第8話:うそ・・・彼女がいるだか?大輔。

澪とは小さなことで揉めたり気持ちのすれ違いもあって、なんとなく新鮮さ

を失ってる。

お互い出会った頃には戻れないって分かってる、けどだからって澪のほうから

別れたいとは言わない。


俺?俺は・・・正直どっちでもいい。

澪が別れたいっていうならそれでもいいと思ってる。

俺と澪はこのまま一緒にいてもきっと長くは続かないだろう。

分かるんだ終わりを迎える男と女って・・・。


桃と言う存在が俺から澪を遠ざけたいって打算的気持ちの原因になってる

ことはいなめない。

桃の存在は俺にとって新鮮と言う忘れていた気持ちを蘇らせた。

最初は少し迷惑って思ったけど、今は桃を受け入れようとしている。

このまま何もなければ桃とはうまくいきそうって期待してる自分がいる。


俺は薄情な男だ。

気持ちが澪から桃に傾き始めてる。

そんな自分に嫌気がさして自己嫌悪に落ちる。


いっそ澪のことを桃に言ってしまったほうがいいのか?

いずれお互い顔を合わすのなら・・・。


このまま桃に澪のことを隠したままで悶々とした気持ちでいるのは気が

とがめる。

そこで俺は桃に澪のことを話した。


「桃・・・実は話があるんだけど・・・」


「未来へ帰れって言っても私、帰らないからだからね」


「帰れなんて言わないよ・・・そういう話じゃなくて」

「隠してたって、いずれバレると思うから言うけど・・・実は俺には今、

付き合ってる彼女がいるんだ」


「その子はみおって名前」


「うそ・・・彼女がいるだか?大輔」


桃は、俺に彼女がいると聞いてショックを受けたようだった。


「なんだか悲しい・・・」

「ちょっと待って・・・悲しみがこみ上げてきただわ・・・」


「おいおい、大丈夫か?・・・やっぱり話すんじゃなかったかな」


「そうだわ・・・聞くんじゃなかっただよ」


「だけど、黙っててあとで俺の彼女とバッッタリなんてことになったら

余計ショックが大きいだろ?」

「桃には悪いと思ってるけど・・・桃が来る前から付き合ってる彼女だから」


「ごめんね、私、彼女さんがいることも知らずに押しかけてきて・・・」


「いやいや、わざと来たわけじゃないだろ・・・不可抗力ってやつだよ」

「だから桃は何も悪くない」


「そうなんだ・・・大輔は私よりその彼女のほうがいいだかね?」

「いいだかって言うか・・・」

「私、負けないだわ」


「え?」


「私、負けないだから・・・大輔の彼女さんには・・・まじこで」


「いやいや・・・」


「さっきまで、泣きそうだったじゃん」

「それに三角関係はまずいだろ?」


「だって、私もう未来には帰れらないから・・・」


「え?完全に帰らないって決めたのか?」


「私、彼女さんと対決するだから」


「対決って・・・それを言うなら対抗じゃないの?」


「そうだっけ?・・・たいけつ?・・・ん?・・・たいこう?」

「そんなこと、どうでもいいだわ」


「とにかく私、大輔を諦めないだわぁ・・・もはや」


ゴジラVSガメラみたいなもんかな、これって・・・どっちがゴジラで、どっちが

ガメラか知らないけど・・・。


つづく。

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