天下人は誰の手に

 清洲城において信長の後継者と遺領の分割を決めるための会議が開かれた。

 織田家重臣の柴田勝家は信長の三男・織田信孝を推す。だが、明智光秀討伐による戦功があった秀吉はなんと

 「よちよち。三法師さんぽうし様、サルも出ましょうぞ!」信長の嫡男・織田信忠の嫡男・三法師(織田秀信)を推す。

 少し日は遡さかのぼって「どうしたもんかのぉ〜」秀吉はこれでもかってぐらい頭を抱えて転がっていた。

 「柴田勝家は滝川一益や織田信孝と共に秀吉様に対する弾劾状を諸大名にばらまいたとの情報は入っております。

 こちらとしては養子の羽柴秀勝はしばひでかつ様(信長の四男)を喪主として、信長の葬儀を行いましょう。それから亡き織田信忠の嫡男・三法師様を立てましょう」官兵衛は答えた。

 「あのなぁ、官兵衛。養子の羽柴秀勝様(信長の四男)を喪主として、信長様の葬儀を行うのはいい。だが三法師様は小さいのだぞ」秀吉は不可能っと返したが

 「殿。不可能は当然。殿は摂政をするのです。間接的に実権を握るのです」官兵衛はニヤリと笑い

 「そうか。その手があったか」秀吉は(ポンッ)と手を叩いてさっそく葬儀を執り行う。

 「なぁ、勝家様。信長様の葬儀は早うしたい。どうだろうか、羽柴秀勝様(信長の四男)を喪主で」秀吉は勝家にお願いする。

 「それもそうじゃ。葬儀の喪主でやろう。だが織田家では織田信孝様じゃ!」勝家は秀吉に顔を近づけて言う。

 「まぁまぁ。とりあえずは葬儀の喪主は羽柴秀勝様(信長の四男)で」(むさ苦しいわ。)秀吉は内心思った。

 葬儀の喪主は羽柴秀勝で無事務めた。

 それで清洲城において信長の後継者と遺領の分割を決めるための会議が開かれる。

 「織田信孝様を次期党首とする!」勝家は織田信孝を前に言ったが

 「あのなぁ〜、信長様は嫡男・織田信忠様と決まっておったのじゃ。それが本能寺の変で亡くなったので、次は嫡男・織田信忠の嫡男・三法師様じゃ」秀吉は三法師を抱いて答える。

 「だから三法師様だと幼いから難しいと言うとるんじゃ!」勝家は秀吉を睨んだ。

 だが(ゔぅ、ゔぅ、ゔぇ〜ん)三法師は泣き出して

 「お〜、怖いな。怖いな。勝家の鬼の形相は怖いな。」秀吉は三法師の抱いて、勝家を遠回しに言う。

 「じゃあ摂政は信孝様ではいいのでは?」滝川一益は間を取っていったが

 「う〜ん。本人を前に言うのは」秀吉は信孝を前に言うのは躊躇ためらったが

 「言うてみよ!」信孝は半分切れたが

 「ハッ。それでは、単刀直入に言わせてもらうと、怖いのじゃ」秀吉の言葉に信孝は掴みかかったが、また三法師は泣き出して「お〜。怖かったな」秀吉は三法師を抱いて遠回しに信孝を見た。

 「三法師様はわしに懐いているから、だからワシを摂政にと」秀吉は三法師を抱いて勝家らを見る。

 「バカバカしい」勝家は相手をせなんだが

 「バカバカしい?では信長様は本能寺で討たれて、毛利元就と和議をして、あの明智光秀を討ったのは誰じゃ?

 ん?

 バカバカしいのはどちらじゃ!」秀吉は立って勝家は見下した。

 勝家は秀吉の本性を垣間見てようやく立って秀吉を真正面から見た。

 「交渉決裂じゃ!」勝家達は帰って行った。

 「殿。柴田勝家らは敵になるやも知れません。今なら楽にやれます」果心居士は急に現れる。

 「まだ敵と決めつけはよくない。それに敵方を一掃する」

 「ハッ」果心居士は消える。

 さっそく秀吉書状の宛名には、織田家臣の掌握が始まる。

 「それで検地を実施しましょう」官兵衛は驚くことを言う。

 「それは不味いと違うか?」秀吉は困ってると「いちゃもんをつけるのです。この際、秀吉派か反秀吉派が見極めるのです。殿のやり方は誰がもんくをいうのですか?」官兵衛は笑った。

 「果心居士?」秀吉は言うと果心居士はすぐさま現れる。

 「ハッ」

 「間者を行けるか?」

 「すぐに烏を飛ばします」果心居士は烏を飛び立つ。

 「それじゃあと」秀吉は山崎やまさき城を築城し、山崎と丹波国で検地を実施。

 「織田三法師様じゃ。元服までの間、羽柴秀吉である。よろしくお願いしますぞ」秀吉は三法師を連れて挨拶回りをした。

 さらに私的に織田家の諸大名と誼よしみを結んでいったため、柴田勝家との対立が激しくなった。

 「何だこれは⁈」

 「まぁまぁ、お互い今は織田三法師様の配下である。だからこれは織田家の羽柴秀吉のことなのです。お互い臣下が歪み合うゆがみあうとはどう思いますかな?お互い仲良くしましょう」秀吉は勝家に言い負かす。

 「クッソ!どうも気に入らん!」勝家かついえは歯痒はがゆく言った。

 しかし秀吉と丹羽長秀、池田恒興は三法師を織田家当主として擁立した清洲会議の決定事項を反故にし、織田信雄を織田家当主として擁立し主従関係を結ぶ。

 ただし、これは三法師が成人するまでの暫定的なものであった。

 すると「殿。こちら側は池田恒興・丹羽長秀です」

 「勝家はどうなっておる」

 「それが佐久間盛政と前田利家です」果心居士は秀吉と前田利家の仲の良さを知っていた。

 「槍の又左またざか」秀吉は唾をゴクリと飲んだ。

 「わかった。ちょっと官兵衛を呼んでくれ」

 「ハッ」果心居士は消えてしばらくして官兵衛と果心居士は出てきた。

 「ありがとう」官兵衛は支えてくれた果心居士に礼を言う。

 「官兵衛。果心居士はこちら側は池田恒興・丹羽長秀、勝家側は佐久間盛政と前田利家だと。三法師様が冬の返すことができない今、それを口実にやるのじゃな?」秀吉は聞くと「ハッ。勝家は雪で動かさないと大義を得るのです!」官兵衛と秀吉はにやけた。

 越前国の勝家が雪で動けないのを好機と見た秀吉は

 「三法師様を返さないのは許さない!皆さん違いますか?」

 信孝が三法師を安土城に戻さないことなどを大義名分とし、信孝打倒の兵を挙げる。

 一方、勝家は「馬鹿な⁈冬の積もる時期に三法師様を返さないだと⁈」勝家は手紙を投げ捨てて激怒する。

 「秀吉軍はさっそく軍を動かしたと。やられたな。三法師様を期日を過ぎたと」利家は言ったが

 「だが吹雪ているのだぞ!」勝家は利家に言ったが

 「だが、前もって返すことは出来たはずだ」利家は勝家が言い返す術を消した。

 一方で「三法師様を安土城に戻さないとのこと。反逆である!」秀吉はみんなを言い

 「許さんぞ、そんであろうみんな⁈」池田恒興は奮い立つ。

 「三法師様を柴田勝家は返さないのは許さない!」

 秀吉は池田恒興ら諸大名に動員令を発動し、自ら五万の大軍の指揮を執り宝寺たからでら城から出陣。

 「官兵衛。頼み込んだぞ?」秀吉は官兵衛へ言うと

 「ハッ」官兵衛は長浜城に行く。

 秀吉はまず柴田勝家の養子・柴田勝豊しばたかつとよが守る長浜城を包囲した。

 すると「殿!秀吉軍の参謀、黒田官兵衛様が来ております!」兵士は慌てて報告する。

 「黒田官兵衛様がか⁈よし、お通ししろ!丁重にな!」勝豊は丁重に兵士に案内をした。

 この少し前に「勝家と勝豊は不仲であるもよう!」小六が言うと「勝家め、勝豊と不仲であったか。いけるか官兵衛?」秀吉は聞いたが「お任せを!勝家を一気に覆します」官兵衛は即答する。

 官兵衛は一度捕まってるから即答の裏には烏である果心居士を用意していた。

 夜、「勝豊様、ここを開けてくださいませ」単刀直入に官兵衛は言う。

 「これはこれは黒田官兵衛様。それは違なるものよ。官兵衛様は柴田勝家の養子・柴田勝豊が守りし長浜城を前に血迷うたか。

 羽柴秀吉の軍師黒田官兵衛、それを差し出せばこれほどの手柄はない!」勝豊は官兵衛を前に言ったが

 「そう言わずに開けてください」

 「官兵衛様、それは無理です。今は敵同士。柴田勝豊、どんな負けそうでも負けません!」勝豊は横に振った。

 「そうかの?」官兵衛は勝豊を見て(ゴクッ)と茶を飲み干して

 「勝豊様、外を見てください」官兵衛は言うと外を勝豊は観た。ずらっと秀吉軍が松明を炊いて回りを囲っているではないか。

 「なっ⁈」勝豊は腰を抜かした。官兵衛は長浜城を入った矢先、夜の景色が動かしていた。

 「勝豊様、病床でやむなく降伏した、いいですか?」官兵衛は言うと「・・・そうしてくれ。」勝豊は諦めて座りながら言った。

 官兵衛はそういうと「果心居士。帰るぞ」官兵衛は言うと

 「は⁈」勝豊はよくわからなかったが「ハッ」烏の姿から果心居士は現れる。

 「えぇ〜⁈」勝豊はまた腰を抜かした。

 「な〜に。もし失敗をしても果心居士は勝豊様の首を刎ねておった」官兵衛は果心居士を連れて勝豊の方を見なかった。

 それを勝豊を降参する。

 病床に臥ふしていたため、秀吉の調略に応じて降伏する。秀吉は長浜城を獲得した。

 「官兵衛!」秀吉は官兵衛を出迎える。

 「イヤイヤ。長浜城を取り囲んだが降伏した結果です。さぁ次へ行きましょう」秀吉軍は次へ進む。

 「クッソ〜!勝豊は本当に病床に入ってたのか?」勝家は扇子を「ボキッ」折った。

 この間にも美濃国に侵攻し

 「攻めろ」官兵衛達は次々へと攻めっていく。

 「報告!秀吉軍が攻めてきました!先鋒は黒田官兵衛!」兵士は慌てて報告する。

 「黒田官兵衛か⁈おのれ〜守れ、守れ!」稲葉一鉄いなばいってつは叫んだ。

 「報告!稲葉一鉄が攻めてきました。」兵士は報告する。

 「稲葉一鉄か。どうする官兵衛」秀吉は官兵衛に聞いたら

 「向こう側は準備できてるのか果心居士」官兵衛は聞く。

 「いつでもいいです」果心居士は現れる。

 「では、ゆっくりと引きましょう。出来るだけこっちは不利のように」

 「わかった。ここは一旦退きあげる!」秀吉は一旦退きあげた。

 「退きあげるぞ⁈今だ、攻めろ!」稲葉一鉄は門を開けて攻めて来させる。

 「来たか。よし、合図を送れ!」

 「ハッ!」官兵衛は果心居士は烏に化けて飛んでいく。

 「ガハハハ!秀吉軍の軍師黒田官兵衛、そんなもんか!」稲葉一鉄は嘲笑った。

 だが「急報!急報!」稲葉軍の兵士が馬の上から報告する。

 「なんだ⁈」稲葉一鉄は戸惑った。

 「砦が落ちました!」兵士は慌てて答える。

 「何⁈秀吉軍は一つじゃないのか!もう一つはどこだ!」

 「織田信雄軍です!すでに織田信雄軍は直ぐそこです!」兵士は答えたると、秀吉軍もくるっと回り稲葉一鉄達を取り囲んだ。

 「降参だ」稲葉一鉄らの降伏や織田信雄軍の合流などもあってさらに兵力を増強した。

 「次」官兵衛は輿を前に進む。

 「次は信孝の家老・斎藤利堯さいとうとしたか守る加治木かじき城だ。行けるか?」秀吉は官兵衛に聞く。

 「森長可が既に各個撃破を行なっているはずです」官兵衛は輿に見守っていた。

 だが森長可は退く。

 「あの斎藤利堯、しぶとい」森長可は相手の返り血で激しさをわかる。

 「だ、そうだ。お前の肩にかかっておる、稲葉一鉄」官兵衛は輿を乗せながら稲葉一鉄にいった。

 「ハッ」稲葉一鉄はすぐさま加治木城へ取り入った。

 「報告します。今、稲葉一鉄様が来ています。お通ししますか?」兵士は聞く。

 「お通ししろ」斎藤利堯は回答した。

 「稲葉一鉄様。何故裏切られた」

 「斎藤利堯様。よく頑張った、もう剣を置かんか?」

 「私は羽柴秀吉の首を持って帰るのよ!」

 「本軍はあの黒田官兵衛様だぞ?加治木城は森長可だけだそうだ。だかな、斎藤利堯は死ぬには惜しい漢だ。どうだろうか、一緒に降伏を出してみよう」稲葉一鉄は斎藤利堯の手を握る。

 秀吉は、信孝の家老・斎藤利堯が守る加治木城を攻撃して降伏せしめた。

 「次」官兵衛は加治木城を見届けてから輿を進む。

 「もう秀吉軍は来たのか⁈」信孝は秀吉軍が来たのかを確認した。

 「ハッ。秀吉軍は恐ろしいぐらいの速さで次々とせめて行って降伏しました」兵士は答える。

 「殿。攻めていっては幾いくらかの損害がでます。それに亡き信長様には顔を泥を塗ります。ここは兵糧攻めかと」官兵衛は輿に座りながら進言する。

 「うむ。岐阜城にを孤立にする!」秀吉はぐるっと囲って岐阜城に孤立してしまった。

 「和議としての条件としては母親と娘と交換じゃな!」笑いながら秀吉は官兵衛に言う。

 「私が行きましょう」官兵衛は輿を進めて城門前まで行った。

 「報告!黒田官兵衛様がお見えになるそうです!」兵士は慌てて聞く。

 「黒田官兵衛か。通せ!」信孝は苦々しく言う。

 「信孝様。懐かしく思いますな〜」官兵衛は岐阜城懐かしく見渡した。

 「官兵衛。どうせ和議だろ。なんじゃ?」信孝はイライラしながら官兵衛は中々話しをせんので切り出した。

 「ハッ、お見通しで。和議としての条件は母親と娘であります。それが嫌ならとことんやり合いましょう。結果は見えていますが」官兵衛は冷淡に言う。

 「クッソ〜!」信孝は、三法師を秀吉に引き渡し、母と娘を人質として差し出すことで和議を結んだ。

 反秀吉派の一人であった滝川一益は、秀吉軍の伊勢峰いせみね城、関せき城、伊勢亀山いせかめやま城らを破る。

 それで秀吉軍は反撃として滝川一益の居城・桑名城を攻撃した。

 「一益め、居城を落としたらどんな顔をするかな?行けー!ダハハハ!」秀吉ひでよしが笑うと「撃てうてー!」(バンッ、バンッ)すると一益は城に隠れて撃てきた。

 秀吉軍はいきなり撃って一益軍に総崩れ「退けー!退けー!」「まだだ、撃てー!」桑名城の堅固さと一益の抵抗にあって、後退を余儀なくされた。

 「クッソ!滝川一益め、桑名城に隠れておったか」秀吉はボロボロになって官兵衛に言う。

 「どうなもんだ果心居士」官兵衛は輿を乗ってまま聞く。

 「ハッ。伊勢峰城、関城、伊勢亀山城を落としていまして、滝川一益居城の桑名城は堅固さです。さすが忍びの嫌がることをしてきます」

 「う〜む、手はないか」官兵衛は考えた。

 「え〜ぃ、反撃じゃ!」また、秀吉が編成した別働隊が長島城や中井城に向かったが、こちらも滝川軍の抵抗にあって敗退する。

 「中々、滝川軍はしぶといの〜」秀吉が苦々しく思った。

 しかし伊勢亀山城はというと、蒲生氏郷や細川忠興・山内一豊らの攻撃で遂に力尽き降伏した。

 とはいえ、伊勢戦線では反秀吉方が寡兵であるにもかかわらず、優勢である。

 柴田勝家は「オリャャー!」(ドスッ、ドスッ)前田利家を先手として出陣させ、「藤吉郎(秀吉)め、信長様の恩を忘れおって!出陣じゃ!」自らも三万の大軍の指揮を執り出陣する。

 こうして秀吉は、柴田軍と対峙した。

 この対峙はしばらく続いたが、秀吉に降伏していた柴田勝豊の家臣・山路正国やまじまさくには「よ〜く考えろ。正国、こっち側に来い!わしの家臣となれ!」佐久間盛政が言い勝家側に寝返るという事件が起こる。

 さらに織田信孝が岐阜で再び挙兵して攻めると、信孝の人質を処刑した。

 はじめは勝家軍が優勢であったのである。

 しかし、こうなるのを秀吉は予想していたのでる。いや、官兵衛が予想したのである。

 「ふふふ。かかったな」官兵衛にやけた。

 勝家の重臣・佐久間盛政は、秀吉が織田信孝を討伐するために美濃国に赴おもむいた隙を突いて、奇襲を実行する。

 「一気に攻めろ!オリャャー!」

 この奇襲は成功し、大岩山砦おおいわやまとりで、岩崎山砦いわさきやまとりでは敗走した。

 「よくやった!一旦は戻れ!」勝家は労ねぎらった。

 しかし、「勢いがあります!追撃しましょう!」兵士は湧わいた。「そうじゃな、追撃じゃー!」盛政は勝家の命令に逆らってこの砦で対陣を続けた。

 急いで勝家の伝令に入る。

 「伝令!佐久間盛政様は追撃しました!」兵士は慌てて勝家に報告する。

 「何⁈罠じゃ!戻らんか!」

 勝家は直ぐに戻すように言った。

 しかし、時は遅し。佐久間軍は夜の中、追いかけて行ったが(ワォーン)

 「狼⁈十、百、千⁈逃げろ!」佐久間盛政は叫んだ。

 すると秀吉軍も、中国大返しと同様に迅速に引き返してきた。この兵士、実は秀吉軍の果心居士達であった。佐久間盛政は退きさがった。

 さらに秀吉は前田利家と会いに行く。得意の説得する為だ。

 「わしが行く」秀吉ひでよしは自ら山崎城やまさきじょうへ行く。

 一方で「報告!羽柴秀吉自ら殿と会いたいと」兵士は利家に報告する。

 「一人でか⁈」利家は驚く。

 「一人らしいです」

 「藤吉郎の奴め、わしじゃなかったら首を討たれてるぞ!丁重にお通ししろ」利家は呆れた。

 「ハッ!」兵士は答えた。

 大広間に入るやいなや

「山崎城に入るのは初めてじゃ!」秀吉は陽気そうに言う。

 「アホか、おのれは!大将首じゃぞ!」利家は何故か激怒した。そう、無理もない。藤吉郎と又左と呼び合うなか、今は敵同士なのだ。

 「なぁ〜又左またざ(利家としいえ)、お主おぬしとはやりたくないんじゃ。」

 「藤吉郎(秀吉)、お主ともやりとうない。しかし、恩を忘れては敵となるのは必定。」

 「恩だと?三男の織田信孝様とするより嫡男・織田信忠様の嫡男・織田信忠の嫡男・三法師様だろうが!なぁ〜」秀吉は利家相手に怒る。

 「だが柴田勝家も裏切りとうない。・・・どうしたらいいんじゃ藤吉郎」利家は涙を流した。

 「槍をおけ、な?もし勝ったらいい役をやる!約束する!」秀吉の工作により前田利家の戦線離脱する。

 「ハハハハ!やりましたな!」官兵衛は秀吉に笑う。

 「官兵衛。得意なのはお前だけじゃないぞ?」秀吉も帰って来ながら言う。

 「恐れいたしました」官兵衛は輿の上から秀吉に頭を下げた。

 「冗談じゃ、官兵衛。さぁ、行くぞ!」秀吉も笑しながら利家としいえという敵だった者を労せずに説き伏せたのは非常に有利に行った。

 この時、毛利輝元、足利義昭に書状を出す。

 「この書状を毛利輝元に届けてたもう。これで天下はわからなくなるわ」足利義昭は兵士に届けた。だが(ぎゃ〜)すぐに何者かに兵士はやられた。

 すると「オィ、観ているからな。」

 「ひぃ〜。」果心居士の部下は高野山こうやさんで脅されて疑心暗鬼だった。

 このおかげにより柴田軍は大敗を喫し、勝家は越前国に撤退。

 この際、特に七本槍が活躍する。ちょっと七本槍について説明しておく。

 加藤清正(関ヶ原の戦いでは、豊臣秀吉の側近だった「石田三成」率いる西軍ではなく、徳川家康率いる東軍に加勢。)

 福島正則(関ヶ原の戦いでは、加藤清正らと共に険悪の仲だった西軍、石田三成を襲撃。)

 加藤嘉明(関ヶ原の戦いでは、徳川家康率いる東軍に属し、西軍の石田三成を撃破する。)

 平野長泰(他の武将と同じく関ヶ原の戦いや大坂の陣で徳川家康に仕えた。)

 脇坂安治(関ヶ原の戦いではやむなく石田三成が率いる西軍に付きますが、戦いの最中に東軍に寝返った)

 糟屋武則(関ヶ原の戦いでは七本槍の中で西軍に加わった)

 片桐且元('関ヶ原の戦いで西軍が敗れて以降、豊臣秀頼を守るため、弱体化した豊臣家と徳川家の仲介を上手く果たすことで、終始に渡って豊臣家のために尽力した。

 北ノ庄きたのしょう城では

 「残ってる兵は如何程いかほどじゃ?」勝家は兵士に聞く。

 「三千人ぐらいかと」兵士は答えた。

 「ふ、三千人か。去る者は追わず、最後まで足掻くやつはついてこい!」勝家は去る者は追わず、二・三の丸だけに兵員を配備した。この時、去る者はいなかったと言う。。

 「兵士は竹束を盾として有効に使ってるな」秀吉は感心した。

 「感心している場合ではありません。が、そろそろ疲労が来るころ。そして夜になれば次は狼が来る。だろ?」官兵衛は果心居士に聞く。

 「お望みと有れば」果心居士は突如現れて答える。

 「果心居士までは終わるだろう」秀吉は笑ったが、勝家軍は中々退かなんだ。

 夜になると「一旦退け〜!」秀吉が激怒し「果心居士を呼べ!」秀吉は官兵衛から果心居士を呼んぶ。

 「果心居士、丑三つの時に頼んだ」官兵衛は果心居士に頼んだ。すると(ポツ、ポツ、ザー、ザー)

 「雨が降ったな」官兵衛は言うと「火縄銃を使えない今、攻めましょう」果心居士は聞いた。

 「そうだな。攻めろ」官兵衛は果心居士に言うと消える。

 すると「雨じゃな。こんな時に」勝家は落胆した。唯一の火縄銃が使えないことだ。

 そんな時ワオーン狼達に攻めて来た。

 「狼⁈この忙しい時に!殿へ報告じゃ!」兵士は狼達を追い払ったら「敵襲!」兵士は狼達と秀吉軍、両方とも戦う。

 その声は両方とも聞こえた。

 「無念じゃ」勝家は悟ったのか「退きあげよ〜!」勝家は大きな声で叫ぶ。

 そして「お市、帰るんだ」勝家は優しく言うと「嫌です。お市は浅井長政を失い、柴田勝家も失くそうとしています。もううんざりです、サルには死んでも嫌じゃ!」お市は固く拒んだ。

 秀吉も『お市様。お市様と茶茶様、初様、江様は身の安全を保証します。』送ったが、結果、茶茶、初、江は羽柴秀吉だけだった。

 「そうか。お市様は来ないのか。まぁいいかぁ〜」秀吉は子供達を見定めてペロッリと口を舐めた。

 すると「殿!火が上がっています!」兵士は叫んだが

 「自害か」秀吉は帰って行き、柴田勝家とお市は自害。

 「又左。能登国に加えて加賀国のうちの二郡を与える」

 「ハッ」

 「佐々成政。そちには越中国の支配をこれまで通り宜しく頼む」

 「ハッ」

 秀吉はさらに加賀国、能登国、越中国も平定し、前田利家には元々の領地である能登国に加えて加賀国のうちの二郡を与え、佐々成政には越中国の支配をこれまで通り安堵あんどした。

 織田信孝も自害に追い込み、やがて滝川一益も降伏。

 こうして織田家の実力者たちを葬ったことにより、秀吉は家臣第一の地位を確立する。表面上は三法師を立てながら、実質的に織田家中を差配することになった。

 そして「大坂城を造る!官兵衛、総奉行を頼めるか?」

 「お任せを!」大坂本願寺の跡地に黒田官兵衛を総奉行として大坂城を築く。

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