　翌朝、登校中に後ろから「おはよう。一緒に学校まで行こ」と綾崎さんに声をかけられた

　「綾崎さん、おはよう」

　「そうだ、また昨日みたいに黒澤くんとお話したいから、RINE交換しない？」

　いきなりだな、距離の詰め方バグってないか？

　「俺もまた話したいし、いいよ」

　「RINEのアイコン猫ちゃんなんだ、かわいいね」

　「そうだろ、うちの小麦は世界で一番かわいい」

　「黒澤くん家で飼ってるんだ」

　「それはそうと、そろそろ別々に登校しないか？」

　「どうして、そんなことしないといけないの？」

　「それは急に一緒に登校なんてしたら、付き合ってると勘違いされるだろ」

　「つまり、黒澤くんは私と付き合ってるって勘違いされるのが嫌ってこと？」

　少し落ち込んだように見えるが、一体どうしてなんだ？

　意味がわからない

　「そういうわけじゃない

ただ…俺は陰キャだし、綾崎さんが困ると思っただけだ」

　「別に黒澤くんとなら大丈夫だよ」

　「いったい何が大丈夫なんだ？」

　「秘密」

　「教えてくれたっていいだろ」

　「まだ教えない」

　解決方法があるなら教えてくれてもいいだろ

　「まあそんなに心配するんなら今日のところは勘弁しといてあげる」

　そう言って、走って行ってしまった

　なぜあんな上から目線で言えるんだ

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい