第4話 陰キャ狩り狩り!痛覚1000兆倍の悪夢!

「ちゅっ…♡」

俺は唇に何かの感触を感じながら目を覚ました。

「えへへ、お兄ちゃんおはよう!今日も朝ごはん作ったから食べてね!」

「ああ、おはよう、ソインちゃん。君が毎日おいしく作ってくれるおかげで朝起きるのが楽しみになったよ、絶対あり得ないと思ってたのに…」

「えへへ…嬉しいな、お口開けて?あーん…」

「むぐむぐ」

「ねぇねぇ今日はとこに遊びに行く?お兄ちゃんの好きなものってどれも楽しいから色んな事知りたいな!前言ってたゆうえんちって所も行ってみたいなぁ…お兄ちゃんと一緒だから楽しいっていうのもあるよね?」

「ちょっといい?」

「なぁに?」

「僕の好きな遊びや場所を気に入ってくれたのは嬉しいけどさ。遊んでばっかで修行した覚えないんだけど。学校も当面休みだしそのくらい付き合うよ?」

「え?お兄ちゃん覚えてないかな。重りの腕輪渡したでしょ?」

「え、でも全然重くないし負担にはならなかったよ。修行ってもっと無理するもんじゃ…」

「やっぱり気づいてないんだね、ちょっと重り外してみて?」

「わ、分かったよ…あれ!?体が軽いぞ!?大した事はしてないはずなのに…」

「この腕輪は天界で作られた特殊性でね?ちょっとずつ重量負荷を所持者に与える事ができるんだ。もうゴブリン如き敵じゃないんじゃないかな?」

「修行ってこんな簡単でいいのか?僕まったく苦労してないぞ?」

「そんな事ないよ、お兄ちゃんは…いいや皆は「生きる事」を頑張ってるんだ」

「生きてるだけでもきつい事はたくさんあるのにゴブリンの嫌がらせを受けても尚立ち上がり生き続ける事を選んでいるんだ。それが頑張るって事なんだ」

「それにただでさえ頑張ってるのに悪意に晒された人間が強くなる為に改善する為に無理したら壊れちゃうよ!だから必要なのは無理の仕方じゃ無くて無理せず強くなるやり方なんだよ?」

「ソインちゃん…それもそうだね、ありがとう。疑問も解決したし、今日はパトロールがてら遊園地にいこうか」

「ホント!?やったぁ!」


賑わう遊園地の中で何かを企んでいる陽キャ達がいた。

「お前ら、陰キャ達が人間様に何してきたか教えろ!」

「おれの弟はきもいオタクの悪口を言っただけでミンチにされて殺された…まだ小学生だったんだぞ!気持ち悪いのも臭うのも事実だろうが!(弟の激臭が相手にうつった事で勘違いしただけで冤罪です)」

「今日みたいに家族で遊園地に来ていた日だった…虐めの復讐だのなんだのと言いがかりを付けられ目の前で妻と息子は頭を砕かれた!同じ人間だとは思えねぇよ!なんで平然と生きてられんだ!?」

「そうだ!なぜ陰キャ共はクズの癖に生きていられるのか!その原因を突き止めた!」

「その写真は…天使!?」

「見た事あるぞ、陰キャの元へ舞い降りて小説みてぇなヨイショをするんだ、オタクの願望みてぇで寒気がしたぜ」

「綺麗な姿かもしれないが列記とした化け物だ。

なんせ陰キャに人の殺し方を教えた張本人なんだからな。鍛えられた陰キャはそう簡単には殺せない。調査を頼んだ探偵も消息不明だ。このままじゃこの世界は陰キャに嫌われるだけで命と人権が失われる世界になるぞ…まかり通ると思うか?お前ら」

「許されるわけがねぇだろ!」

「俺達は陰キャを殺し尽くす為に集まったんだ!早く殺させてくれ!」

「陰キャの癖に生まれてきてごめんなさいって言わせてやる!武器は持ったな!?」

「汚物は何の罪もない(思い上がり)人間を天使の教唆によって散々殺しておいて美少女に甘やかされる毎日を送っているそうだ。遊園地で陰キャ狩りをするのもデートの場所としてうってつけだからだ!皆で力を合わせて陰キャを殲滅し…びょびょびょびょょよよよよよよよよよわよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ〜〜よよよよよよよよ!!!」

男は急におかしくなり帽子を投げ捨てた。

「なんで…なんで頭に大量のムカデが刺さってんだよ!?」

「無駄な努力ご苦労様!ヴィオちゃん登場!」

「何だお前は!?天使!?」

「勝郎になにしたんだよ!?」

「君達が陰キャって呼んでる人って何か悪い事をしたの?」

「な、何を言って」

「答えられないなら君達の友達と家族を拷問していくね?さっき攫ってきたよ!」

「いやっ!やめてえええええええ!!!!」

「久子!!!!!???待ってくれ!言うからさぁ!やった!やったんだよ!ゴミ陰キャ共は余りにも気持ち悪すぎるから関わらなかったのになぜかあいつらが被害妄想で襲いかかってきて最愛の息子を殺されたんだよ!ほら!言ったんだから返してくれ!」

「黙れ」

「!?」

「いっけなーい!ヴィオちゃんたらうっかりかわいくない事いっちゃったー!でも仕方ないよね」

明るい態度から一変険しい表情になる。

「龍くんの仇なんだから」

「は?確かに教師だった俺は厄介事を起こし続けるあいつを関わりたくもないのに我慢して注意してやった。でもそれだけだ!俺は何の罪も…」

「事実を隠蔽されて罪を擦り付けられてたんだよこのゲス野郎!【ペインバースト】【アンデッドカース】」

「主犯はてめぇだけど全員クズゴブリンだし纏めて潰しちゃっていいよね?感じる痛みを1000兆倍にしたよ!」

「殺される…逃げねぇと…」

ヴィオは弓矢を生成して攻撃した

「最近考えた戦術を試して見ようかな?それ!」

「お!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

男は倒れたが治療されて意識を取り戻した。

「【ヒーリング】さすがにこの倍率だと死ぬんだけど呪いで死ねないし気絶しても治療するから」

「ひ…ひぃい!!!」

「それと…助かりたいって言うなら一度だけチャンスをあげるね?」

「人質を拷問する事を許可してあげるから好きなだけぐちゃぐちゃにしていいよ。適当に回復していくからいくらでも続けれるよ?私が満足したら。てめぇらは全員無事に(土に)還してやる。ヴィオちゃん優しいでしょ〜?」

「あ、悪魔だ…」

「警察は!警察はこねぇのかよ!」

「【テレポート】」

ひゅーーーん、ぐちゃ

ヴィオは周辺の警察官を大空へと転移させた。

当然後は落下死するだけである。

「警察ならここでーす!こっここっこー!」

「終わりだ…俺達に救いはないんだ!バカのせいで…陰キャの癖にのうのうと生まれてきやがって!陰キャとして生まれてきたのならすぐに自殺してくれ!存在自体が迷惑なんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

「【ブレインコントロール】」

「黙らなくていい、でも地獄を見せる」

ゴブリンの元に大量の虫がたかってきた。

「ほぎゃあああああああああああ!!!!!!!やめれえええええええええ!!!!!!!!!!!」

「ただ痛くて怖いだけじゃない…完全に支配したんだよ。思考の主導権はてめぇのままね」

「がああああああああああああああ!!!がああああああああああああああああ!!!!!!!!」

「それじゃあ大好きな妻を拷問してもらいまーす!」

「びゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!びゃああああああああああああああああああ!!!!!」

激痛と虫責めで意識を手放す度に治療され復帰し最愛の妻を拷問するゴブリン。

「連帯責任って事にしよっか?てめぇらにも同じ思いをしてもらうね?」

地獄が始まった。


数時間後。


「ふぅ…飽きちゃった」

拷問にも飽きゴブリンを皆殺しにしたヴィオ。

「龍くん、今更仇を取っても遅いよね?守れなくてごめんね…お姉ちゃんこんな世界で生きたくないよ。すぐ君の所に」

「大丈夫ですか!?」

「ヴィオちゃん?」

そこに現れたのはコノエとソインだった。

「止めないで!私はゴブリンに大好きな龍くんを殺されたの!」

「待って!じゃあ…じゃあさ!生き返らせたら…生きてくれるよね?」

「いくら強くなっても僕にそんな事は…」

「このペンダントには魔力が籠もってるんだよ?お兄ちゃんがくれたんだ」

ソインがペンダントを握ると輝きを放つと同時に割れた。

「あれ…?ぼくは…」

「龍くん!?」

「わわっ!ヴィオさん!?」

ヴィオは蘇生した龍を抱きしめた。

「助けてあげられなくてごめんね?許せないなら私の事殺していいからね!?」

「とんでもないです!ぼくの事を人間として愛してくれたのはヴィオさんだけですから!嫌うわけありませんよ!大好きです!」

「龍くん…」

(お兄ちゃん、早くいこっか?)

(そうだね)


「このぽっぷこーんってたべものすっごくおいしいねー!わたしハマっちゃった!」

「ペンダントだけどさ、大事なものなんだろ?壊しちゃってよかったのか?」

「もちろんお兄ちゃんのプレゼントは大切だけど人の命の方が大事だよ!それに…助ける事でお兄ちゃんに褒めて貰える事の方がよっぽど嬉しい!」

「咄嗟のことで褒められてなかったな。悪いな。人助けできて偉いぞ、ソインちゃん。頭撫でてやる」

「えへへ〜」

その後もヴィオによってゴブリンが殲滅された遊園地で楽しく遊んだ2人なのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る