第5話 報酬

「それにしても私の子供たちが……」

「子供………?????」

僕は少し頭がフリーズした。

「アルマはな、自身でスライムを生み出せるんじゃよ。だからこそ大量発生の情報を聞いた時にアルマがいるのではないかと思ったわけなんじゃ」


それから摩訶不思議なことが起きた。


なんと僕が倒したスライムが蘇ったのだ。


メキアと僕が出した仮説では、僕のスキルが関与しているのではないか、ということだった。先程まで自分はスライムが魔王軍四天王、つまりは魔王軍だとは思わなかった。しかし、魔王軍だと判断した時点でスライム達が蘇った。


「恐ろしい人材に頼み込んでしまったのかも知れぬな……」

「なんだよ恐ろしいって……まぁご都合主義すぎるスキルなのは否めないが」

「生も死も操るとは……まるで死神のようじゃな」

「ひどい言われようだが否めねぇ……」


そんなこんなで、薬草を集めつつ、ギルドへ向かった。


待つのは煩雑じゃ。妾も向かう。ってメキアは言っていたが……まぁ無視した。


「この短時間で……大量のスライムの討伐と薬草の回収をしてきたんですか!?」

「えぇ……まぁ……」

カシルさんは驚いている様子だった。

「そんな驚きます?」

「いや……スキルなしがこんな短時間に二つの依頼を……しかも大量発生しているスライムの討伐だって……」


討伐した際には、討伐の証として討伐対象の体などを元とした『素材』が必要になるのだが、スライムは幸い液体状の生物。少し体を切ってそれを討伐証明素材とした。


「そういえば、どうやってスライムを倒したんですか!?魔法なしやスキルなしだと倒せませんよ!?スキルでさえ、打撃系統だと一切効かないのに……」

「えっと………ち、近くに焚き火を作って、木の棒とかに火をつけてそれでスライムを殴りまくったんですよ……」


流石に無理がある…….と思ったが、


「なるほど!たまにやる人がいる代表的な方法ですね!誰も教えていないのにそれを考えるなんてさすが異世界の召喚者様!」

「え、あ……べ、別にそんなことはないけど……そうやって倒したよ」


咄嗟についたもののこちらの世界では普通にある手段のようだ。どんな確率なんだ。自分の運が怖くなってきた。それかこれも自分のスキルによる力か?だとしたら万能を通り越して厄災だろ。


「そういえば、報酬ってどうなってます?」

「えっと……スライム討伐に加えて、スライムの素材。そして薬草の買取で……ざっと、1120ロロですね」


そうカシルさんは言うと、金貨1枚と銀貨2枚……そして銀貨に似ているものが一枚渡された。

銀貨のように見えるが、書かれている模様が違う。


「えっと……これは……?」

「ああ、説明がまだでした。こちらは、白金貨というものです」

「白金貨……?」

「プラチナ、という鉱石が使われていまして、1白金貨で1000ロロという扱いになります。1金貨で100ロロ、1銀貨で10ロロ、1銅貨で1ロロという扱いになります」

「通貨にも色々とあるわけか……」

「サイトさんの世界には通過はなかったんですか?」

「いや、ありますよ。けど、まぁこっちみたいに金貨とか銅貨、っていう名称じゃなかったかな。こっちの世界のロロを使うとするなら、10ロロ玉とか100ロロ玉、500ロロ玉、1000ロロ札、2000ロロ札、5000ロロ札、10000ロロ札かな」

「そのままなんですね」

「まぁシンプルがベストともいうし、わかりやすいですからね」

「確かに、10ロロ玉っていう名称で一つで10ロロっていうのが丸わかりですね!」

「まぁそういうことです」


ちなみに、他にも翡翠貨、琥珀貨などなどあるらしい。まぁ、正直金持ちが持つやつだな……。


そういえば、カシルさん……寝癖凄すぎてツノみたいになってたが、教えてあげた方がいいだろうか……。


ま、いっか。

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