第2話

「かわいー!もふもふー!」

「紬希、大きい声出したらびっくりしちゃうわよ?」

「ふわっふわだぁ」

少し暑さも和らいでどこか出かけようという話をして、今日は三人で動物園に来た。

動物たちを見て回り、途中で目に入ったふれあいコーナーに立ち寄っている。

「見て!足の裏までもふもふしてるわ!」

紬希が抱えている兎の足をこちらに向けて言う。

ふかふかとした毛が本当に足の裏まで覆っている。

「すごいね、肉球とかじゃないんだ」

兎が嫌がらない程度に足を少し撫でる。

「ね、餌やりもできるみたいよ」

「貰ってこようか」

一度兎たちを解放して飼育員の元へ行く。

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

受け取った餌入りの小さなバケツを持って三人は動こうとした。

しかし、足元に兎たちが集まって固まってしまう。

「これ…このままあげる?」

「あげにくいよね…」

「ゆっくり行きましょ」

そろそろと兎たちの間を縫うようにして移動し、無事ベンチに座ることが出来た。

「ほら、おたべー」

「口が可愛いわ」

人参やリンゴを必死に食べる姿は本当に可愛い。

優羽は餌やりをしながらそっと写真も撮っている。

「あ、優羽!あとで私に送って!」

「私にも」

「はーい」

数枚写真を撮って、餌やりをして。

体験を終えた後はまた少し園内を見て回ってから帰る。

お土産にぬいぐるみを抱えて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る