第35話 やべぇ……バレっかもしれねぇ……

そうなのだ、集まっている冒険者達が皆、チラチラとこっちを見てくるのだ。

「おい、あれって……」

「あぁ……間違いないな……」

そして、その冒険者達は僕の方へ近づいてくる。

「なぁあんた」

僕は恐る恐る返事をした。

「……はい?なんですか?」

すると1人の男が僕の肩をガシッと掴みこう言った。

『お前、魔王軍の人間だろ?』

……え?なんでバレた……?

「い……いや違いますよ!僕はただの新人冒険者です!!」

しかし、周りの冒険者達は疑いの目を変えない。そして別の男がこう言った。

『いや……その反応は絶対そうだ』

するとまた別の男も、

『あぁ間違いないな……』

と言ってきた。

「だから違うって言ってるじゃないですか!!」

僕は必死に否定するが彼らは全く信じない。それどころかどんどん迫ってくる。

『おい、ちょっとこっち来いよ』

「いや……離してください!僕は魔王軍の人間じゃないんですよ!!」

しかし、抵抗も虚しく僕は腕を引っ張られていった。そして人気のない場所に連れてかれると冒険者達は僕に剣を突きつけてきた。

「動くな!」

「なんでなんですか!?」

「ふん。下手な芝居をしたもんだ。お前からはするんだよ。魔王の魔力がな」

「え?」

魔王の魔力ってなんだ。.........もしかしてメキアといっしょにいたせいか!?どうすればこの状況を切り抜けられる?正直剣を突き付けられてはいるものの、まったくもって怖くはない。

そうだ。バッド・アサヒ?になすりつけよう。


僕は最近バッド・アサリ?なる組織と戦ったこと。そいつらが魔王軍とつながりがあるのかもしれないこと。そしてそいつらと肉弾戦をしたことを説明した。


「嘘はついていません。信じてください」

「嘘は言ってないな……」

と1人の冒険者が言った。

そして自分の容疑は晴れた。危なかった。末代まで呪われるところだった........って自分に子供いないのに末代までってどういうことだよ。


そして、何事もなく戦闘が始まるのだった。

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