ホンネ
桃の串焼き
第1話
いつからだろ
胸の内の黒いモヤを、吐き出せなくなったのは
喉元まで上がったその言葉達を飲み込んで
何事も無い顔で、また今日を迎える
いつかの自分が隠したそれを
今日の自分が吐き出す訳にはいかないと
自分にまた枷を付ける日々
誰のせいでもない
これは自分が弱いせい
誰もがそれを隠してる
だから、だからこそ
尚更誰にも言えないだろう
弱く見られたくない
情けない姿を晒したくない
弱みを見せるのは甘えなのだ
そうして今日も
何も変わらず過ぎてゆく
理解されたいとは思わない
ただ、もしもこの本音を、誰かと共有出来たなら
少しは楽になれるだろうか
そう、考えてしまう
慰めでも、哀れみでも無く
ただ聞いて、頷いてくれるだけでいい
他には何もいらない
それだけでいい
それだけ、それだけなのだろうか
本当は贅沢な望みなのかも知れない
そうして欲しいと願ってる時点で
それだけと言えるほど、謙虚な望みでは無いのでは無いか
自分はなんと欲深い人間なのだろうか
他人に求めてばかりのろくでなし
そう思われても無理は無い
なんと愚かな人間か
本当に嫌になる
こんな自分が嫌になる
自分を嫌いな自分が
嫌悪にまみれた自分を
今日も守って生きようか
ホンネ 桃の串焼き @momonokusiyaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ホンネの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます