明智光秀本願寺反旗

 「この出陣が最後の出陣である」信長は九州の諸大名も服属すると考えたのである。

 西国への出陣のため、安土城留守衆を決めて、三十人を率いて安土城から上洛し、本願寺に滞在した。

 信長は信忠と上機嫌で雑談だった。これが信長父子にとって最後の会話となったとは誰しも知らかった。

 一方で本殿まで入るとキョロキョロと見渡し裏入り口へ入ると真っ暗闇で光秀は静かにした。

 そしたら(リーン、リーン、リーン)真っ暗闇が何とも言えない微かに風が吹く。

 「急にどうした、光秀。」何者かは言うと

 「ハッ。もし、天下人をする奴を誤ったらどうすれば良いでしょうか?」光秀は深刻に悩み込んだ。

 「何を簡単なことを」

 「ハ?」

 「殺すのよ。殺して首を見せるのだ!信長の首を!」光秀は冷ややかなあの人を見た。

 「ハハッ〜!」光秀は信長の首を掲げることを約束すると

 「ただ、信長の首を掲げる前提だからね。将軍、光秀になるには?」そう言うと消える。

 やがて夜になって

 「ハハハハ!面白いな!本因坊算砂ほんいんぼうさんさと鹿塩利賢かしおりげんは三劫さんこうとは!」信長は本因坊算砂と鹿塩利賢とが囲碁を対局を打ち引き分けだったことで感動する。

 「鹿塩利賢を三劫に追い込んだのは奇跡です」本因坊算砂は鹿塩利賢に感謝して

 「本因坊算砂を三劫に追い込んだのは奇跡ですよ」鹿塩利賢も本因坊算砂に感謝した。

 「二人共、お互いを尊敬しまうとは。ここいらで散会じゃ、面白かったぞ!」信長は散会し、眠りにつく。

 その時、光秀は早朝に桂川かつらがわへ到着すると兵士たちへ「馬の踵かかとを切り捨てること。新品の草履に履き替えること。そして鉄砲隊は打ちやすいように火縄を一尺五寸に切ること」こうして光秀率いる軍団は指示に従って本能寺へなだれ込んでいく。そう、信長に反旗を翻した。

 まさかの事態に秀吉軍の忍び・果心居士、徳川軍の忍び・望月千代女は反乱が起きたと伝えに行く。

 まず最初に気がついたのは「おい!起きろ!」弟の秀長が寝室まで来て起こしにきた。

 「何じゃ夜中に!」秀吉は寝起きで不機嫌だったが

 「よーく聞け!」秀長はまるで自分に言い聞かせる。

 「反乱じゃ!」

 「ふぇ⁈」

 「反乱じゃ!」秀長が正確に言う。

 「・・・誰じゃ?」秀吉が落ち着いて聞いた。

 「光秀じゃ!明智光秀じゃ!果心居士が烏に化けて飛んできた!」秀長が静かに言った。

 「まずい!殿、殿を護らねば!」秀吉は言う。

 「もう遅い、いいか早朝じゃ!いいか、よく聞け!今から殿はもう遅い!だが天下人になれる好機じゃ!明智光秀を討てば天下人よ!なれ、天下人になれ!」秀長も大変なテンパり様だった。

 「黙れ!殿を助ける!」秀吉は怒鳴ったが

 「果心居士の話では、こちらが殿を護るんには三十前後じゃ!明智光秀は失敗は許せない、綿密さじゃ!だから明智光秀は誰にも知られずこの様な事をして退けたんじゃ!」秀長は秀吉を肩を揺さぶった。

 「わかった。じゃが、光秀はこの様な計画を最後に認めたのは誰じゃ?」

 「わかったら苦労せんわ!」秀長は呆れる。

 「では、まずは毛利軍の降参だ。そのあとは明智光秀だ!とるぞ、天下人を!」秀吉を目が血走っていた。

 まずは官兵衛に理由を教えた。さすがの官兵衛も驚いたが、果心居士の話なので直ぐに飲み込む。

 「まずは歩兵だけ先に光秀討伐に向かわせましょう。この時は誰なのかは伏せておきましょう。そして騎馬隊はまずは清水宗治しみずむねはるの切腹を条件にして毛利輝元と講和し、そこから一気に備中から京を帰ります!」官兵衛は答え、秀吉も無言で答える。

 すぐさま清水宗治の切腹を条件にして毛利輝元と講和し、備中から京に軍を返した。

 「一気に京を取り返す!」秀吉は馬に乗り走り出した。

 「おにぎりを行く先々で用意してある!」小六は笑う。

 「何ヵ所あるんだ?」

 「七ヵ所。槍とは捨てて、京を着く頃には新しいのを買う!」小六は笑い

 「ダハハハ!ずっと走り倒しだな!いい、金の糸目をつけん、買え!」秀吉も笑う。

 少し戻り早朝、不気味なぐらい静かにだった。光秀が門を開けるまでは。

 一斉に門を囲むと「配置できました」兵士は言うと

 「やれー!」光秀は門をこじ開けた。

 (ワー、ワー)

 「敵襲だ!であえであえ!」兵士が慌てて叫んだ。

 森蘭丸は「えっ⁈それは本当ですか⁈」果心居士は聞いて直ぐに烏からすに化けて飛んでいく。森蘭丸は果心居士の愛弟子だった。

 「すぐに殿に報告を。わしは今から秀吉様に伝えに行く」

 「ハッ」森蘭丸は果心居士を見送った。

 すぐさま森蘭丸は信長へ向かう。

 「殿、敵襲です!」森蘭丸が慌てて言ったが信長は一瞬で目をギロッと開き

 「何処のどいつじゃ!」信長は急にも関わらず目を開けた。

 「それが、桔梗紋、明智光秀、桔梗紋、明智光秀!反乱です!」苦々しく森蘭丸は答える。

 「金柑頭め!槍を貸せ!」信長に森蘭丸に槍を持たせて外に出た。

 外では「信長の首を持ってこい!」光秀が吠える。

 (ワァー、ギャー)兵士達は入り乱れてた。

 「ハッ〜!」弥助やすけも素手で相手した。

 だが明らかに織田軍は不利なのがわかった。

 なんせ相手は明智光秀。すなわち過ちなどないからだ。

 そう信長は中で戦いを選んぶ。

 「ハァ!オリャャ!オィ金柑頭、お前にこの首はやれるのか?中で待ってるぞ!」「やれー!」信長は本能寺の中に入る。

 「弥助は無事か?」信長が聞く。

 「弥助は三十人ぐらい道連れにして戦死。お見事でした」森蘭丸は戦って後だろうか、斬り傷で答える。

 「そうか。弥助がかぁ〜。万策尽きたな」信長は弥助が無事ならと思い描いた。だが弥助はもう居ない。

 「金柑頭にはやりとうない!頭は渡すな!」「ハッ!」森蘭丸は返事をする。

 ここで光秀の唯一の失敗をしたのである。

 「本因坊算砂様。最後の頼みを聞いて欲しい」信長は本因坊算砂にお願いをした。

 「何なりと」

 「金柑頭にはやりとうないので首を持って出てくれないか?」

 「それは難しい。一つ目は私は本業は僧侶、首を持って出ろと言うのはどうかと。二つ目は明智光秀様がそんなにすんなりと行くかどうか」本因坊算砂は難所を示したが

 「それは大丈夫だ。本因坊算砂様が最後の頼みを断るはずがない。それに金柑頭は僧侶を斬らんのでな、ましてや本因坊算砂ほんいんぼうさんさはこの上ない棋士。やってくれるか?」

 本因坊算砂は考えたが

 「ハイ、引き受けましょう」

 信長は焼ける中で本因坊算砂言って信長は自害した。

 本因坊算砂は信長の頭部を囲碁の盤を持って見事に本願寺を逃げようとする。

 「本因坊算砂様。それは何かな?」逃げる本因坊算砂に兵士は怪しくて聞く。

 「囲碁を持って来ました」本因坊算砂は答えた。

 (ドク、ドク、ドク、ドク)本因坊算砂は兵士の顔を見なかったことが益々怪しくなった。。

 「見てもよいかな?」兵士は聞いた。というか聞かない方が無理がある。

 (ここまでか、すみません信長様)本因坊算砂はゆっくりと開けようとすると

 「信長の首を取ったぞ!」兵士は叫んだ。

 「何⁈本因坊算砂様。すみませんでした。どうぞお通りください」

 「ハッ」(ほっ)本因坊算砂は本願寺を出て御池通おいけどおりに逃げる。

 そして信長の首を掲げる者はあちこちにいて、だが信長の首は居らず「まだ見つからんか〜!信長!」光秀が叫んだ。遂に信長の首の証拠を見つけれなかったのだ。

 一方、望月千代女は「反乱です、織田信長は明智光秀により反乱です!」服部半蔵は直ちに家康に報告しにいく。

 「なんと⁈明智光秀がか⁈」家康は驚いたが、直ぐに冷静になり「ここも危のうございます!」本多忠勝も喋り「ただ何処へいったら・・・」酒井忠次らは悩んだ。

 「皆のもの、それでは目立つ。ボロボロになり破れ。そして伊賀国へ遠回しに行こう」服部半蔵は言ったが「イヤイヤ、ないです!あり得ないです!」井伊直政は断固としていいながら着替えていた。

 「忍びの里の一つですよ?」榊原康政も頷くはずがなかった。

 だが「家康様、一か八か行ってみる価値はあると思います!」徳川軍は伊賀国を抜けないといけない。伊賀国とは忍びの里の一つで服部半蔵の進言を受けた。

 「伊賀国か。よし、伊賀国を抜ける!」家康が言い切る。

 伊賀国を入ってとたん(ゾクッ)そろそろ春から夏にかけてなのに寒気がした。

 「何か見られてるような感じがする」本多忠勝がキョロキョロ周りを見た。

 一方、「これは何だ!信長も信忠も無事に難を切り抜け、難を逃れているということであり、自分も早く帰城すると記している!」大名達は光秀に問う。

 「イヤ、確かに死んでいるのです!」光秀は土下座して頼み込んだ。

 だが「じゃあ首は何処にある?信長が死んでるかわからんではないか!」と大名達は憤怒して相手にせなんだ。

 これは秀吉一派が惑わした。

 「遂に天下が転がり込んで来ましたな!」官兵衛は嬉しそうに輿こしを歩かせた。

 「まだ明智光秀を討たねばな!ダハハハ!先に行くぞ〜」馬を走らせて秀吉が笑う。

 そして「報告!秀吉軍が襲来した模様!秀吉軍が襲来した模様です!」兵士は慌てて報告にきた。

 「何故、秀吉がおるんじゃ⁈中国攻めだったはずじゃ!十日で何故これる⁈」光秀は狂って自分に怒鳴った。

 すると昼、夜と過ぎていった。 だが果心居士は夜間に狼の姿をして襲いかかる。

 (ギィャーー)(ガブッ)「そのまま勝竜寺しょうりゅうじ城を落とせ」黒田官兵衛は冷淡に言う。

 「報告。勝竜寺は夜襲を受けて見るも無惨な姿に」兵士は報告を受けた。

 「何⁈勝竜寺は猪子兵助いのこひょうすけが護ってたはずじゃ!何を受けた?」

 「それが狼とあの黒田官兵衛か⁈」光秀も知っていた。あの残虐性を。

 日が昇ると勝竜寺は光秀の見える位置に猪子兵助らの首を飾ってあった。

 「何と惨い。裏切り者は容赦なしか」光秀は冷や汗を流した。

 そしてついに山崎やまさきの戦いが始まる。

 まず秀吉は信長の三男・信孝を総大将とし「今回の戦いは、逆賊明智光秀を討つための義戦である!かかれー!」秀吉は(ワォーン)果心居士は合図を出す。

 一斉に秀吉軍は逆賊明智光秀軍にかかって行った。 

 「よくやった官兵衛!」秀吉は官兵衛の輿から褒め称える。

 「ハッ」

 「官兵衛、どうした?」秀吉は空を見上げた。

 すると(ポツポツ、ザー、ザー)雨が降ってきた。

 「フ。降って来ましたね?雨」官兵衛は笑いながら秀吉に言う。

 「桶狭間に敗れた今川義元、平泉寺に敗れた朝倉義景、小谷城の浅井長政。いつも雨じゃったな〜」雨を降ってる中、秀吉は信長と馬を駆け回った日々を懐かしく想い浸るのであった。

 「想いを浸るのは後でしましょう」官兵衛は冷静になって

 「火縄銃を使えない今、総攻撃をやりましょう。ここは京。桶狭間ではありません」官兵衛はニヤリと笑い

 「ここは桶狭間じゃないか。そうだ!これより総攻撃を行う!」秀吉は総攻撃に転じる。

 「こちらも行きます」官兵衛は言い

 「行くぞー!」

 「ハッ!」官兵衛と中川清秀なかがわきよひで・神子田正治みこだまさはる隊への攻撃が始まる。

 「我が隊も出ます」

 「頼む。出来るだけ光秀を掻き回してやれ」

 「ハッ。行くぞ!」果心居士らは狼に化けて襲う。

 向こう側では「報告!向こう側の先鋒の黒田官兵衛・中川清秀・神子田正治隊と先鋒の並河易家なびかやすいえ・松田政近まつだまさちか隊とぶつかりましたが・・・」兵士は報告する。

 「黒田官兵衛か〜。

 ん⁈ぶつかりましたがだと⁈」光秀はすぐさま兵士の方へ向いて

 「ハッ。先鋒は狼の群れに遭い、そのうちに先鋒の黒田官兵衛・中川清秀・神子田正治隊によって壊滅。そこから三方向に分けてさらに進行中!」兵士は報告する。

 「クッソ!サルめ!」光秀は怒ったが、さらに「報告!」別の報告が入った。

 「なんだー!」光秀は吠えたが

 「三方向も止め切れずに、また合体して副将斎藤利三さいとうとしみつ様の奮戦にもかかわらず、殉死した模様!」兵士は慌てて報告した。

 秀吉本隊の大軍が山崎の隘路あいろより殺到したため、兵力、士気ともに勝る秀吉軍が光秀軍を圧倒し、光秀軍は副将斎藤利三の奮戦にもかかわらず、たちまち総崩れとなる。

 光秀に挑み、山崎の戦いで光秀軍に勝利する。

 「退くぞ!クソサル!覚えておけ!」光秀は退く。

 息を切らしながら光秀は山を登って行った。

 「数はどれくらいじゃ?」光秀は聞く。

 「三十程です。秀吉軍は然程ですが狼の群れで四六時中襲ってきます!」兵士はボロボロになって答えた。

 「あの狼。秀吉軍を援護しておらんか?」光秀は聞く。

 「そのようなことはできるはずがないです、狼が秀吉軍を援護したとかは。」兵士は答えたが

 「イヤ、ある!S級と言われる」は言ったところ(ドスッ)光秀は農民達に血がドクドクと流れ出た。

 「フフフ、農民達にやられるなんて」農民達はクスクスと笑っていき光秀軍はやられてしまう。

 「農民の筈がない、誰だ!」光秀は肩で息をしていた。

 「何でもいいだろ?」農民達はとどめを刺しにいく。

 「忍びかっ!」光秀は胸を四方八方飛び掛かってきた。

 「正解」忍び達は言う。

 (ドスッ、ドスッ、ドスッ)果心居士らは光秀らを残らず葬った。

 (バサッ、バサッ)果心居士は飛ん立つ。

 (カァー、カァー、バサッ、バサッ)「終わりました」果心居士は烏から変わり首を持ち帰った。

 「おぅおぅ。光秀。この様な形になって」秀吉は光秀の首を持ってニヤニヤした。

 「殿。好機を逃しなさんな。殿は今、天下人の有力候補」官兵衛は真剣に秀吉に言う。

 「あぁ〜、天下人を取るぞ!」秀吉は全員に宣言をした。

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