第四次信長包囲網

 信玄は遠江国へ駒を進める。

 「やれ」

 (ワー、ワー)武田軍は一気に攻め「まだまだ行くぞ!」遠江国を落としてから進んだ、だが「グフグフ、グフグフ」信玄は咳き込んだ。

 「大丈夫ですか⁈」唐沢玄蕃は一旦馬をやめて信玄に駆け寄った。

 「グフグフ、大丈夫だ。先へ進め。グフグフ⁈」

 「信玄様⁈」

 この為、武田軍は一旦止まったが、信玄は治らない。むしろ日が経つにつれ信玄はもうダメだと思う。

 「信玄様〜!」唐沢玄蕃は一瞬、毒薬ならいつの間にかいない加藤段蔵かと思う。だが加藤段蔵なら一発で死亡する。

 けどこの毒薬はじわじわ効いきいてくる、謎だった。

 実はこの正体はなんと日秀だった。

 まさかの秀吉一派だった。忘れてはいないだろうか、元は秀吉一派も忍びだった。

 「もし、武田軍が動くようならば武田信玄暗殺するように。」秀吉が万が一に備え信玄は毒薬を使い暗殺を命じてた。

 この日秀の下忍が毒を入れるなんて誰も思っていなかったのだ。

 信玄の『人こそ国を守る城であり、石垣であり、堀である。人には情を持って接し、思いやりのないやり方を避けよ。』

 『強い意志を持って取り組めば必ず実現できる。一方、取り組まなければ何事も実現できない。努力すればできることであっても、最初から無理だと諦めてしまうところに、人の弱さがあるのだ。』これを忠実に実行した者がいた。そう上杉謙信、織田信長、羽柴秀吉、徳川家康だけだった。

 その信玄の急死により、武田軍は甲斐に退却。

 すると「信玄の暗殺を成功した」日秀は急いで駆けつけた。

 「何⁈」秀吉も驚く。

 「水をちょうだい」(ゴキュ、ゴキュ)「あぁ〜生き返ったぁ〜!信玄を暗殺に成功した。暗殺までは長い長い道のり。武田軍のくノ一部隊はやばいよ?もうヤダ」日秀はゴロンと仰向けに寝転んだが笑顔だった。

 「ようやった。殿に言わねば」秀吉は日秀を(ポン、ポン)と労ねぎらい急いで馬を乗り込んで信長に走っていく。

 「殿!信玄は暗殺に成功したようです〜!」秀吉が遠くから叫び高笑いした。

 「信玄は死んだがまだ勝頼がおる。だがもうすぐ終わる」信長は不気味な笑いをした。

 「だが、よくやったサル!天晴れよ!」信長は秀吉を褒めた。

 「ハッハ〜!」

 こちらは望月千代女も果心居士に伝える。

 「何⁈信玄が死んだだと⁈」果心居士は答える。

 「えぇ。それも秀吉一派よ。日秀とか言ったかな?」

 「秀吉一派?もともと下忍は興味がないからな」

 「確かに。下忍に武田信玄がやられるとはね。S級の忍びなら唐沢玄蕃と加藤段蔵は強いけど、下忍は抜け穴かも」望月千代女は伝えると消えた。

 そしたらすぐさま武田信玄謎の死が回った。

 「戒厳令を破ったのは誰じゃ!」躑躅ヶ崎つつじがさき館に戻った武田勝頼たけだかつよりは幹部達に起こり散らしたが、これは日秀が起こしたものだったが勝頼は知る由なかった。

 しかし武田軍の情報が漏れないというのが初めて洩もれ始めた。

 「なんじゃ?」信長は胡座をかいて聞く。

 「ハッ。細川藤孝ほそかわふじたか他幕臣は織田信長様に着きまする」

 細川藤孝ら多くの幕臣が京都に残り信長側に転じた。

 「あい、わかった。光秀。京の組織を纏まとめろ」

 「ハッ」

 これらの旧幕臣は、光秀の与力となり、室町幕府の組織を引き継ぐ形で京での支配に携わることとなる。

 さらに「浅井長政は終わりじゃ!なんなら信長様にわしから言うたる!どうじゃ、こちらへ寝返るというのは」秀吉が言うと

 「うーん。わかった。しかし、こちらの兵は寝返りではなく、降参しよう。それでどうですか?」浅井家の武将・阿閉貞征あつじさだゆきが提案。

 「いい、いい。わかった」秀吉は素通りをし、急遽きゅうきょ、信長は三万人の軍勢を率いて北近江へ出兵。

 山本山やまもとやま・月ガ瀬つきがせ・焼尾しょうびの砦とりでを降して、小谷おだにじょう城の包囲の環かんを縮めちぢめた。

 「サル!よくやった!」

 「ハッハ〜。これで包囲しました」

 「さぁ、どうてる?」信長は秀吉に酒を注いでもらい小谷城の包囲を楽しんでいた。

 これを密偵をしていた朝倉義景は「まずい!救援だ、準備をせい!」「ハッ!」

 十日に越前から朝倉軍が救援に出陣してきたが、雨風で油断しているところを夜に信長自身が奇襲して撃破。

 「サル!まるで桶狭間よの!」信長が言うと「イヤイヤ、桶狭間はもっと酷かったー!」秀吉は笑ったい信長も高笑いだった。

 『烏の術』烏達は飛び立ち「行けー!」信長自身叫んだ。

 大将に先を越されたと焦った諸将は敗走する朝倉軍を追撃し、敦賀を経由して越前国に侵攻。

 これらの城を捨てて一乗谷いちじょうたに城に逃げ込んだ朝倉軍は、刀根坂の戦いとねざかのたたかいでも敗れ、一乗谷城をも捨てて平泉寺へいせんじに逃げる。

 「クッソ!信長め〜!平泉寺を一旦休憩しましょう。茶を入れまする」

 「そうか。すまんな」朝倉義景は朝倉景鏡あさくらかげあきらは一旦部屋を後にした。

 違う部屋へ入り「朝倉義景はダメじゃないのか?」僧兵は聞いたら

 「ふぅ〜。よし行くか!」

 平泉寺の僧兵と一族の朝倉景鏡に

 (バンッ!)いきなり戸を開けて「何奴⁈」景鏡はビックリした。というのも「最後は自刃しなさい」景鏡に裏切られたことだ。義景は自刃して景鏡は義景の首級を持って降参。

 そして信長は「御免!」丹羽長秀に命じて朝倉家の世子・愛王丸を探して殺害させ、義景の首は「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」長谷川宗仁に命じて京で晒し首とされた。

 後、取って返して全軍を浅井軍に向けた。

 「長政〜、長政〜、長政!目に物を見せてやる!」信長は総攻撃を出した。

 「信長様はお怒りじゃ!浅井長政の首を取ろうぞ!」柴田勝家は吠えると

 (オー!首を取るぞ!)織田軍は怒り狂って攻めてきた。

 「攻めてきたぞ。こちらは守るぞ!」浅井長政も必死に守った。

 一方反対側は夜に動いた。

 『人狼の術』果心居士らは何千と言う狼の群れが出来上がった。

 城から出て辺りを警戒した兵士が「・・・ん⁈あれはなんだ?・・狼⁈一、十、百、千、狼の群れだ!狼の群れだー!」

 (ワォーン)狼の群れが襲い掛かる。

 (ギィャーー、ギィャーー!)浅井軍は果心居士ら、狼の群れに襲いかかった。

 すると、織田軍の本体はというと夜襲を掛けくる。

 そう、果心居士は『人狼の術』で聞いていたのだ。夜襲をかけるっと。

 「どうなっておるんじゃ?」長政は動揺した。

 「夜襲です。前からは織田軍、後ろからは狼の大群です」

 「狼だと⁈構うな!織田軍を討て!」長政は織田軍を狙った。

 だが浅井軍は織田軍と果心居士らによって、一方的に勢力範囲を削られるのみであった。

 「クッソ、囲まれたな。退けー!」長政ながまさは苦々しく退く。

 そして、ついに本拠の小谷城が織田おだ軍に囲まれる。信長のぶながは秀吉を送った。

 「お市様、浅井長政は終わりです。どうか賢明の判断を」秀吉は浅井長政が居る前で笑顔だった。

 「イヤです!イヤです父上!」長政の初と江は拒んだが茶茶はこれが父上との別れと知っていた。涙を溢れまいと拭いた。

 「お市、すまない」長政は肩を持ってたが

 「あなたのことを娘達は誇りに思ってます」お市は長政と抱き合った。

 「茶茶、初、江、達者でな」長政が詫びると秀吉に会釈した。

 「では。さぁさぁ」秀吉はお市、茶茶、初、江を連れて出て行った。

 「さぁ、織田信長。勝負じゃ!」

 だが「やれ、焼き討ちよ!」信長は秀吉に言って

 「ハッ!焼き討ちじゃ〜!」

 秀吉の一方的な攻撃によって小谷城の京極丸が陥落した。  「無念じゃ」翌日に浅井久政が自刃。

 「信長、地獄で待っておる」本丸も陥落して、浅井長政も自害。

 (カァー、カァー)

 「信長様に逆らったら晒し首じゃ。」

 信長は久政・長政親子の首も京で晒し首とし、長政の十歳の嫡男・万福丸まんぷくまるを捜した。

 「万福丸様!お逃げ・・・」(ドスッ)「見つけたぞ!」侍女は殺され小六達が見つけ出した。

 万福丸は、関ヶ原で磔とした。

 「よし、次は伊勢長島に行く!サルはここで武田勝頼を見張れ」

 「ハッ」

 「滝川一益はわしにつけ!」

 「ハッ!」

 「行くぞ〜!」

 信長は尾張・美濃・伊勢の軍勢を中心とした三万人の軍勢を率いて、伊勢長島に行軍。

 「ここは信長について行こうか?」果心居士は『烏の術』を使って(バサッ、バサッ)飛んだ。

 織田軍は滝川一益らの活躍で半月ほどの間に長島周辺の敵城を次々と落とした。

 「ほぅ、やるな滝川一益。織田軍は戦力が凄いな」果心居士は感心した。織田軍は羽柴秀吉、柴田勝家、丹羽長秀、前田利家、滝川一益、そして明智光秀と軍隊がいたのだ。

 「ここよな。此処こそが織田信長の革命よ。農民と兼用じゃなくて専属の兵隊だった」果心居士は烏になってまた飛び立つ。

 佐久間信盛ら信長方の軍勢が、三好義継への攻撃を開始。

 「勝てると思うか?」佐久間信盛は聞く。

 「酷い殺し方したくないだろ?三好義継を殺してくれたら信長様から佐久間信盛直属の三人衆を部下に呼ぶようにしてやる!」」佐久間信盛は言う。この男も、実は下忍びである。

 「義継は反旗をする!かかれー!」義継の家老・若江三人衆らによる裏切りで義継はに自害する。

 大和国の松永久秀も多聞山城は引き籠った。

 「殿。降参するには古天明平蜘蛛こてんみょうひらぐもを差し出せば命は免除するそうです」

 「何⁈古天明平蜘蛛を差し出せと?」

 「好機です!殿の首を差し出さなくていい代わり、古天明平蜘蛛を差し出すのです!」

 「馬鹿者!古天明平蜘蛛とわれらの首と二つは。粉々に打ち壊すことにする!」松永久秀は断固とした。

 「おのれ〜!人質となってる久秀の孫ら二人を斬れ!」信長は激怒した。

 そして信長を信貴山しぎさん城を防戦した。

 「サルを呼べ!」信長は秀吉を呼ぶ。

 「殿が秀吉様を呼ぶようにと」伝令が秀吉を呼んだ。

 「はぁ?今休憩だぞ?」秀吉は明らかに嫌そうだったが

 「殿が呼んでるんで」

 すぐさま秀吉は飛んできた。

 「ハッ。秀吉が来ました」ぶすーと拗すねたが、信長はすぐ「サル、佐久間信盛、明智光秀で攻めよ!」それぞれの攻め口を指示し、夜になって信貴山城を攻めた。

 松永久秀は防戦したが、弓が折れ、矢が尽きると「おのれ〜、信長に古天明平蜘蛛をやるぐらいなら粉々になるわ!」天主に火をつけ、焼身自殺した。

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