第3話、今後の方針を決めよう
5年ほど前、国内最強のセキュリティを誇る国防軍のシステムが一人の学生によってハッキングされた。
和泉 凛太郎、当時19歳である。
そのことが国防軍にバレてしまい、逮捕の末にそのスキルを見込まれ無理やり
AIの研究に参加させられていたというわけだ。
機密保持の名目で研究所から出ることが出来なっかった凛太郎とって、
この状況はかれこれ2年ぶりの自由になるのであった。
俺が外に出ると時刻は12時を回ったところであった。
周囲を確認し、兵装を解除する。
標高200mに位置する上層特有の心地よい風が吹いている。
「久々の直射日光は気持ちいな~」
「お勤めご苦労様です!」
俺はヤクザじゃねぇ、と心の中で突っ込みを入れる。
「それはそうと、『ステータス』と念じていただけませんか?』
俺は心の中で、ステータスと言った。
当然のように目の前に出てくる青い画面と、そこに書かれたステータス。
この程度じゃもう驚かないぞ!
「出たぞデウすけ、ここまでくると完全にゲームだな」
「ステータス画面は本人にしか見えないようなので、内容をわたしにも教えてください」
そんなことをして何の意味があるのかわからないがとりあえず従う。
「え~っと
名前:イズミ リンタロウ
種族:人間 Lv7
加護:なし
HP:100 MP:100
筋力:10 + 7
体力:10 + 7
敏捷:10 + 7
器用:30 + 21
精神:20 + 14
装備:なし
スキル:超回復
てな感じだ」
「把握しました!リンの生体情報と照らし合わせ解析することで、いずれはほかの人やモンスターのステータスを推定できるようになると考えています!」
ステータスを聞いてきた理由にも納得がいったし、実装が楽しみすぎるな。
「以後この機能は《鑑定》とします!....
それはそうと今後の方針はどうなさいますか?」
あまり考えてなかった方が、たいていの物事において最も重要とされるのが初動だ。
ここで失敗するわけにはいかない。
「こういうのの定番は、食料集めと、あと情報集めってとこかな?」
「食料はモンスターが食べられるので問題ありません!」
デウすけさん!? それ問題大ありなんですけど?
「食えるの?...」
と恐る恐る聞く。
「先ほどゴブリンの死体を調べましたが、人体に有害な成分は見受けられませんでしたので食べられます!」
毒とかが無いのなら仕方がない... いざとなったら覚悟を決めよう。
「情報集めはどうする? とりあえず人が集まってきそうなところに行くか?」
「それもありますが、個人的には警視庁の監視カメラシステムにアクセスしたいと考えています。あそこに行けば日本全国の情報が丸わかりです!」
なるほど、その発想はなかった。
今の警視庁はここと同じ霞が関上層にあったはずだ。
「わかった。デウすけ、案内を頼む」
「了解です! ナビ機能オン!」
俺は視界に現れた矢印を頼りに歩き始めた。
研究所があった小高い丘を下り街へ出ると、目に入ってくるのは人の死体と
乗り捨てられた車、歩き回るモンスター。
街への被害が少なかったのか、まるで人だけがすっぽりいなくなったよな不気味さがあった。
コンビニ、ゴブリン、居酒屋、ゴブリン、ゾンビ犬、薬局、大きめゴブリン...
ホブゴブリンってやつかな?なんて考えながら皆殺しにした。
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30分ほど歩いていると警視庁が見えてきた
道中でモンスターを数体倒してきたのでレベルも9まで上がった。
警視庁に近づいていると戦闘服が勝手に動き、俺はむりやり茂みに隠れるようにしゃがんだ。
「デウすけ!何があった?」
「あれを見てください! おそらくボスモンスターです!!」
入口の方をよく見ると,金の鎧を着こんだ身長3mほどのゴブリンが取り巻きを連れて鎮座していた。
「ゴブリンキングって感じかな? あれは骨が折れそうだ...」
「はい、別の入り口を探しますか?」
今は優先すべきことがあるのでやめておこうかなとも考えたが、
闘ってみたいという好奇心が勝ってしまった。
「いや、あいつと戦ってみた...
誰だ!?」
急な気配に驚いて振り向くと、飄々としたどこか胡散臭さを感じる男が立っていた。
「兄ちゃん、さっきからぶつぶつ独り言言ってどないしたん?
まさか、アレとやり合う気なんか?」
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余談
特にメインの話には関係ないけど、裏設定集みたいなのはいずれ作りたいなって考えています。
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