第4話 元凶さん 原点

 そこでよく見かけたのが、四季と恋の歌である。様々な四季が様々な角度で見られている。その上で美しいと思う自然に振り回される人間の心。そして、恋から見捨てられる寂しさと人間の儚さ、その上で血の涙を流す辛い思いたちである。

 それと同時に、変わらず自然に対しては美しい感覚を持ち、四季の移り変わりそのものに見惚れるものもあれば、四季と自分自身を重ねて、恋に沈みより愛して愛して苦しみ悶える。その上で離れられない人間の辛さと哀れさ。

真っ赤な椿のようなあまりにも苦しく燃えるような心、桜のようにささやかに密かに想い、次第にひとに狂わされていくやわらかくも残酷な恋。

 その人間模様と苦しみや哀れ、儚さ寂しさ楽しさ、残酷さ。あまりにもなんともいえない感覚。人生と仙人生で4番目くらいの刺激的な体験となった。

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