1.幽霊団地

 ある高校生の話自体、どうすべきかわからない。幽霊団地に肝試しをしたこと、悪ふざけの過ぎた友人ダイキ、そして幽霊団地に置き去りになった男の子。その場所は存在する、しかし置き去りになったであろう男の子のその後に関する情報がせんど探しても見つからないのだ。これでは裏付けが取れない。

そもそも話自体、度の過ぎた悪ふざけというかいじめだ。そして話した彼の周りでは不幸が続いているらしい。幽霊団地自体は今も存在するのだが、私はあそこで幽霊を見たことはない。そもそもそんな騒ぎ(男の子がいなくなったとか死んだとかいった話)はない。





 賃貸マンションの一角にある部屋の中で一人パソコンとにらめっこをしている。仕送りでなんとかやっていける。が残念ながら私は数年前から無職いわゆるニートと化していた。たまに内職のようなことをしたりして日々をかろうじて繋いでいる。あくまでも今しているのは趣味の怪異に関する話の蒐集の類い、どうしてだか私の住む飛鳥市にある幽霊団地の件の話を高校生のハルキと名乗った彼から聞いたのである。何故にらめっこしてるのかはご覧の通り置き去りになった男の子の顛末がまったくもって調べど調べど見つからないからである。さて、実話と彼は語っていたが本当は嘘なのではと疑いたくなるほどだ。幽霊団地自体を調べたりもしたが同様に事故や神隠しらしき記述は見つからない。単純に過疎化したが建物を建て壊されることなく残っただけらしい。そしてその団地を管理していた会社は倒産済みで連絡も出来ない。胡乱な話を信用するに値するのか。

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