第14話 事件

真夜中の十二時半、人気のない港町。そこはもう古くなり使われていない船が置いてある。昼間でも来る人はほとんどいないこの場所に。真夜中、人が来ることはない。

だが、今日。一人の男が、気配を殺し、その場所に立っていた。

黒いコートを身にまとい、その目は奇しく光っていた。その男は十分ほど一人でそこに突っ立っていたが。そこに別の男が来た。その男はなにか言うとアタッシュケースを渡して消え去った。


Prrrrrrrrr…Prrrrrrrrr

暗い部屋の中に電話がなる。時計の針は1時を指している。

寝ぼけ眼で如月光はベットから出て受話器を手に取った。手にはいつもどおりにパソコンを持っている。

「ふあーい。なに?え?もう見つかったん?私が深夜零時まで探して見つからなかったのに?で、どうだった?」

さっきまで眠そうに目をこすっていたのに急に目を開いて、うなずきながらパソコンを開いた。

パソコンの明かりが部屋を明るく照らす。かちかちというパソコンのタップ音がやんだ。

「嘘やろ」

送られてきた情報を見て如月光は目を見開いた。

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