二人目

 一緒に登校しようとしたときはめちゃくちゃ焦ったな

 それに最後、まるで俺のことが好きなのかと思ってしまった

 綾崎さんは元々距離感が近い人なんだ

 俺のような陰キャが綾崎さんに好かれている勘違いも甚だしい

 そう思うと少し悲しい気持ちになった

 「黒澤くん、おはよう」

 今日は朝からよく話しかけられるな

 話しかけて来たのは去年同じクラスで、俺の数少ない友人の一人の桜だった

 「おはよう、桜、いつからいたの?」

 「どういう意味?」

 「わからなかったら大丈夫」

 焦った、綾崎さんと登校してるのが見られてたのかと思った

 「そんなことより今年は桜と違うクラスだから話せる人が少なくて、困るよ」

 「もう少し自分から友達を作りに行ったらいいのに」

 そんな他愛のないことを話しながら二人で登校した

 

 

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