4.過去

 この後の事は正直漠然とした記憶しかない。翌日は祭りに繰り出したはず。で終わる前か終わってちょっとした頃に騒ぎが起きた。小さな子が一人行方不明になったらしい、それからすぐに青年団だか大人達が捜索に繰り出ていき七彦も一緒に捜索に参加したが、僕らは土地勘が無いだとか何かしらを言われ部屋で待機するように言われた。そして彼も行方不明になったようである。そして僕らは友人の親の車が迎えに来て予定より早い段階で大阪に帰らされたためどうなったかは知らない、友人の親が迎えに来たのはオーナー夫婦が電話したらしいとだけ聞いている。

何故覚えていないのかは、よくわからない。僕だけが曖昧になったのかみなは覚えているのか。確かめようなど思えなかった、理由は取り返しがつかない出来事になったと感じたからか、聞いてしまうと僕にも責任や使命が発生する気がしていた。誰ともなくその話をすることは二度となく。半年程たった頃にはその事さえ忘れていた。

 就職するタイミングで僕は神戸に引っ越していったからもうみんなとは会うこともなくなっていた。







 

 最近悪夢を見るようになっていた、そして同時にこの出来事を少しずつ思い出していた。すべてを思い出すのはいつかわからない。ただ、同じ悪夢をずっと見ている感覚は確かにあるのに起きてしまえば忘れている。この出来事が強く僕を揺さぶっている。だからこうやって日記をあの日の出来事を思い出すたびに書いている。あの日何があったのかそれを調べることだけはしていない。もし七彦とあの子が今も見つかっていないなんてことが書かれていたらと思うと怖いから。

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