第2話 学園長室(生徒指導の先生 敦彦目線)

「一体どういうことですか、学園長」

「そんなに怒ってどうしたんですか?敦彦先生。」

「どうもこうもないですよ銃ですよ。銃!!学園長もご存じでしょう、私が銃しか扱えないということを」

「ほほぉ、そうでしたか。いや失礼。全く知りませんでした。」

こちらがどんなに殺気を出そうが、目の前の老人はひるむ様子がない。

 馬鹿にしやがって。権力を持ってるだけの老いぼれが・・・・

俺は、俺はなぁ、この学校ができる前から最強なんだよ。それがなんだ、零とかいう新参者に居場所奪われて・・その零がこの老いぼれだぁ?ふざけんじゃねぇぞ。従ってれば舐めやがって。何が経費削減だよ。目にものみせてやる。俺が本当の最強だってな。

静かに銃を抜き、学園長の心臓めがけて構える。その速さは目に見えないほどだ。

学園長ほどの老いぼれならこの速度に反応、でき、

「あ・・・?」

突如首筋に熱さを感じた。瞬間体の力が抜け地面にひれ伏す。

 おい、どうなってんだよ。俺の体。なんか、首があったけぇ。この老いぼれがなんかしたのか?

学園長を睨み付けるが、学園長はその顔に仏のような笑みを浮かべている。

「誤解しているようなので今のうちに訂正しておきます。私は零ではありませんよ。本物はこちらに」

学園長の指先をたどり、なんとか視線を向ける。

「学園長、ばらしちゃうんですか」

そこにいたのは学年ビリという噂の夜月蛍だった。

 いつから、俺の後ろに・・・気配を全く感じなかった・・・

学園にきてからほとんど言葉を発さず、顔だけが取り柄だと揶揄されている生徒。初めて聞く声は鈴が鳴ったような涼しさがあった。

「おま、え、、、」

「零としてはお初にお目にかかります。依頼はこちらから。危険な仕事であればあるほど大歓迎です。先生ならお安くしますよ。」

そういって目の前の女は名刺を取り出した。

こいつ・・・狂ってん・のか?

次第に意識は遠のいていく。

あ、俺死ぬ。

そう思った瞬間、また鈴のような声が聞こえた。

   ーいいなぁー

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