第24話 魔王対アーサー、再び!
「…だが、あちこち傷んでいる。もしかしたら、完全に修復できなかったかもしれん」
ジョージが壁などを見て気づく。確かに、よく見ていると、昨日の戦いの後が古城のあちこちに残っていたのだ。
「…エリーさん?」
一番後ろに居たエリーの表情を見て、ダンクが声をかける。どこか、気が気でない、いう顔だったからだ。
ちなみにダンクはエリーの魔法で、周りから姿が見えないようになっていた。もしダンクの素性がバレてしまったら、隣国にすぐ行けれなくなってしまうからだ。
「エリー!行くぞ!」
アーサーからの声で、エリーは「は、はい!」と返事をしながら後をついて行った。
魔王は、最上階の玉座の間で待っていた。玉座の前の方、そこから少し離れた場所で。
昨日の戦いと違うのは、その周りに部下である魔物が居ないこと。そして、その隣に黒い霧に囚われた王子が居たことである。
玉座の間に着いたアーサー達を見て、魔王は腰の刀を抜いた。昨日とは違う、細身の剣だ。
その剣を構えると、床を蹴ってアーサーへと向かってきた!アーサーはすでに抜いてあった剣で、魔王の振りかざした細身の剣を受け止める。
(…弱い⁉)
受け止めた瞬間、アーサーは予想外の攻撃の軽さに思わず眉を顰める。昨日、死闘を尽くした相手と別人のようだ。
―まだ完全に復活していない。そう思ったアーサーは、魔王からの剣を薙ぎ払うと、魔王の剣を弾き飛ばした!
「―⁉」
「今よ!エリー!…ってどこに居るの⁉」
アリスが振り向いた瞬間、後ろに居たはずのエリーがいなくなっている事に気づいた。王子が人質になっている以上、エリーの魔法で魔王を拘束するしかないのに。
エリーがいない事に気づいたアーサーは、一瞬よそ見をしてしまう。その隙を突いて魔王が剣を拾おうとしたが、
「させるかっ‼」
すかさず魔王の首元へ剣を突き付けた!魔王は、そのまま動かなくなる。
「王子様を返してもらうぜ」
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