地獄のような幼馴染との奴隷生活から抜け出したが、新しい主人(義妹)も別方向でヤバかった。

少し復活したエアコン

第1話

 「ほら、これを残さず食べさない」


パンのみみより、量の少ない米つぶのほんのあつまり・・・

  

「・・・」


 だけど、俺はこれを食べないと死ぬのだ。


________


 村を焼かれて、俺の両親は無くなってしまった。


 なんとか義妹に全財産と必要物を持たせて逃すことには成功したが、代わりに俺は捕まってしまった。


 そして、前は隣に住んでいた幼馴染にこうして奴隷として飼われることになった。


 最初は救われたと思ったが、そんなことはなく俺はこのハルに奴隷としていじめられ続けていた。


 ご飯は最小限、トイレ掃除風呂掃除、屋根掃除・・・ダンジョンの護衛・・・


 ほぼ全て俺が負担をしている。


 「早く、マッサージをしなさい」


 さっきまで、俺のことを怪我なんてさせてない筈なのに、怪我をしたからと言い張られ、お仕置きの鞭打ちされた。


 そして、その鞭打ちで疲れた腕のマッサージをしないといけない。


 「・・・ぁぁ下手くそね!もっと力を入れさない!」


 怒鳴られる。と言うか春の奴隷になってから怒鳴り声以外は聞いたことがない。


______


 「・・・はぁー、」


もうすでに深夜4時、今日は5時起き・・・


辛すぎる。


 「・・・」


ただでさえ、両親が亡くなった傷がいえてない、 のにこんな人生なんて・・・


「ナツに会いたい」


_______


そして、今日は客人を招く日で特に忙しい。


 「アンタ、そんな格好でいいと思ってるの?」


「すいません!!すぐに着替えてきます」


さっきまでずっと横で、掃除やなんやらしてI秒もトイレすら我慢していたのに無理がある。


 「はぁー」


 今日はこれから、みんなの憧れの魔王を倒した勇者様が来るはずなのに、全くテンションが上がらない。


_______


「・・・まぁ、それは」


「えー、」


声が聞こえてくる。例の勇者様だろうか?


 「すごいですね。魔王を倒したって」


「はい、両親の仇でもあったので」


この声、聞いた覚えがある。と言うか


「そうだったんですか、」


いや、でもそんなまさか


「はい、魔物に村を焼かれて、両親は殺されて兄と生き別れてしまったんです」


「そんなことが・・・」

 

嘘だろ。まじなのか?


だったら、この2年でそんな


「実は私の大切な奴隷も同じような目に会ってしまったんですよ」


「まぁ、大切な」


大切なんかじゃない!!


 思わず突っ込みたくて、開ける所だった。


「それにしても、さっきから着替えが遅そくなっているみたいで、これじゃ、お茶も出せませんわ」


って、そうだ。お茶・・・あーもう、空腹と勇者が、妹なのかもというか疑問ですっかり忘れていた。


あー、絶対怒られる。だけど今はいかないと・・・それに確かめたいし、


「大丈夫ですよ。それに」


「・・・っ!」


勝手に体が引っ張られる。前の扉も勝手に開いて、お嬢様と勇者・・・2年で大きくなった義妹の前に現れた。


「優!!って何をするのよ!!私の奴隷に!」


 お嬢様が心配??な訳ないか 


と言うか喋れない


「私の奴隷じゃないです。私の大切なお兄様です」


「お兄様??優に妹なんて居ないはずよ!!」


「私は、義理の妹なんです」


「はぁ!義理って??」


「それより、お兄様解除と」


パリンと音が鳴った。


「ちょ、何をして!!何をすんのよ!!優に!」


「大切なお兄様を取り戻すのは義妹として当たり前ですよ。じゃあ、もう要はないので、」


そして辺りが消え始める。これは伝説の転移魔法


「待って、優!!私はもうあなたと離れたくな!」


_______


 気がつくと、そこは無くなった筈の前の家にそっくりな家だった。


「お兄様!!やっと会えました」


「俺も嬉しいよ。急でビックリした」


「そうですよね!!一刻も早く会いたくて、この解除の腕輪を手に入れた瞬間に飛んできちゃいました。」


「そうなのか」


「はい!!それでお兄様これからはずっと一緒ですね!!」


「そうだな。ナツのおかげで長い地獄のような奴隷の時間は終わっ・・・」


その瞬間、奴隷生活の疲れたと、夏に会えて安心したからか、一気に眠気がした。


________


目が覚めると


「やばい!!寝てしまった!!」


と一瞬焦ったが、家を見た瞬間に自分はもう奴隷じゃないことを思い出し・・・


「あれ、なんで首輪?・・・ナツ??まだ首輪があるよ。どうして?一回外さなかったけ?」


「はい、私が付けたので」


「??え、あ。そうなの?なんで?」


「そんなの、お兄様を奴隷にする為だからに決まってるじゃないですか?」


「???」


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