第48話 女の子って積極的
GWの後半四日間の休みに入った。俺は初日の金曜日、朝はゆっくりと起きて遅い朝食を食べた後、部屋で大好きなラノベを読んで過ごした。お姉ちゃんは何処かに出かけている。
そして翌日土曜日は、朝から道場に行って稽古。稽古の合間に加納師範代が
「京之介、全高(全国高校空手選手権大会)の個人で申し込んでおいた連絡が来たぞ。今年も八月だ」
「分かりました。仕上げて行きます」
「ああ、楽しみにしている」
俺は、高校名では登録していないので団体戦は出れない。高校には許可を取ってあくまで個人名で出場する。全中の時もそうだった。
もっともうちの学校の空手部では予選も通らないだろうけど。
それだけに最近の稽古には力が入っている。積極的に出たいという思いは無かったけどお父さんの知合いの道場主からこの道場の宣伝にもなると言われて出ることにした。小学校の頃から世話になっている道場だ、無下には出来ない。
そして、三日目の日曜日。俺は奈央子さんの家の最寄り駅で午前十時十五分前に待っていると可愛いピンクのTシャツと白いキュロットスカートを履いて奈央子さんがやって来た。とても嬉しそうな顔をしている。
「おはようございます。京之介さん」
「おはようございます。奈央子さん」
スッと手を繋いで来て
「行きましょうか」
先週、京之介さんと約束した。今日は私の部屋に来てくれると。勿論最後まで出来ないけど。思い切り抱きしめて貰える。
勢いで行ってしまえば嬉しいけど、京之介さんの意思はダイヤモンドと同じ位固い。でも良いんだ。
「奈央子さん、嬉しそうですね」
「はい、京之介さんと会えるんですから」
毎週会っていてもそうなるのかな?
歩いて五分位で彼女の家に着いた。玄関を開けて中に入ると静かだ。
「今日は両親いないんです」
「……………」
どういう意味で言っているのかな?
正月に来ているので家の中の様子は分かっている。二階に連れて行かれると
「京之介さん、少し待っていて下さい」
彼女は一度一階に降りて行き、少しして冷たいジュースを持って来た。それをローテーブルに置くと
「京之介さん、今日はラノベのお話をしましょうか」
「いいですね」
彼女の部屋の本棚は、勉強用の本棚と趣味の本棚に別れている。俺も知っているラノベも一杯ある。
ジュースを飲みながら本棚からラノベを取って話をした。彼女はラブコメとか恋愛だけでなくファンタジーとかSF、異世界物とジャンルが広い。俺はそこまで広くないので半分聞いている様なものだ。
最初はソファに座って話をしていたが、自然と二人でベッドの端に座って話す様になっている。
少しずつ彼女の体が当たったりしていると、話を止めて俺の顔をジッと見た。そして緩く俺の背中に手を回して目を閉じた。
ゆっくりと彼女の顔に近付いて唇を合わせた。柔らかい。そうしていると彼女が強く吸い付いて来た。
俺も返すと段々口が開いて来て、彼女の舌が俺の口の中に…。
何となく俺も彼女の口の中に舌を入れて彼女の舌と絡み合う様にしていると彼女は俺の背中に回していた左手を手前に持って来てTシャツを捲り上げた。自然と俺の右手も彼女の胸に行った。
始めはゆっくりと触っていると彼女口から声が漏れて来る。そのままにしていると彼女が両手を後ろに回してブラを取った。
「えっ?」
顔がホワッとしている奈央子さんが
「最後までして貰わなければ良いのですよね」
そしていきなりTシャツも取ると
「お願いです。京之介さん」
俺の体に抱き着いて来た。柔らかい大きな胸が俺の鳩尾辺りに押し付けられた。彼女は俺の背中に手を回すと後ろに倒れる様にベッドに仰向けになり
「約束です。最後までは求めません」
彼女の白く透き通るような肌。透明感のある胸と綺麗なピンク色が俺の目の中に入って来た。
「京之介さん」
流石に俺もここまで来て我慢は出来ない。もう一度口付けをするとゆっくりと唇を下にずらして行った。
気持ちいい。なんて気持ちがいいの。私が望んでいた事。京之介さんの手が優しく包み込む様に私の胸を触り、もう片方は彼の口の中。
堪らない。恥ずかしいですけど喘ぎ声が思い切り口から洩れています。でもこれでいい。
あっ、彼の手がさらに下に。もしかしたら…。でもそこまででした。どの位そうしていたか分からなかったけど、京之介さんがゆっくりと顔を私の顔の前に持って来てもう一度優しく口付けをしてくれた。とても素敵。
「奈央子さん、我慢出来ないと言ったらどうします?」
「えっ?…勿論、京之介さんの気持ちを受け入れます」
「…止めておきます。ここであなたと最後までしたら、今迄の俺の考えを自分が否定する事になる。
奈央子さんと最後までするのは、奈央子さんに責任が持てる様になった時です。その時は俺の方から言います。
誤解しないで下さい。俺は奈央子さんが好きです。だからこそあなたを大事にしたいんです。いい加減な気持ちで無い事を…」
気が付いた時には俺の唇は奈央子さんの唇によって塞がれていた。
その後も、もう一度奈央子さんに同じ事をした。今度は彼女のキュロットスカートに手が伸びたけど、何とか我慢した。でも彼女のお尻もしっかり触ってしまった。
失敗しました。今日に限ってキュロットなんて。他のスカートだったら思い切りのチャンスだったのに。
でも、先程の京之介さんの気持ち、私の心の中にしっかりと入って来ました。そこまで私の事を考えてくれているとは思いませんでした。
ただ、私の体を抱いて貰えれば、もう結ばれると思っていた自分自身が恥ずかしくなります。
本棚にちょこっと置いてある小さな時計が午後一時半を差していた。
「奈央子さん、お腹空きませんか?」
「ふふっ、そうですね。美味しいお昼を二人で食べましょう」
そうは言ってももう一度して貰いました。胸だけでなくお尻を触ったり、前の方も優しく触ってくれていました。スカートで無かった事が悔やまれます。
その後は大分遅くなった昼食を二人で食べました。遅かったので、ケチャップライスに卵焼きを乗せた簡単なオムライスだけど京之介さんはとても美味しそうに食べてくれました。
午後四時位になって奈央子さんと駅まで一緒に行った。繋がれている手が優しく暖かい。今迄と違うのは気の所為なのだろうか。
時々俺の顔を見ては嬉しそうに微笑んでいる。しかし、今日はよく我慢出来たな。三回目の時、彼女の履いているものがキュロットでなかったらしてしまっていたかもしれない。
もしかして彼女は、そこまで読んでキュロットにしたのかな。それならそれで良いんだけど。
奈央子さんと駅の改札で別れる時、いつもの寂しそうな顔ではなくとても爽やかな気持ちのいい顔をしていた。やっぱりここまでで正解のようだ。
――――
話中にある全国高校空手選手権大会は公益財団法人全国高等学校体育連盟空手道専門部様と何も関係がございません。ご理解の程お願いします。
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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