。
「おい、ライム。この女、誰だ?」
「これはフォルテさんです。王国最強の獣耳の騎士ですが、なぜヒーローと戦いたがるのか分かりません。」
「その男はヒーローじゃいないです、姫様!魔王の匂いがプンプンします!この王国を滅ぼすつもりだ!」
「フォルテ、勘違いですわ……」
フォルテは無視して俺に突進してきた。俺は横に一歩避け、フォルテは空振りした。後ろでフォルテの剣の一振りで木々が何本も倒れた。
「強ぇ!」俺は思った。「ライム、アイデアがある」と言った。
***
フォルテは俺たちをエルフのコロッセオに導いた。
メーターは一人で観客席に座り、応援していた。
「ケーデンスくん、この計画をもう一度説明してくださいませんか?」とライムは言った。
「女子とは戦えねぇだろ?だから、これは公正な戦いだ。で、こうして守備を実験するんだよ。」
フォルテは剣を振りかざした。「これは激闘というより、処刑に近いな。しかし、俺は邪悪を根絶する!姫様、見ていてください!」
フォルテは全速力で俺に突っ込み、剣を振りかざしてきた。俺は横に避け、フォルテは壁に激突した。
***
「よし、よし、今回こそ!」
メーターが足枷と手錠を召喚し、俺にはめさせた。
フォルテは舌打ちした。「何で自分を抑えてるのか分からんが、勝利を楽しませてもらうぜ!」
もう一度、全速力で俺に突進してきた。
おれは立つままで瞬きをした。その動きから爆風のような風がフォルテを吹き飛ばした。
***
「ケーデンスくん、本当に大丈夫ですか?」とライムは心配そうに言った。
俺は体全体に鎖を巻きつけ、メーターがたくさんデバフをかけてくれた。さらに、ボールギャグと目隠しもつけられた。
「これで、もう動けないでしょう。」とメーターは言った。
俺は「はー、はー、うん!負けるのを楽しみだ!」と言った。
「それが楽しいのか!?狂ってる!」とフォルテは嫌悪そうに叫んだ。
もう一度、全速力で俺に突進してきて、剣を振りかざした。今度は剣が俺に触れた。鎖に当たると、破裂するほど威力があった。
フォルテは微笑んだ。
しかし次の瞬間、俺の顔を当たった剣が爆発し、フォルテは壁に吹き飛ばされた。
***
コロッセオから帰る途中、ライムは俺の背中を軽く叩いた。
「フォルテがケーデンスくんを殺せなくてごめんなさい……と思います。あ!でも、病院でこの手紙を渡されました。」
ライムは俺に手紙を渡した。
「次こそ、傷つけてやるわ <3」と書いてあった。最後にはハートが描かれていた。
「サディストだな……」と俺は呟いた。
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