第3話
唐突に秋の夜が訪れたと思った。
数日前まで夜ですらエアコンが消せなかったのに。
今日はベランダで涼む事ができている。
夏に漬けた梅酒を片手に咲凪は夜空を見上げていた。
いつだったか、流星群が流れると言っていた日はあいにくの雨で見られなかったと思い出す。
空を眺めるのが好きだ。
昼は色々な雲の形を、夜は星を見る。
それは心が安らぐ時間になった。
ぼんやりしながら梅酒をひと口。
ふぅと息をついた時だった。
傍に置いていたスマホが鳴った。
「はーい」
『あ、咲凪!今度の休みはいつ?』
相手は紬希だった。
「いつも通り土日休みよ」
『そう、じゃあ暇だったら一緒に出掛けない?』
「いいわね」
そうして決まっていく週末の予定。
優羽も誘ってどこへ行こうかと行き先の候補を上げていく。
空に一筋光が流れる。
きっと明日も週末もいい日になるだろう。
咲凪はこの後続くだろう長電話に備えて、ベランダの戸を閉めたのだった。
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