隣の部屋の棒人間
沼津平成
1
2005年に起きたその事件のことを、人は「
*
【ある飾りたくなる小説家の某B氏の兄の目撃情報】
B氏(=1939-)本名高原達也。兄の田尾啓介(1939ー)の供述。
(この田尾氏も随分と着飾っているように思えるのは私だけだろうカルパッチョ? マァサ・マダァサ警部より。)
その無人駅にはついさっきまで平穏な日々が漂っていました。
ピンク色の桜が、
「ちょっと待ってくれ」
と告げていました。
*
「ちょっといいかな?」マァサ警部(男)がいった。たばこを吸い終えて、「これは秘密だよっ」と言って、森下仁丹を取り出す。11粒より2粒ばかりオーバーしてるけど、大丈夫なのか。啓介が心配になる。「いいかな。まず、だ[
が」
マァサ警部はそこで言葉をとめて、あたりを見回した。緑色の風呂敷からマァサ警部は写真と現金を取り出した。
「この人物に心当たりはありませんか」
この人物。啓介は目を伏せてしまった。
それは、彼に似ていた。
隣の部屋の棒人間 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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