第43話 ラファエラ1

 朝起きるとラウラの胸の中だ。甘い汁を吸いながら寝てしまったらしい。

そのままくわえこみ、起きないようにそっと優しく吸う。



「んん…」



 ちょこっと甘い汁が漏れてくる。舐めながらチュウチュウ吸う。

ラウラはピクピクしているが、なかなか起きない。



「んっ…ロウ様…あっ…も…もっと…お吸いになってもいいですよ。」



 頭を撫でられて抱え込まれる。

頭が朦朧としてくる。中毒性が強いな。甘い。ラウラに優しくキスをして、下に降りて食事にする。



「ラファエラ、お前の部隊はどうするつもりだ?」


「はい。ドラゴニュートを配下にしたいと考えています。」


「俺も行こう。連れて行ってくれ。」



 ラファエラに乗り、南下する。砂漠の中のオアシス都市クラカを通り過ぎて、さらに南へ進む。標高の高い山に近づいていく。下はあんなに熱かったのに雪が積もっている。山の頂上より少し下の洞窟に入ると、ドラゴニュートがいる。ドラゴニュートはラファエラを、見ると跪いた。



「長に会いたい。」



 ドラゴニュートは体は鱗に覆われ、尻尾や翼がある。顔は人だ。警戒しているからか表情が少ない。洞窟の奥に案内される。いくつも分岐を分かれて壁と扉がある場所に来た。扉を開けると応接室になっている。中から赤いドラゴニュートが出てくる。



「ファイアドラゴン様がわざわざおいでとは光栄で御座います。」



 挨拶をして皆が椅子に座る。



「実はな、我はこのロウの配下となり、ラファエラと名付けていただいたのだが、私の部隊を編成したいと思って来たのだ。」


「えっ!この方にですか!そ…そうですか…して部隊は何人ほどでしょうか」


「そうだな…まあ何人でもいい。」


「しばし、お時間いただけますか。皆に話してまいりますので」



 赤いドラゴニュートは急いで外に出ていった。バタバタと翼を羽ばたかるのが聞こえる。ゆっくりとラファエラの角を触ってみる。ラファエラは角を触られると弱いようで、クネクネしている。かわいいな。しばらく角をニギニギしているとドアが開いて、赤いドラゴニュートが入ってきた。



「ラファエラ様、お待たせいたしました。我らドラゴニュート212人全てあなたにお仕えせていただきます。」



 扉を出ると広場にぎっしり跪いている。多いな。しかし赤いドラゴニュートはなかなかの強さだ。サイクロプスのイサークといい勝負じゃないかな。



「ルーカス」


「は!装備でございますね!」


「強い奴10人はオリハルコンを装備させてやれ。赤いドラゴニュートさんには特別な奴な。」


「は!」



 空間魔法により自動で鎧と兜、盾と槍が装備されていく。赤いドラゴニュートには赤く縁取りされた防具と青く長い槍が装備された。



「オリハルコンでも、物理魔法耐性のある装備品を選びました。槍は貫通特攻、長さ自在が与付されたものです。」


「ラファエラ、どうしたら強くなれると思う。」


「主の血をもっと飲ませてくれ。」


「そうなんだ…ルーカス吸血魔法で頼む。」



 ルーカスはグラスを10杯出し、赤い血で満たしていく。グラスでかくね?普通の人からあんなに採ったら死ぬよね。ハイヒューマンだから大丈夫なのか…?ラファエラと10人が一気に飲み干すと、膝をついて腕で身体を押さえたりして何かに耐えている。過剰摂取じゃ……



「んんっ…」



 ラファエラは頬を赤くしてこちらを見ながら悶えている。なんだかいやらしいな。

そばに寄ってドサクサに紛れて身体をさするふりをして色々とモミモミする。



「あぁっ…い…今は…だ…だめです…あ…あとから…んんっ…」



小声で震えながら拒否されてしまったが、わからないようにモミモミする。



「んんっ…あ…主…」



 しばらくすると俺の力も上がるのを感じる。



「長い間、叶いませんでしたが存在進化してフレイムドラゴンになれたようです。」



 何?また強くなったの?あんなに圧倒的だったのに…ドラゴニュートはドラゴニアになったみたいだ。見た目も肌が鱗では無くなった。自在に鱗で覆い、竜化できるらしい。キリッとした美人さんが多い。色々期待しよう。



「ラファエラはナックルをドワーフに作ってもらってよ。ヒヒイロカネが余るかもしれないからそれ使って。あと、体術を邪魔しないように付与された装備品も頼みに行ってきて。」



 ラファエラがべったりくっついてくる。しかし、このオリハルコンとミスリルの防具、槍と盾、特別な青い槍といい…ルーカスは俺の思考を先読みして作らせているようだ。鎧とか翼の部分が空いているし。


 サイズは調整できるようにしてあるみたいだが。ラファエラは召喚魔法が使えるのでドラゴニアと契約をした。ここを拠点に魔物を狩り、血を使い、強い仲間を増やすよう言い渡す。必要な時に助けに来てもらおう。

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