第6話、ボスゴブリン戦


次の日、俺は支度を済ませて集合場所に向かった。


校門につくと俺が最後だったので軽く謝罪を入れ、俺たちは出発した。


つよゴブことグレートソードゴブリンジェネラルの住まう警視庁が見えてくると、

円華ちゃんが作戦のおさらいをはじめた。


「.... それと、私はスキルで戦闘を記録しますので、モンスターをなるべく近づけないようにしてくださ! それでは皆さん準備はいいですか?」


「おう!」

「はいっ!」

「も、もちろん...」

「ええで~」

「あぁ!」


全員準備は万端のようだ。


「それでは作戦開始です‼」


円華の開戦宣言とともに全員でゴブリン集団に接近する。


俺たちの接近に真っ先に気づいたつよゴブが咆哮をあげると、取り巻きのゴブリンが突撃してきた。


やはり!その名の通りヤツの役職は将軍だ。率先して自ら先頭に立つ愚行はしまい。


先頭を走る廉くんが構えをとると、右手の中に火が宿る。


「俺がひきつけます。《ファイヤーウェーブ》‼」


詠唱ともに右手を大きく払いのけると、炎の波がゴブリンたちに襲い掛かる。


ゴブリンの緑色の肌が黒く炭化する。


「次、ぼっ僕が行きます!みなさん、みっ耳をふさいでください!」


全員が耳をふさいだことを確認すると、修くんが深く深呼吸をする。


次の瞬間、修くんの目が大きく開眼、とんでも大きな声で叫び始めた。


「死ね死ねくたばれアホボケゴミしねええええええええええええええええ」


その《呪詛》を耳に入れてしまったゴブリンたちに、内側から刃物で刺されたような傷ができ始めた。


こえぇ~ やっぱ呪詛って名前なだけのことはある。


どれも強力な攻撃だが、まだとどめを刺すには至っていない。


しかし知能の低いゴブリンの狙いをそらすには十分すぎる攻撃だ。


「いまならこっちにヘイト向いてます!みなさん引き離し作戦発動です!」


廉くんの叫びとともに俺以外の5人が取り巻きをひきつけながら後退を始めた。


あっという間に俺とつよゴブとの一対一になった。ここまでの作戦は大成功だ。


あとは俺たちの頑張り次第だ。


『デウすけ、いつもの頼む。』


『了解です!兵装の投影を開始します!』


ナノマシンが体を包み込むと、いつもの真っ黒戦闘服とカタナが投影された。


まず初めに、余裕そうにふんぞりつよつよゴブリンに《鑑定》を使う。



名前:グレートソードゴブリンジェネラル

種族:ゴブリン Lv 測定不可

加護:不明

HP:1000 MP:10

筋力:120

体力:60

敏捷:24

器用:17

精神:モンスターの精神状態なんて知るか!

装備:グレートソード

スキル:不明



うん、突っ込みどころさんは今日も健在っと!


それはそうと、つよゴブなんてバカみたいな名前のわりにステータスはちゃんと

いかついのな。


しっかし見た目通りの脳金馬鹿ステータスに安心感すら覚えるぜ...



ふうぅ~~...


俺は深呼吸とともに剣を構える。


俺に呼応するかのようにヤツも剣を構えた。


3m越えの体躯に似つかわしい成人男性の背丈ほどある巨大な剣。


あれに当たったら即死ってのは火を見るより明らかだ。 まぁ...


「当たらなかったらいいってことだなぁ! デウすけ行くぞ‼」


その一言とともに戦いの火ぶたは切って落とされた。


俺は瞬く間にゴブリンの懐に侵入し、勢いのままに横腹を切る。


高温まで熱せられたカタナが金属製の鎧を切り裂く。


「浅いな、 狙い目は?」


『腕と足の関節部分が鎧から外れています!その部分を狙ってください!』


「了解ッ!」


俺は一度ヤツから距離をとりつつ、もう一度接近を試みる。


ブウゥン‼


と風を切る鈍い音が何度も耳の横をかすめる。


成人男性ソード(蔑称)をよけながらつよゴブが疲れる瞬間を虎視眈々と狙う。


右降り、かちあげ、左降り、叩きつけ... 今!!


横への薙ぎ払い攻撃を察知した俺は、ダッシュスライディングで足の間を通り抜け、

ヤツのひざ裏を切り裂く。


ガタンッ! 


と重い音を上げながらつよゴブが膝をついた。


「いい位置にお顔がありますねえぇぇぇぇ!」 


ふらついている隙をつき、ヤツの右目にカタナを突き刺し、すぐさま離れる。


「デウすけ、やれ!」


『了解です!!』


俺の言葉を聞くと、デウすけが待ってましたとばかりに右目に刺さったカタナを遠隔で変形させた。


グシャっっ


巨大なマキビシのような形に変形したカタナがヤツの脳を、心臓を穿った。


その一撃が決め手となったのか、つよつよゴブリンは地面に倒れた。


「やった...のか!?」


そういった瞬間、つよゴブの体が一瞬動いたように見えたが気のせいでだろう...


などと思ったのだがしっかりフラグ回収。

倒れているつよゴブの周りに白い魔法陣が出現した。


『リン!ゴブリンの肉体が再生しています、おそらく...回復魔法だと推測します。』


何事もなかったかのように立ち上がる立ち上がるつよつよゴブリン。


やるじゃん、 そうこなくっちゃなぁ!


復帰狩りせんとばかりに接近すると、謎の白い光に吹き飛ばされた凛太朗。


「なんだ!? 新手か!?」


『いえ、周囲には何もいません....

まってくださいゴブリンジェネラルに何か神聖なオーラが集まっています!』


そこには真っ白なオーラを身にまとうつよゴブの姿があった。


「ん? まてよ、その雰囲気には思い当たる節が....」


俺の懸念なんかお構いなしに、ヤツが不思議な舞を始めた。


優雅な剣舞を披露したあとに、両手で掲げた成人男性ソードは黄金に輝いていた。


その瞬間とある疑念が俺の中で確証に変わる。




いやこのゴブリンのスキルって... やっぱりそうだ....


ただのステータス脳筋野郎じゃなかたのか...


ああやっぱりこの野郎は、この見た目のくせに.....




《聖騎士》だああああああああああああああああああああああああああ





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第一回裏設定集


・宇宙生物との闘いについて

2040年に宇宙生物との地球付近での戦争が勃発。

結果的に地球艦隊が勝利をおさめたものの、その時期に大気圏内にばらまかれた

浮遊式対宇宙地雷が、今現在は宇宙開発の大きな妨げとなっているのであった。






















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