第三次信長包囲網

 この頃、信長は足利義昭の命で武田・上杉間の調停を行っており、信長と武田の関係は良好であったが、信長の同盟相手である徳川領への侵攻は事前通告なしで行われた。

 「オィ、行くぞ!」信玄が言うと「ハッ!いつでも」唐沢玄蕃は答えた。加藤段蔵と唐沢玄蕃、は武田信玄の部下である。

 「出陣じゃ!」「オー!」地鳴りの音だった。

 次々と落としていきその落とて徳川家が気がつくのが遅かった。

 「何⁈武田信玄が既に落としていってるだと⁈」徳川家康は驚く。

 「ハッ!武田信玄が攻めてきてます!ただ武田軍は謎でして・・・」望月千代女は服部半蔵はっとりはんぞうにこの情報を伝えた。望月千代女は服部半蔵の部下である。

 「まさかこちらの情報網が抜けるなんて。ただでさえ二人のS級、加藤段蔵と唐沢玄蕃がいるから要注意だったのに」望月千代女は服部半蔵へ伝えてから戻る。

 そう、武田軍は兵は屈強、忍びは何十人、何百人わからない程だった。ただ情報が漏れないことで有名だった。

 「事前通告なしに〜!撃って参る!出陣じゃー!」家康は叫ぶ。

 「徳川軍と武田軍。武田軍といえば」「加藤段蔵と唐沢玄蕃、やんなっちゃう」果心居士は聞くと望月千代女が答える。

 「しばらくはお別れだな」果心居士は言うと「元カノに言う?」望月千代女は指を咥えてたが「あのな〜、誰が元カノじゃ。こっち側も忙しそうでな」果心居士は去った。

 「あーぁ。言っちゃった。では行くよ?」

 「ハッ!」

 「次は加藤段蔵と唐沢玄蕃よ!」望月千代女とくノ一達は武田軍、曳いては加藤段蔵と唐沢玄蕃に向かう。

 すると今度は三好義継・松永久秀と信長に敵対。

 「おのれ!三好義継・松永久秀!」信長は血管が浮き出そうになった。

 だがこの時まだまだ不気味に流れた。

 「ぉええ〜苦しい、誰か、誰かぁ〜」織田軍であった岩村いわむら城が開城し、武田軍に占拠された。病死し武田軍に転じた。

 「よくやった、二人共」山本勘助は唐沢玄蕃と加藤段蔵は褒め称えた。

 「序の口です」唐沢玄蕃は言い

 「もっと強い人がいいな、次からは」加藤段蔵も言ったが

 「お主らは相手にしようなら並の忍び十人は居る。さぁ行こうか?」山本勘助は加藤段蔵と唐沢玄蕃を引き連れて次の場所を狙う。

 一歩遅かった秀吉は「これは忍びではないのか?」「おそらく忍びだ!武田軍のな!だが何をやったのやら」小六は悔しそうに言う。

 「あの野郎、毒をもりやがったな。加藤段蔵!あいつは人が次々と消えるからな」果心居士は『烏の術』から飛び立つ。

 そしたら今度は、徳川領において徳川軍が一言坂の戦いひとことざかのたたかいで武田軍に敗退し、さらに遠江国とおとうみのくにの二俣ふたまた城が開城・降伏により不利な戦況となる。

 「くっそ、もっと援軍を寄越しなさいよ!」望月千代女は吠えた。

 「ハハハハ!なんだこんなもんか?」唐沢玄蕃は言い「逃さんわ!」加藤段蔵は『魔幻まげんの術』何と味方自身争っていた。

 「何をやってる⁈」望月千代女以外はなんと仲間同士戦っているのだ。

 (スゥーー)望月千代女は大きく息を吸い込んで(ドゴーン)と出来るだけ拳に放った。

 放った勢いで『魔幻の術』も解けて

 「よし。退くわよ。」望月千代女はくノ一達も退く。

 すぐさま加藤段蔵はやってきて「あの怪力は文字通りの化け物やぞ」すぐに消えた。

 これに対して信長は、家康に佐久間信盛さくまのぶもり・平手汎秀ひらてひろひでら三千人の援軍を送る。

 だが「降伏せよ!今なら馬場信春、仲裁になる!」馬場信春は降伏を進める。

 「どうじゃ?」横に並んで信玄は聞く。

 「どうやら意思はないそうですな!どうやら相手の忍びは楽しめそうですな!」信春は籠城してる軍を観て言う。

 「じゃあ趣向を変えよう。本意ではないがな!」信玄は忍びに何か伝えているらしい。

 「よーし、いくぜ。せーのーで!」唐沢玄蕃は信玄は大量の筏いかだを作らせて天竜川てんりゅうがわの上流から流させ、筏を井戸櫓いのくるわやぐらの柱に激突させて破壊するという策略を実行した。

 この作戦は成功し、大量の筏に激突された井戸櫓の柱はへし折れて崩れ落ちてしまい、水の手は絶たれた。

 「殿。大量の筏に激突された井戸櫓の柱は崩れ落ちてしまいました」唐沢玄蕃は崩れ落ちるのを見ながら信玄に報告。

 「ご苦労。もう一度開城を迫ってみようか?」

 「殿は鬼なのか仏なのか」唐沢玄蕃は嫌みたらしく、信玄は水の手を絶った上で、開城を迫った。

 徳川軍の中根正照は万一に備えて桶に雨水を貯めるなどの工夫もしていたのだが、千二百人もの人数にいつまでも持つわけがなく、そのため正照は信玄に降伏・開城して浜松はままつ城に逃走した。こうして、二俣城は武田軍に攻略されたのである。

 「開け!敗走を見逃しといてやれ!」信玄は見逃した。これにより十程の城を明け渡した。

 結果、三方ヶ原みかたがはらの戦いで織田・徳川連合軍は武田軍に敗退。

 「おのれ〜唐沢玄蕃」果心居士は悔しそうに言う。

 その時「あぁー、生きてたわー」望月千代女は死にそうになってた。

 「誰にやられた⁈」

 「加藤段蔵」

 「あやつか。あやつはS級でも飛び抜けておるからな」

 「あいつ味方同士を斬り合う術を持ってるらしい」望月千代女はくノ一に包帯をしてもらいながら言う。

 「らしい?」

 「そう」

 「らしいって術を見なかったのか?」

 「音の術っぽいってことだけ。遠くからの幻術よ。それでそっちは唐沢玄蕃?」望月千代女はくノ一に包帯を巻けてた。

 「あぁ。なんの忍術かがわからん」

 「あんたのの殿様、お怒りじゃないかしら?」忍びから望月千代女の包帯をもらって言う。

 その時「信玄め〜!事前通告なしに!ボキッ!」信長は扇子を折った。

 一方で「武田信玄を攻めおったわ!よし、ここで息の根をとめるのじゃ!」

  こうした武田軍の進軍を観て、足利義昭が信長との決別を選び、信長と敵対したのだ。

 「〜ぅお、おのれ〜義昭〜!」信長は怒りではち切れそうになった。

 「殿!一旦は和睦で!争いはなりません!」光秀は必死に止めたが

 「何故奴を止めるのじゃ〜!」(ドゴッ、ドゴッ、バキ)

 「はぁ〜。勝手にせぇ!」信長はちょっと怒りを光秀にぶつけて上手く納めた。

 それを近くから見ていた果心居士の『烏の術』からは不穏な空間を見ていたが気のせいだと飛び立つ。

 信長は岐阜から京都に向かって進軍し

 「やれ」信長が声をかけた。

 (ピュン、ピュン)火矢があちこちの村が焼けた。

 それを上京を焼き討ちちしつつ、義昭との和睦を計ったが

 「イヤじゃ!和睦はせんぞ!」義昭は断固として断った。

 「このままでは民は死んでいきます」家臣は言ったが

 「民などど知るもんか!将軍だぞ!兵士を大量に送れ!」義昭は断固とせなんだ。

 「天皇からの勅命です!」

 「くっそ〜!」義昭と信長はこれを受け入れて和睦。

 一方で織田軍の伊勢(忍びの里)に行軍したが

 「何をされますか、滝川一益様。ここには食べ物やらが少ししかないです。お引き取りを」伊勢の長老が聞く。

 「白々しい程にも程がある。殺気が渦巻いてるわ」滝川一益は「やれ」というと急に伊勢忍軍が現れた。

 「やれやれ。大人しく引き下がれば良いものを。やれ」長老も戦ったが

 (ガギーン、バンッ、バンッ)と忍びの頭部だけを帰ってきた。

 「忍びと侍の合わせ技よ」一益も元忍びだったのだ。

 「おのれ〜!」伊勢忍軍は戦ったが次々と(バンッ、バンッ)と一益と火縄銃の餌食となって壊滅。

 その後、信長のぶなが軍が北近江に来襲らいしゅう。

 浅井長政は朝倉義景に援軍を要請、義景は軍勢を率い、近江に駆けつけた。信長との正面衝突にはならず睨み合いが続いたが、浅井・朝倉連合軍は織田軍に数で劣っていく。

 「なかなか敵さんもしぶといなぁ」天晴の舞を踊って秀吉が言う。

 「ぬう〜、誰か援軍を待ってるかも知れんなぁ〜、もしや武田たけだか!」まさかっていう顔で小六と踊っておった秀吉がピタッと止まった。

 「そうかもしれませんね。こっちも数の上では有利だと思いますが、地理上は不利です」竹中半兵衛は答える。

 「そうなのか?」

 「これは上流と下流があります。そしてこちらが下流ですから深い上流にする場合、最低でも倍の兵力がいることになります」黒田官兵衛は答えた。

 「じゃあ、結局信長様しだいか」秀吉は爪を噛んでイライラした。

 一方、浅井側は信玄の忍び加藤段蔵に「少し待って欲しい。そしたら『武田軍の真髄しんずいを見せてやる』と信玄様は言ってました。」不気味に笑う。

 「おぉ〜。信玄様は来てくれるのか⁈織田・徳川連合軍に武田軍の真髄を見せてやってくれ」浅井長政は喜びさらに

 「武田様はまもなく来てくれるぞ〜!このまま守るぞ!」朝倉義景は檄を飛ばし士気をあげた。

 「おぉ〜。これだけ士気が高ければ間違えなく持ち堪えます。では」加藤段蔵は消える。

 その後、信玄は遠江国で織田・徳川連合軍を撃破し、三河に進んだ。

 「フハハハ、徳川軍引いていくわ」信玄と「第二陣行きます!」唐沢玄蕃は笑う。

 「あっちの織田・徳川連合軍は上手くいってますか?」唐沢玄蕃は聞くと

 「あっちは加藤段蔵を飛ばしておる。あの地形だと竹中半兵衛と黒田官兵衛は攻めてこれんだろうな?ここで攻めてくればそこまでよ」信玄は(フンッ)と鳴らしてゆっくりと馬を進めた。

 その時「クソッ!」くノ一から望月千代女また包帯をもらって治療した。

 「退くよ!」包帯を巻き終わったら望月千代女の消えていった。

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