キャラ設定の項目はこれです!

 作品にメインで登場するキャラクターの人数は、何人くらいがよいのでしょうね。ちょっと考えてみましょうか。


 想定する作品の長さにもよりますよね。短編(~2万字)であれば、主人公含め2人で十分な気がします。内容によっては主人公1人だけでも成立するかもしれませんね。


 もちろん3人以上のメインキャラがいてもよいのでしょうが、文字数の少ない短編では、まとめるのに技量が必要だと思います。これから書き始める初心者様は、2人前後を意識してみてはどうでしょうか。



 長編(10万字~)の場合はどうでしょう。コンテストと相性のいい10万字ちょいの作品を想定して考えますね。


 結論から申し上げますと、僕のおすすめは主人公含め5人前後です。もっと大勢書きたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、長編の場合もやはり、大風呂敷を広げるのはリスクが大きいと考えます。



 僕の失敗談をさせてください。作品を書く前、僕は構想などろくにしませんでした。自分は天才だ――。設計図などなくても書けるという、根拠のない自信だけが先行していたのです。


 そんな僕がとりあえず考えたヒロインは10人。『作品全体でヒロイン10人は出したいですね』と、初期の近況ノートでも考えなしに語っています。1章につき1ヒロインのペースで出していきました。


 するとどうでしょう。第4章終了時点で、もう10万字ちょいに到達してしまいました。まだヒロインは4人しか出ていないのですから、これでは完結できません。


 したがって、『電撃大賞』や『スニーカー大賞』に応募することはできなくなってしまいました。募集しているのは完結済みの作品のみです。「完結してないけど第4章までで判断して~!」というわがままは通用しないのです。


 どうせなら賞に応募したいと考えるカクヨム人は少なくないはずです。基本的に読まれたいから投稿する訳ですからね。カクヨム様から応募できる賞があるのなら、試したいと思うのが当然だと思います。


 ところが、メインキャラをたくさん書こうとすると、規定文字数をオーバーしてしまうのです。ですので、文庫本1冊程度にふさわしい人数を設計するのがよいかと思われます。



 コンテストの話を抜きにしても、10人以上のメインキャラを書くのはおすすめしません。せっかく魅力的なキャラを書いても、多すぎると読者の方に忘れ去られてしまうおそれがあるからです。



『ちょっと待て。俺の好きなラノベはメインキャラだけで10人くらいいるぞ。アニメにもなった有名作品だ』



 そんなお声が聞こえてくるようです。『アニメにもなった』ということは、本として世に出ているものだと思われます。なるほど、著名な作品から学ぶ姿勢には共鳴いたしますが……。


 映像化作品や挿絵付きの書籍というのは、我々が書くカクヨム内での作品とは条件が異なるのです。カクヨム人が扱えるのは、基本的にはテキストのみだからです。


 アニメやイラストなどの視覚情報というのは、とても記憶に残りやすいものだと思います。複数人のキャラが入り乱れてもそうは忘れません。


 一方で、文字だけの情報というのは、どうしても印象に残りにくいものです。せっかく覚えたかわいいヒロインも、2,3章挟んで再登場する頃には忘れてしまいます。テキストのみの作品の場合は、イラスト付きの作品よりも人数をしぼるのが有効だと考えます。



 という訳で、長編なら主人公含め5人程度がおすすめです。前回・前々回挙げさせていただいた、『涼宮ハルヒの憂鬱』のSOS団も5人ですしね。


 正直この創作論もどきを読むくらいなら、その時間で『ハルヒ』様を読んだ方が5億倍ためになると信じております。悪いことは言いませんので、ぜひそうなさることをおすすめいたします。


 ちょうど今、新刊発売のキャンペーンをなさっているのですよ。第1巻にあたる『憂鬱』は期間中ずっと無料で読めますので、この機会にぜひ読んでみましょう。


https://kakuyomu.jp/works/16818023213986880136



 さて。人数が決まったところで、各キャラの設定を考えましょうか。


 見切り発車した僕ですが、執筆途中でいわゆる『キャラ表』というものを書いてみました。キャラクターの設定を箇条書きで表したものです。


 本来であれば執筆前に作るものですが、もし僕のようにフライングしてしまった方がいらっしゃったら、今からでも作成することをおすすめします。キャラ表を作ることで、各キャラに一貫性を持たせることができるからです。


 これから執筆を始められる初心者の方は、あまり身構えず『キャラのプロフィール帳』くらいにとらえていただければ大丈夫です。あくまで執筆の補助ですから、最初は埋められるところだけ埋めてみましょうね。


 例として、僕が実際に使っているキャラ表を挙げさせていただきます。よろしければ参考になさってみてください。



『アンタが使ってるキャラ表だろ?』

『そんなの使えるのかよ』



 そんなお声が聞こえてくるようです。確かに僕が使用しているものですが、ご安心ください。胸を張って紹介できる自信がございます。


 なぜなら、カクヨム内の先輩創作論を読みあさって選定した項目だからです。各創作論で紹介されていた項目をいいとこ取りしたもの。つまり、僕が一から考えた訳ではないのです。



『そうか。なら安心だ』



 納得いただけたところで早速参りましょう。ちなみに、僕の作品傾向が『ラブコメ』であるため、その向きの仕様となっております。ご了承ください。


 無理にすべてを埋める必要はございません。使えるところだけ利用してください。また、短編の場合はキャラ表なしでも大丈夫だと思います。


 では、少々長いですがお付き合いくださいませ。



    *



・名前……

・(そのキャラを)ひと言で……

・ニックネーム……

・主人公との出会い……

・学年……

・年齢……

・誕生日……

・身長……

・バストサイズ……

・容姿(印象)……

・髪型……

・服装……

・アクセサリー……

・生まれ育ち……

・一人称……

・言葉遣い……

・主人公をどう呼ぶか……

・その他発言に関して……

・職業……

・イメージカラー……

・血液型……

・学校(出身校)……

・同じ学校のキャラ……

・部活……

・バイト……

・成績……

・得意科目……

・苦手科目……

・性格……

・好きなもの……

・嫌いなもの……

・好きな食べ物……

・嫌いな食べ物……

・趣味……

・特技……

・苦手……

・目標……

・将来の夢……

・家族関係にあるキャラ……

・その他のキャラとの関係……

・備考……



    *



 ……以上でございます。コピー&ペーストしてお役立てください。『ワークスペース』の一番上にでも保存しておくと便利ですよ。


 もちろん、足りない項目を付け足していただくのも自由です。例えば『異世界ファンタジー』なら、『レベル』や『スキル』などですね。『学校』や『部活』などは、お手数ですがカットしてください。あなた仕様のキャラ表にカスタマイズしましょう。




 最後に、今回のまとめです。



・メインキャラは短編で2人前後

・10万字ちょいの長編では5人前後

・キャラ表は上記参照(メインだけで大丈夫ですよ!)



 本当に気負わなくて大丈夫ですからね。あくまで執筆の補助ですから、気軽にチャレンジしてみてください。



 今回までで作品のイメージは膨らんだと思うので、次回は第1話をどう書くか考えていきましょう。それでは失礼します。(2989文字)

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