第31話 【閑話】猫テイマー レベル1
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ダンジョン地下1階層。
「行くのだにゃん吉! ひっかき!」
「にゃ~?」
猫テイマーのエーコはテイムした猫に指示を出すも、命令は届かなかった。
「こ、こらー! にゃん吉! ひっかきだよひっかき! ポヨポヨスライムに攻撃よ!」
「にゃ~?」
ポヨポヨスライムはポヨポヨしながら猫テイマーのエーコを見つめるのであった。
「あ、にゃん吉! どこ行くのよ! 待ちなさーいっ!」
「にゃにゃにゃ」
ポヨポヨスライムはポヨポヨしている。とりあえずは戦わなくて済んだようだ……。
にゃん吉を追って追って追い続けて、ダンジョンの入口に戻って来たエーコ。
「んもーっ! にゃん吉! ポヨポヨスライムすら倒せないなんてがっかりだよっ」
「にゃ~?」
「え、人?」
ダンジョン入口に人が倒れていた。エーコは息があるか確認すると、手持ちの薬草で治療を始めた。
「悪いな、嬢ちゃん」
「しゃべらないでください。傷口に響きます」
「いいんだ。これじゃもうもたねぇ。嬢ちゃん、頼みがある、これをアッシュの兄貴に渡してくんねぇか? ギルドにいきゃ分かる。頼むぜ嬢ちゃん……」
「おじさん……」
謎の男はエーコに血の着いた手紙を渡すと息を引き取った。
「ギルド……、分かりました……」
エーコはにゃん吉とミッドラル王国内にあるギルド本部に急いだ。道の途中、肩にスライムを乗せて歩く少年にぶつかってしまったが、すぐに謝り体勢を立て直すと足を走らせた。
ギルド本部に着き、男から預かった手紙をギルド受付嬢のミアに渡した。
「ダンジョン入口に男性が倒れていてこれをアッシュさんに渡してくれって」
「手紙……? 分かりました。アッシュさんに渡しましょう」
「お、お願いします!」
大役を任されてヒヤヒヤしていたエーコ。しかし、無事に手紙はギルド本部に届けることができた。エーコはにゃん吉の頭を撫でてあげるのであった。
「にゃ~?」
にゃん吉は目を細めながら、エーコに頭を撫でられることに満足していた。
「にゃ、いいですにゃ~」
「っっ!!!!?? しゃべった!!」
「え、吾輩、いつも通りですにゃ~」
「え? もしかして私、猫語が分かるようになったってことおおお!!????」
「そうかもにゃ~」
「ふぁい! あざっす!」
エーコは急ににゃん吉の言葉が分かるようになると、嬉しさのあまり踊り舞い上がるのであった。
「にゃにゃ、落ち着くにゃ~」
しかしエーコは楽しそうに一人で踊り続けていた……。
//////////
またまた新キャラ?
大丈夫でしょうか、私……
閑話ばっかりで本編進まんよ……
が、頑張ります。
σ(^_^;)?
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