例え我が子が邪悪でも
私の親は、アズノール家と結婚する事をすごく反対していた。それはそうだ、貴族とはいえ落ちこぼれと名高いアズノール家。頭はいいが、この世界は力が全て頭脳だけではやっていかれない。それが現実だから、、、
それでも私は、結婚した。親の反対を押しのけて、この先いかなる事があろうとキルバンと共に生きていこうと思ったから。
そして、私は妊娠した。正直不安だった、この子もきっと『???』を受け継ぐそしてキルバンみたいにいじめられるんじゃないかと。
それでも、キルバンは「大丈夫、、、もしそうなれば私達が守ろう」と言う。その言葉を聞くと、私はなんだか涙が出てしまい嬉しかった。
お腹が大きくになるにつれ、お腹の中からトントンと蹴るような音と感覚がある。ああ、生きてるそう思うと愛おしく何度もお腹にいる赤ちゃんに声をかけお腹をさすった。
そして今日、やっとこの子が生まれてくるのだ。陣痛の痛みに耐えてヴェドラが誕生した。
「あんぎゃーあんぎゃー」
とても大きい声を出しながら元気に、キルバンが駆け降りヴェドラを抱く。ああ、やっと私達の幸せが訪れるんだとわかった。
そして、キルバンからヴェドラを抱いてくれと言われ私もヴェドラを抱く。だが、私は絶句した。
『生まれた』
確かに、耳元から聞こえる恐ろしい何か、、、その声はキルバンにも聞こえたらしく辺りを見回している。
そして私はヴェドラの顔を見ると、凍りついた、、、目がおかしいのだ、まるで全てが飲み込まれるのではないかと言うほどの漆黒の目、、、いや、闇が見えていた。
そして何ヶ月か立ち、私達は教会に行きヴェドラのスキルや能力を検査した。すると、、、
ーーーーーエラー
こんな事、教会も初めてだったらしく対処に困っていた。結果、マグノール家同様に同じスキルと魔力量となった。
その後、夜になりヴェドラを寝かしつけたて私とキルバンはあの時の声と今回の結果を話し合った。
「あの声はどうやら私とマーリンしか聞こえなかったらしい、、、メイド達も聞こえなかったと言っている」
「そう、、、ねぇもしかしてあの声って」
「ああ、おそらく、、、邪神だろう」
信じたくはなかった、そうあの本には『いつの日か邪悪な王が誕生日する』そう書いてあった。
つまり、ヴェドラがその邪悪な王なんだと。
邪悪な王が誕生すると、どうなるのかはわからない。だが、この世界はおそらく恐怖に支配されるだろうと思う。
「、、、」
「、、、」
おそらく、キルバンも気づいているんだろう。沈黙が続く。
「ふぁぁあー」
すると、ヴェドラが起き、そして
「きゃあきゃあ!」
笑った。
私達は、お互い見つめ合った。そしたら、私達も笑った。
この子が、化け物になってもいいそれでも私達はこの子の味方でいよう。そう誓いを立てた。
それから、長い年月が立ちヴェドラは五歳となった。歩かれるようになり、喋れるようにもなった。
そして、ヴェドラはよく庭の森に行くようになった。私とキルバンは少し様子を見ようと行くと、そこには、、、ヴェドラがあらゆる魔法を使い何やら修行をしていた。
私達はその正確な魔法、目にも止まらない魔法の玉を避けるヴェドラ。ヴェドラは五歳だ、ありえない。私達が見る現実は、ヴェドラを人間じゃ無いと体が告げている。
私達はその時恐怖しただろう、ああやはりヴェドラは、、、
だが、それでも私達はあの子の親なのだ。たたった一人の息子、私達の愛の結晶。私達が守らなければいけないと思うから。
「ヴェドラが邪悪な王になってもいい、それでも私達は家族なのだから」
「ああ、そうだな」
何度でも言おう、私達は家族なんだから
⭐︎⭐︎⭐︎
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