クラス1の陽キャ女子とクラス1の根暗が付き合う話

コーンポタージュ

出会い

 俺の名は黒沢 遥斗

 クラス一の根暗で、三軍に入るどころか一緒に群れる相手もいない孤独なボッチといえば、俺のことだ

 誰からも認知されず、放課後はそそくさと一人で、急いで帰る

 そんな生活の繰り返しだ

 とてもじゃないが、クラスの陽キャ女子どころか女子と話すことさえ困難だ

 クラス一の根暗なのに、実はイケメンとか、頭がいいとか、そんな属性を何も持たない

 周りと対立しないように相手に合わせて自分を取り繕う

 そんな俺は今日をとても楽しみにしていた

 なぜならば今日はシリーズ累計発行部数300万部超えの「俺がモテるのは妄想だけかよ」略して俺モテの発売日だからだ

 よし今日は本屋に行って、すぐに買うぞ

 やっぱり発売日に見るのがいいよな

 ネタバレもされずに済むし

 といってもネタバレをされるような相手が俺にはいないけどな

ピーンポーンパーンポーン

「環境緑化委員会の方は今すぐ2階多目的室に来てください」

 楽しみにしていた日に限って、最悪だ

 

 やっと終わった

 やっぱり発売日に見るのがいいよな

 ネタバレもされずに済むし

 といってもネタバレをされるような相手が俺にはいないけどな

 そんなことを考えていると

 「黒沢くん、俺モテ好きなの?」と背後から声をかけられた

 この声聞き覚えがあるなと思いつつ後ろを振り返ると、クラスで1番の陽キャ女子の綾崎 花蓮だった

 「好きだけど…」と俺は答えた

 「いいよね。私は主人公の幼馴染の千秋ちゃんが一番好きかな」

 俺は想定外の答えに驚いた

 てっきりこんなの好きなんだ。キモッくらい言われると思っていた

 「俺もそうだよ。健気に尽くしてくれる感じが可愛くて、好きだな」

 「めちゃくちゃわかる」

 こうやって同級生と話すのは久しぶりだな

 「ヤバっもう6時じゃん、おつかいついでに寄っただけだからもう帰らないと。また明日」

 陽キャだからもっと圧が強い人なのかと思っていたけど、綾崎さん話しやすかったな

 

 

 

 

 



 

 

 

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