第1話 その日のセッション後に
俺はTRPGが好きだ。
今日も久しぶりにサークルメンバーで公民館に集まり、セッションをしてきたところだった。
インターネットの高速化や世情の関係で近年急速にオンラインセッションの環境が整ってきたが、やはりたまにはこうやって仲間内で集まってワイワイやるのも楽しい。
特に今日は俺たちのサークルが結成された遠因でもあるシステム『ブレイズ&ブレイブ』の最新第3版の初プレイと言うこともあっても、普段よりみんなテンションは高めだった。
特に
そして俺たちは版上げにより、整理されたルールや新ギミックについて話しながらキャラクターメイクをする。
コレが実は一番楽しい。
前の版のシステムではルールやギミックの追加による追加で、いろいろと裏技的に
ではそれに対して既存のPCをどう
……だったんだが、やはりスキルなどの少なさがデメリットとなり、リビルドのつもりが
挙げ句に『感覚不全』のペナルティが大きくなり、裏技も使えない。
そのため特徴を変える必要が起きてしまった。
(彼女の特徴はそれだけじゃないので、全体的に変更することにはならなかった。)
ともかく、俺たちは新たな能力になった使い慣れたキャラクターで、その日のセッションを楽しんだ。
そして、その日の帰り。
久しぶりに顔を合わせたと言うこともあり、近くのファミレスで軽く飲みながら感想を言い合うなどしてから別れた俺は1人バスに乗っていた。
他のメンツと違って比較的近所に住んでいる俺は電車よりバスのほうが帰宅が早い。
明日の仕事のことをた俺は考え、名残惜しいか一人バスでの帰宅を選んだ。
まだそんなに遅くないとは言え、休日夜のバスは乗客も少ない。
とは言えそれなりに席は埋まっていたので、俺は最後尾のイスの中央に座った。
スマホでSNSの巡回などしながら車に揺られていた俺は気が付かなかった。
後方を走る車がフラフラと揺れながら、速度を上げているのを。
バスの運転手が後方の車の異常行動に気がついた時にはすでに遅かった。
高速でバスにめり込むように突っ込んできた乗用車。
俺はその衝撃で宙へと舞い、数席先のイスの角に頭部を強く打ち付けたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます